[ 少将が気遣わし気に、店主のことを聞いてくる。
私は既に医院へ運ばれた軍人たちを振り分けながら
再利用出来るように整えられたメスや注射針を手に、
口を開く。 ]
幼馴染だ。
……いや。幼馴染"だった"。
彼の幼馴染のひとりに、私の弟がいたんだ
そうでなくとも、彼の兄は王によって処刑されている
──動機に不十分な点はあるか、少将殿?
[ そして、今このタイミングで店を捨てたということなら
本当にただ巻き込まれただけだ、という可能性以外では
"彼らの狙いは王ただひとり"か?
そこまで頭を回す前に、私は治療へ取り掛かる。 ]