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21 【完全RP村】夜間飛行で追い越して
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……私の姿を。
いいのですか、貴重な貴方のお手間を、
貴方が筆を走らせるお時間を頂いても。
[スイッセスの人生にも、写真ならばあるが人に絵を描いて貰うという経験はなかった。彼の絵は、そのひと筆ひと筆に心を込めたものである。
何度もクロッキー帳を見せて貰ったのだから知っている。
何度も彼が熱心に絵を描いている姿をこの一か月に見ていたのだから、知っている。
そんなに素晴らしいものを、私は貰っていいのだろうか。
…答えは勿論。]
(94) 2024/06/02(Sun) 09:43:49
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後ろ姿でいいのですか。
あのう、髪は乱れてませんかね。
エプロンは曲がっていないでしょうか…。
[アンドロイドである私の身支度にそういう隙がないかといえば、人間らしく設計されているが故、むしろある時はあるのだ。
だから背中を気にしつつくカウンター内でくるくるしてしまった。そんな様子は彼にどんな風に見えただろうか。
いつものように濃いエスプレッソを彼に用意する。
モデルになるなんてドキドキしたけれど、私はちゃんと真っ直ぐな姿勢の後ろ姿を彼に見せる事が出来たであろう。(アンドロイドだもの… スイお)
彼の絵が完成するのはいつか。それを受け取った時、私が心からの礼を言うのは間違いない。
私が変わってしまっても、消去の具合によってはこの船内の事すら忘れてしまうけれど。
紙に焼き付けて貰えたら、ずっとずっと残る。
アーネストのサインに続いて私の宝物がまた一つ増えるようだ。]>>10
(95) 2024/06/02(Sun) 09:44:43
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――スイッセスの手記4――
[ドロシーの葬儀は息子のマイケルやその家族を待たず私が執り行う事になった。
ホワイト・マーブルと地球はワープを繰り返す宇宙船でも一か月の距離である。
遺体を冷凍保存するというやり方をドロシーが望まなかったので、これは仕方のない事であった。
本来の喪主はマイケルであり私ではないが、私はドロシーの遺影を胸に抱き、棺に眠る彼女の肉体にお別れの挨拶をして額に口づけを落とした。
マイケルにはドロシーが契約していた弁護士から遺言状の内容が告げられた。私はその内容を見るのが叶わなかったが、その中にはハッキリと私を破棄しないことが述べられていたようである。また、マイケルの元に渡る際の渡航費も遺産から出すようにと。]
(96) 2024/06/02(Sun) 09:45:08
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[私の処遇については、次の所有者であるマイケルに委ねるともあった。
ドロシーとしては、私の破棄は論外として記憶だって消して欲しくはなかっただろう。しかし、息子の複雑な気持ちだって母親として理解していたから、そこまでの我儘は書かなかったのかもしれない。
私はマイケルからその内容を告げられて、ドロシーの遺品を持ってホワイト・マーブルに来るようにと命じられた。
貨物としてではなく乗客として乗るようにとも。
私の現所有者はマイケルとなった。もうドロシーは生きていないので、彼は私をどう扱っても文句は言われない。父親を模した彼視点の「偽物」である私を彼は快く思っていない。私も彼の立場なら同じように思ったかもしれないし、それは仕方のないことで…
私はホワイト・マーブルに着いた後自分がどうなるかに対して天にも祈るような気持ちだったのだが。]
(97) 2024/06/02(Sun) 09:45:37
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[マイケルの意向は、私の記憶を消去し新しい仕事に就くように、というものであった。
私はそれを電子メールにて一方的に通告されたが、彼に逆らう意思など毛頭なかったし、むしろ渡航の間にドロシーを偲ぶ時間がある事を喜んだ。
彼女との、最初で最後の宇宙旅行。
ドロシーはまだ私の胸の中にいる。
これで、サヨナラだ。
それでも……船を下りて記憶を消去されるまで。
私は彼女に、その思い出に連れ添うであろう。]
(98) 2024/06/02(Sun) 09:45:59
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――食堂に向かう前にスイッセスがした幾つかの一つ――
[珈琲を淹れる際、私は地球から持参した豆を利用していた。その日により数種類をブレンドして飲みに来る方に出していたから、いつも違った香りや味わいを愉しんで頂けたはずである。
その大事な豆を私は綺麗な麻の袋に入れて紐で閉じる。麻の袋は通気性がよく、見た目もお洒落だからプレゼントにぴったりだ。
花柄模様の便箋に手紙もしたため添えると、それを従業員であるペンギンアンドロイド(※ペンギンっぽいフォルムなのか、まんまペンギンなのか。それが問題であり問題でもない。とにかくかわいい。)に手渡す。ある乗客に届けてほしいと。
ほどなくして、船内のどこかにいるアーネストにそれは届いたであろう。
手紙の内容はこうだ。]
『アーネストさんへ。
珈琲を淹れ始めた貴方にこの豆を。
美味しく飲んで下さいね。>>1:268
おじーちゃんより。』]*
(104) 2024/06/02(Sun) 09:59:56
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曇硝子 スイッセスは、メモを貼った。 ![](img/memo.png)
(A27) 2024/06/02(Sun) 10:02:46
/*
グリーディアさんは科学者だったのかな。
アンドロイドの人権は描きたいなあ。
デトロイトだーわーい
(-17) 2024/06/02(Sun) 17:55:10
――アーネストからの絵葉書――
[ぺったんぺったん(イメージ擬音)とペンギンアンドロイドが私に近寄ってくる。大体彼らがこうしてやってくるのは言伝か届け物がある時だ。
私はその丸っこい手が差し出す絵葉書を受け取った。>>116
随分強い筆圧にて書かれた文字。
まるで彼女の想いがそのまま乗り移ったような。
それは、アーネストからのもので。
書かれていた彼女の大切な妹の名前に私は微笑む。
私はビューという女性の顔も知らないが、それでもああいう話を聴いて、アーネストだけでなく彼女の無事と幸せを切に祈っていたから。
珈琲は人に飲まれるためのものだ。
それでもアーネストは、私の贈り物全部砕き形を失くしてしまうことに抵抗を覚えたらしい。
文面を追いながら肩の力を抜く。]
優しい人ですねえ、本当に。
(144) 2024/06/02(Sun) 18:23:06
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[こんな優しいヒーローは、悪者が命乞いをしたら許してしまうかも。
その時に背後を取られたりしたら、スイッセス・サンが駆けつけねばならないのでは?なんて心配までしたけれど、冷徹なヒーローであるはずがない、彼女が。
どこまでも優しくて。
誰よりも強い。
泣いている一人の子供も見逃さず、珈琲の一粒も大事にする。
それがヒーロー・アーネスト。
溜息がでるほどに、その存在は清々しく勇ましい。]
ありがとう、届けてくれて。
[ペン吉の頭をなでなでする。あだ名は私が一体一体勝手につけているもので公式名称ではないから気にしないでほしい。
私は絵葉書を何度も何度も見返して、ぎゅっと胸に抱く。
想いは、暖かい。]**
(145) 2024/06/02(Sun) 18:24:15
![](img/flag.png)
曇硝子 スイッセスは、メモを貼った。 ![](img/memo.png)
(A38) 2024/06/02(Sun) 18:25:03
/*
リーンさんのお話は切ないな。
リーンのメモからもPLさんの優しさが伝わっていいな。
メモを沢山書くことがダメな理由もわかるけど、
こういうの好きだったりします。
(-18) 2024/06/02(Sun) 18:26:48
/*
シャムさんの老人ホームの従業員になっちゃおうかな。
コラーダさんはとても頭がいいなあ…チェス、中の人が出来ないから凄いな、と思いつつ。
ドルチェさんはお嬢様で可愛いね。
サンシアさんは間接的に絡めたけど、話してもみたいな。
しかし、キャパ超えて抱えるとお待たせしたり皆さんに不誠実をしてしまうから、難しい。ぐぬう。
(-19) 2024/06/02(Sun) 18:29:02
(-20) 2024/06/02(Sun) 18:40:02
――展望施設(過去軸)――
[瞬きも、溜息も。>>1:46言葉ではない形に人の想いは映し出されていく。
私の仕草や癖の中には、生前のスイッセスの想いが沢山たくさん詰まっている。
彼の切れ長の睫毛が臥せられる際は思考のターンなのかもしれない。106
精神と時の部屋を訪れているのかもしれない。
外側を見つめるのではなく、心の内側や思考の深淵を覗く際、人は瞼を開いている必要はないから。
精神や夢想の世界で行った行動は現実のものではないが、それは現実になんの影響がないわけではなく、人を変えるに十分足るものだ。>>108
私は彼の思考を覗く事は出来ないけれど、きっと今考えるべき、今彼に必要な事を考えているのであろう。
長い沈黙はその証拠と考える。
もし寝てるんだったからちょっと可愛いけどちょっと困る。
膝枕をしたくなってしまうからね、おじいちゃんは。]
(155) 2024/06/02(Sun) 19:19:37
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……。
[先程まで読んでいた本の台詞は私の心に強く刻まれた。感動を覚えた。
私がこの本に勇気を得たのなら、その言葉を借りたら彼にも勇気や、踏み出す一歩を与えることが出来るのではないか。
そんな想いで私は言葉を紡いだ。
聡明で注意深い彼は私の意図にすぐ気付いたのだろう、とても彼らしい言葉が返ってくる。>>110
ともすれば苦言とも取れる言葉だ。しかしそれは、彼の人柄、私との関係性、今までの会話の流れを無視した切り取りに対する評価でしかない。
要するに全く正確ではない。
だから私は、忌憚ない言葉を選んでくれた彼にむしろ感謝すら覚えた。
それはきっと他人行儀と異なるもの、近しいと思う人に与える言葉だと思ったから。]
(156) 2024/06/02(Sun) 19:20:01
![](img/flag.png)
そうですね。でも、お仕事も
結局はご家族の為の事です。
今まで貴方がされてきたことは、
貴方だけのためのものではないから。
でも、ご家族と過ごす時間はきっと、
貴方にもご家族にも
良いものですからね。
(157) 2024/06/02(Sun) 19:20:59
![](img/flag.png)
[ドロシーと私の時間がそうであったように。
彼は無駄のないスマートな動作で立ち上がった。その佇まいは、精悍の一言。
歩く様も美しく、まるで彫刻みたいな人だなあなんて私は思う。
愛くるしい彫刻?なんだかおかしな表現になった。
言わないぞ、言わない…。触らぬ神に祟りなし。
そんな風に口元を抑えた私の横を彼は通り過ぎる。
去り際に残した言葉は。
とてもシンプルな感謝の言葉と。>>111]
光栄です。そう言って頂けると…
私が、ドロシー以外の人にとっても
価値があるのだなと思えますね。
此方こそ、ありがとうございます。
どうかお元気でご家族とお過ごしくださいね。
…ツァリーヌさん。>>112
(158) 2024/06/02(Sun) 19:21:39
![](img/flag.png)
[現所有者マイケルについて触れた彼は、私の事情を鑑みて精一杯の思いやりをくれた。>>113
神は言った。「自分を愛するようにあなたの隣人を愛せよ」(マタイによる福音書 22:37-39)と。
素敵な隣人の背中に私が送りたいものはさよならではなく、愛情と感謝でしかなかった。]**
(159) 2024/06/02(Sun) 19:22:14
![](img/flag.png)
曇硝子 スイッセスは、メモを貼った。 ![](img/memo.png)
(A40) 2024/06/02(Sun) 19:23:21
――食堂に向かう前にスイッセスがした幾つかの一つ――
[手記を書き終えた私はそれを小さな宇宙空間用の専用カプセルに入れた。
船員であるアンドロイドにお願いし、船外に流してもらうためである。
私のしたためた拙い文章は、ドロシーとの思い出は、永遠に宇宙の海を漂うだろう。時に羊の蒸れみたいな星雲と戯れたりしつつ。
窓の外には、漆黒の中に浮かぶ真白の球体が見える。
ホワイト・マーブル。
みんなが様々な想いを抱いて赴く場所。
あの地で私はどんな運命を迎えるのだろうか。
答えは、まだ見えない。]
(160) 2024/06/02(Sun) 19:30:20
![](img/flag.png)
――夜・通路窓辺――
[最後の一日って言い方をするとなんだかしんみりする。
私はドロシーの遺品を全てきっちりと詰めた荷物を確認する。
よし、荷造りは完璧。後はホワイト・マーブルに到着したらマイケルと家族の居る家に向かうだけだ。
肩をこき、と鳴らして(アンドロイドである私は疲れないが、スイッセスの癖である)、一仕事終えたとばかり背伸びをすると廊下に出た。
何処へ向かうでもない足取り。
廊下から見ると窓の外にも宇宙空間が広がっている。
なんて、美しい光景であろうか。
と、進行方向先の窓辺に佇む人物の姿を私は捉えた。
あれは…リーンである。詳しい事情までは伺っていないが、珈琲を振る舞い挨拶をした事があった。私がアンドロイドである事は告げてある。
私は彼女に声を掛ける。]
(175) 2024/06/02(Sun) 21:36:50
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こんばんは、リーンさん。
ご機嫌よう。
いよいよ明日ですねえ。
おや…素敵なハンカチをお持ちで。
[彼女の手にしている2枚のハンカチ>>162は異なる色であった。売店に売っているものだろうか?
もしも何か思索に耽るところをお邪魔したら申し訳ないが、私はゆっくりと彼女に歩み寄った。]*
(176) 2024/06/02(Sun) 21:37:53
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