[そして、外を見だすと、今度はそちらで話は弾む。]
そう、川が学区の境なんですよ。
あっちの橋の辺りに住んでる子は向こうの学校の方が近いっていいながらこっちに通ってきたりとか…
[普段の生徒たちの様子を思い出して、微笑んだ。]
でも、あそこの橋辺りなら、母校は…
いや、これ以上は個人情報の詮索になりますね。
家には良く戻られるんですか?
あの支流の川沿いとか、桜が綺麗に咲くでしょう。
いい場所ですね。
[何の気なしに聞きつつ、歌の話を聞けば、またまた、ご謙遜を、と笑った。
しかし「センセについて頑張りました」と聞けば、少しだけむむっとなった。
もしかして、あのNixの個人レッスンのようなものを受けたりしたのだろうか。
それは大分、羨ましい。
けれどもまた、遠い世界の話でもあった。]**