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うん。妹さんのことは任せて──…
だけど、アーネストさんも待つだけじゃないよ。
一番大事な仕事は、アーネストさんにしか出来ないんだから。
[にこっと笑って、握ったままの手を軽く振ってみせる。
そうして、穏やかな顔で微笑む彼女に問うように見つめ]
妹さんを迎えに行くのは、アーネストさんも一緒にだよ。
妹さんが今どんな状況でいるのかは分からないけど、
助けて欲しいって願ったのはアーネストさんになんだもん。
ヒーローは戦うのが目的じゃない、
助けてって声に応えるのがヒーローでしょ?
[問うように首を傾げ、片目を瞑って見せた後]
それに、アーネストさん
今日までずっと妹さんのこと信じて待ってたんでしょ?
だったらもう待つ必要なんてないよ。
ホワイト・マーブルに着いてすぐ動けるように
急いで調べてもらうから、
そこは、信じて待っててね。
[そういって笑いかけることで、
アーネストさんの不安をまた少し和らげることは出来るだろうか。
ともあれ、助力の了承を得られたわけだし善は急げと
ジムに来て早々船室にとんぼ返りして、出版社の担当に連絡を取った。
嫌らしい言い方ではあるけれど、金銭を惜しまなければこういったことは早く済む話だろう**]
─ 前日・図書室 ─
そうだねぇ。
きっと、何度も読み返したくなる物語だから
今日まで愛されてきてるんだろうね。
[グリーディアさんの手にある本は、それこそ気が遠くなるほどの年月を経ても人気の陰りが無いものだ。
そう考えるとすごいことだなと思っていたら、ふと私の本の話題に水を向けられて]
私の本?
あぁ、うん、置いてくれてたよ。
…もしかして、読んでくれる?
もしそうならね、直近で出した本の感想が貰えたら嬉しいな。
初めて書いたジャンルだから、反応が知りたくて。
[グリーディアさんと話をしながら、
私の本も、遠い未来に残る程愛されてくれたら良いなと願い、
グリーディアさんの愛書の中にも入れたらいいな、と交わした約束にひそり願いを込めた**]
─ いつかのスポーツジム・レットさんと ─
あはは、慣れないとペースってわかんないよねぇ。
私は調子に乗っちゃうから、余計に止め時を見誤っちゃって。
体力がついたら、もうちょっとマシにはなれるかなぁ。
[初めましての時>>148はこんな風に苦笑いを返したけれど。
何度か顔を合わせて、言葉を交わすを経ていった中で
彼女と話す内容も変わっていった。
浮かない表情を見て、どうしたのかと問いかけて
彼女がホワイト・マーブルに行く理由とか
将来とか、交友関係などの、彼女自身の事情を聞いたり>>149。
それに応じて、私も自分が作家業をしていること、
家族と離れてホワイト・マーブルに移住すると決めたことを話したら
レットから教えてほしいと尋ねられた>>151から]
どんな感覚、か…
正直に言うとね、
私、書けって言われたから書かなきゃ、が最初だったから
生み出すって感覚で書いてはいないの。
今度はどんな人を書こうかな、とかそんな位。
でも、そうだな…
私の書くものを読んで
この主人公は自分と同じ気持ちだ、
自分一人じゃないんだって。
そう思ってくれる人に届いたら良いな、
って気持ちで書いてはいるよ。
[そう言って笑って返した後]
あとは、えっとね。
私、一人の人の生を書き切ったことは無いの。
物語が終わっても、
本の中の世界は続いていくように
そこで生きる人達の道も続いて欲しくて。
[長きに渡って一人の男性の生涯を書き切った曾祖父と違い、
私は単作しか書いたことが無い。
宙色の鍵の主人公だって、未知の世界に踏み出す所までで終わっている。
だって少年が困難を経て掴んだ未来は、少年だけのものだ。
私が生み出した彼ら彼女らを送り出すことが、私の書く理由だとしたら]
永遠に続くものはあるんだ、って
一人でも思って欲しくて書いてるのかもしれないねぇ。
[我ながら夢想家だな、と苦笑を浮かべた**]
─ 前日 ─
[私の言葉に納得してくれたらしい、
そうだねという言葉>>194にほっと息を吐く。
ありがとう、と言ってくれた彼女に笑顔を返して]
ううん、こっちこそ
我慢してくれてありがとう。
[大切な人を傷つけられてるのに我慢しろと言ったのだ、
それを受け入れてくれた彼女に、こちらも感謝を返した後
妹さんの保護についての誤解を聞いて>>195]
妹さんの状況によっては
そうなる可能性もあるだろうけど、
出来るだけ妹さんに負担が掛からないやり方で
保護できるように動いてくれると思うよ。
だから、周辺の安全確保はプロに任せるだろうけど
妹さんを連れ出すのはアーネストさんに任せてくれるんじゃないかな。
[今まで頼んだことはないから想像でしかないけれど、
その道のプロならば安全策を選んでくれるだろう。
見ず知らずの他人に連れ出されるより身内の方が安心するだろうし、
何より妹さんが助けを求めたヒーローはアーネストなのだから。
そう伝えようと言った言葉は、彼女の笑みを明るく出来たよう>>196。
まるでヒーローだ、ヒーローだよと笑う彼女に
こちらもにこっと笑みを返して]
それじゃ、ここにはヒーローが二人もいるんだね。
なら、絶対妹さんは助けられるよ。
[今はまだ詳細も分からない、無責任な言葉ではあるけれど
信じて待ってて、との言葉も含め、絶対大丈夫だと希望を込めて言い切った。
金銭的な話はここで出さないまま終わったけれど、後でお金のことを聞かれたら私もヒーローとして助けたかったから折半で良いよって笑って返したとは余談**]
─ 翌日・船室 ─
[さて、明日で宇宙の旅も終わりという朝。
自分の端末に届くのを心待ちにしていた
調査会社からの連絡には
手紙に書かれていた住所にアーネストさんの妹さんが入院していること、
男の所在は調査中ということが記載されていた>>198。
妹さんの安全確保の為の人員は配置済で、
男への警戒も含めて警護に当たってくれていることと、
後はアーネストさんが着き次第、病院で詳細を聞ける手筈も整っているとの報に
こちらが明日ホワイト・マーブルに着く時間を返した上で
待ち合わせ場所の確認も済ませ]
『アーネストさん、妹さんの居場所わかったよ!
ホワイト・マーブルに着いたら
すぐ妹さんの居る所に行けるように
詳しいお話したいから時間ちょうだい!』
[昨日教えてもらった連絡先を早速活用して、返信を待った*]
[アーネストからの返信は何時入ったか、
男の所在は調査中だが、そんなのは後で幾らでも時間を掛けたっていいのだ。
妹さんの所在と、入院中とはいえ無事が分かったことが喜ばしく
アーネストさんと調査会社からの連絡と明日の段取りを話し終えた後は
今出来ることはもう思い浮かばなかったから、
船の中での残り少ない時間を楽しむ気持ちに切り替えた。
先ずはスポーツジムに行って一時間程トレーニングをしてシャワーで汗を流し。
食事にしようとは思ったのだけれど、
なんだか空腹ともなんとも言えない感覚だったので
食堂ではなく、カフェで軽食を頼むことにした]
─ 日中・カフェ ─
えーと、ハムサンドと
あとは…オレンジジュースをお願いします。
[席につき、注文を聞きにきた給仕係にお願いをしたのは
一口サイズにカットされたサンドイッチと、
少し悩んでオレンジジュースを頼んだ。
此処や食堂で良く漂ってきた香りがあれば、
それを頼もうと思ったのだけれど、今は無かったから]
…そういえば。
あの珈琲の香りとも、お別れになるのか。
[その香りを漂わせていた人…厳密にはアンドロイドだけど、
その人とは挨拶も含め何度か言葉を交わしたことはある。
ただ実は、自己紹介だけはしていない。
一番最初に会った時
その人が持っている本を、見てしまったから]
[あの時はまだ船に乗ったばかりで、
どんな人達がいるのかとか、一か月どうやって過ごそうかとか。
出したばかりの、初めて曾祖父と同じ土俵で戦うことになった本が
どんな風に受け取られるだろうとか、不安しか無くて。
そんな中、年配の男性がまさか持っているなんて思わなかったから
つい、名を名乗ることを躊躇ってしまったのだ。
そうして、名前を言うタイミングが見つけられないまま今日まで来てしまったけれど]
……せめて、お礼だけでも
言いたいんだけどなぁ。
[遠目でもわかるくらい、
一枚、一枚。頁を捲る指の動きは早くは無く、
けれど止まることも無く、読み耽ってくれていた。
あれだけ集中して読んでくれていたのだ、
彼が私の本をどう思ったかなんて、聞かなくたって分かる。
ありがとうと、どれだけ言葉を尽くしても足りない位に
私の世界を愛してくれたのだろうと**]
─ 午前・船室 ─
[前日、いきなりの頼みに担当さんからは訝しむ声が返ったけれど、
私のことをデビュー前から、家族の事情も含めて知っているから
友人の助けになりたいと言った私の言葉で引き受けてくれて。
担当さん経由で頼んだ依頼は
可能な限り早く妹さんの所在を特定し、可能なら安全の確保もしておいて欲しいというものだった。
信頼の置ける所を紹介してもらったおかげで、
私の依頼は滞りなく、おそらくは今出来る限りの対応をしてもらって>>218。
逸る気持ちに送った連絡は、程無く返信が届いた>>242から]
『妹さんの居る所に警護もお願いしたから
慌てないで大丈夫だよ』
[ひとまずこれだけ返した後待とうと思ったら、
そう時間が経たないうちに準備できた!という連絡が入ったから]
『アーネストさんが良ければ
そっちのお部屋に今から行くね』
[どうしても気が急いて仕方ないのだろう、
下手にこっちに呼んだら衝突事故でも起こしちゃいそうな気がして
私から彼女の元へ向かうことにした。
そうしてアーネストさんのお部屋にお邪魔して]
あのね、妹さんが手紙に書いてた住所
病院だったの。
それでね、今、妹さんはそこに入院してるんだって。
だから妹さんを保護するにしても、
妹さん本人の意思だけじゃなく
病院から退院の許可を貰えるまでは難しいかも。
だからね、
明日はホワイト・マーブルに着いたらすぐ
調査会社の人が病院まで連れていってくれるから、
妹さんの心身が今どんな状態か説明を受けることから始めましょうって…あ、そうだ。
アーネストさん、妹さんからの手紙は持ってきてるんだよね?
その手紙が妹さんの身内だって証明になるから、
アーネストさんにはそれを持参した上で病院に同行してくださいっていうのと。
妹さんの警護含めて安全確保の人員配置は既に済んでいるから心配なさらず、
笑顔で妹さんの前に出られるように体調を整えておいてください、だって。
[調査会社から届いた報告書と、明日の段取り。
担当者からの言伝を先ずは伝えて、
それからアーネストさんに向き直ると]
妹さんが入院してるのは心配だけど。
見つかって良かったね、
明日が待ち遠しいね。
[そう言って、ふにゃ、と笑って。
明日の調査会社さんとの待ち合わせ場所の確認と、
私が今回の依頼主になっているし、
助けると言った責任は最後まで持つけれど
妹さんからしたら全くの部外者だから
病院への同行はしない方が良いかな?
という点での確認だけ済ませたら、
今ここで出来ることは全部終わったと言えるだろう**]
…終わったって思いたくないっていうよりは、
親から子は生まれるけれど、
子の人生は、親のものではないでしょう?
私が生み出した物語だけれど、
物語を私の勝手にしたくはないの。
私がいなくなった後も
世界に残り続けて欲しい、終わらないで欲しい。
それこそ図書室に並んでる名作みたいに。
そういう気持ちだってあるけどね。
[そう言って笑いながら、
レットが自分の作品に興味を示してくれたなら
この名前のまま書いているから、良かったら読んで欲しいと答えて
彼女との時間を過ごしたのだった**]
─ 日中・カフェ ─
[そんなこんなで
最大の気がかりが一先ず安心出来たことで
残り少ない船の中の時間を過ごす余裕も戻った。
昨日運動しなかった分もジムで動いて、
軽くお腹にものを入れようとやってきたカフェで
休憩がてらゆっくりと食事を摂って。
思い返すのは、この船で出会った人達や過ごした時間。
昨日今日で起きたことは、思いも寄らぬことだったけれど
考えてみれば、思いもよらなかったことはその前に既にあった]
……男の人に
名前を呼びたいとか、呼んでほしいとか。
言う日が来るとは思わなかったよねぇ…
[それだけじゃない、自分から連絡先を聞いたり住所まで教えたり。そのくせ、踏み込む勇気は出せなくて。
近付きたい、知りたいと思う気持ちが空回っている自覚は、流石にある]
[今まで自分が物語として書いてきた中には、
男性の主人公は何人もいる。
机上の感情なら、いくらでも書けるし
その心理も、動きもわかる。
でも、現実はこんな、無様で不格好で]
……怖がってないで、
もっと関わり持つべきだったなぁ…
[人と向き合うことをさぼってきたツケが
今ここに出てるんだな、と
こんな時でも冷静な自己分析に嫌気を感じながら
サンシアって名を呼ばれるようになっただけでこんなに嬉しいのだから、
もっと近づけたら、少しでも意識してもらえたら。
そう願う気持ちはどんどん大きくなっていて]
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