「口をつく全ての言葉は、或いは先輩の言葉だったのかもしれない。彼の心に、未だ住み着いている先輩。二年生の彼に、後を託していった人。その人の意志が、飯島の身体を借りて、勝手に話しているのかもしれなかった。少なくとも、飯島はそう感じた。全てのことは薄皮一枚隔てた向こうのことのようだった。もし、これが自分の意思なら、なんて自分らしくないのだろう。」ー玉響に“なけ”ー 原作小説より一部抜粋。