3 ― 星見る手紙 ―
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【独】 夢見 アルレシャ
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これでアルレシャの物語は おしまいです！
お付き合いいただいた皆様
素敵な物語を読ませていただいた皆様
本当に、ありがとうございました！
【独】 旅行者 パウゼ
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あと〇〇か月のか月余計だった…！この辺りもふわっとそんなことが書いてあったということで…
アルレシャさんもお疲れ様です。
お手紙最後まで本当にありがとうございます。ロサのただ宗教っぽいだけじゃない、切ない星の情景が大好きでした。そしてロサの印象、「シェルタン」さんからも手紙で聞いてみたかったと少し思ったり。
シェルタンの救いは、アルレシャさんも、そして「演者」も彼の事をずっと考えていてくれていたということですよね…
【独】 夢見 アルレシャ
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パウゼさん！
こちらこそ縁故お手紙から何まで、ほんとう、ありがとうございました…！
家族の話が手紙で出されていなければ、アルレシャの中の「家族」への憧憬が強まらなかったと思うので、そういう意味でもPLPCともにパウゼさんが好きです…。
これからは多分、「ドラゴンって食用なんですね」とか、突然ワイルドな手紙を送ると思います（！？）
青年 シャト
[アッサで生活して、暫く経った頃。
ハーフィズから送られてきた、最初の報告書を受け取った旨の書かれた文書に同封されて、パウゼさんの手紙が届いた。
それを手にしたとき、様々な感情が身内を駆け巡ったけど。
そっと、封を開けて読む。そして、少し考えて、返事を書いた。]
【秘】 青年 シャト > 旅行者 パウゼ
パウゼさんへ
この手紙は、ちゃんと貴方に届くでしょうか？
新しい座標へ手紙を送るとき、僕はいつも自分が書き損じていないか、どきどきしながら送っています。
最初に、以前送られてきた手紙の謝罪についてですが。
物騒だとは思いませんでした。いえ、それを感じなかっただけなのかもしれませんが。
ただ、ただ、苦しみの中にいるといった貴方のことが心配になり、身体は快復しても、おそらく精神はそうではないだろうことに、やるせなさを感じます。
僕がやるせなさを感じても、どうにもならないとしても、どうしてもそう思ってしまうのです。
だから、僕の送るささやかな手紙が、貴方の空白を少しでも埋める助けになるなら、僕は筆を執ります。
それに、貴方がアルカディアについて聞いてくれたことが、僕は本当に嬉しかったんです。手紙のやり取りが続くことは、僕にとってもありがたいことです。
【秘】 青年 シャト > 旅行者 パウゼ
話は少し変わりますが、僕は今、アッサに滞在しています。
ですので、アルカディアが春（暖かな季節を春というんですね）になったかは分かりません。けれども、時期的には、もう暖かくなっている頃だと思います。
公園や自然保護区など、緑のあるところは、じきに一面花が覆うことでしょう。
もし、いつかまた立ち寄ることがあれば、そのときは一つ一つの花に注目してみてください。同じ種類でも色や香りが全然違って、新鮮に感じるかもしれません。
アルカディアの植生は特徴的なものも多いです。夜になると光る花だったり、風に吹かれると変わった音を出す花だったり。他にも色々な植物があります。そういうちょっと変わった植物も、暖かくなると花を咲かせて、暖かな間は本当に色々な変化に満ちています。
貴方の慰めの一つとして、アルカディアの暖かなときと、寒いときの両方があることを僕は嬉しく思います。
アッサでの生活も、今まで知らなかった様々なことが知れて、毎日発見と驚きの連続ですが、これ以上は長くなりすぎてしまう気がするので、また次の機会に。
遠い地より、精一杯の真心を込めて。シャトより。
青年 シャト
[散文だ。そう思ったけど。これで正しいのか、自信はないけど。
本当に彼の慰めになるなら、自分の、本当にささやかな力が彼の支えになるなら、精一杯のことをしたい。
それだけだ。その気持ちだけで書いた。どれだけ散文でも、彼の力に少しでもなれるならと思わずにはいられない。]
【秘】 青年 シャト > ただの子 レグルス
レオンくんへ
こんにちは。僕はアルカディア出身のシャト、といいます。
とはいえ、今はアルカディアから離れているだけで、出奔したとか、そういうわけではないのですが。旅先からこれを書いているので、こういう書き方になってしまいますね。
以前は見ず知らずの人間からの手紙にお返事をくれてありがとうございます。とても嬉しかったことを伝えさせてください。
それから、今、僕はアッサにいます。星の駅に滞在しながら、たまに遠出して、アッサのことを少しでも知れたらと色んなところを見て回っています。
貴方が同封してくれた、星の駅に関する小冊子も活用しています。今の滞在場所や、日々の食事は、ほぼその小冊子の情報です。ありがとうございます。
【秘】 青年 シャト > ただの子 レグルス
この間はリィン湖を見に行って、虹硝子でできた硝子睡蓮の小さなブローチを買いました。硝子睡蓮は、この星特有の花なのでしょうか？
仕事柄、そういうところが気になってしまうみたいです。特有の花でも、そうでなくても、その景色を見て受けた感動は変わらないはずなのに。
他の星でも育つのかとか、どういう性質をしているのだろうとか、生育環境や生育条件はどうなっているんだろうとか、脱線ですね。ごめんなさい。
陽を浴びてきらきらと煌めいて、風が吹くと高く澄んだ音が静かな周囲に響き渡って。とても幻想的な光景でした。まるで物語で読んだ、妖精たちが住まう地のような。
アッサは異星から来た僕にとっては、不思議なものが多く、また綺麗だと思う景色にも満ちあふれています。
貴方が祈ってくれたこともあり、僕は楽しく旅ができています。
頂いた二つのお守りは、自作のお守り袋に入れて持ち歩いています。それを持っていると何か落ち込むようなことがあっても、貴方がくれた手紙のことを思い出して、また次の場所へ行ってみようと思えるんです。
【秘】 青年 シャト > ただの子 レグルス
暫くは星の駅にいるつもりですが、今度は少し寒い地域へと赴いてみたいと思います。
アルカディアはとても冷える土地です。それによって熱を発したり、氷を貫くほど硬い茎を生やしたりと、それに適応した植生になっていきました。
アッサの寒冷地はどんな様子なのか、半分仕事のようなものですが、とても楽しみです。
これからも、時間の許す限り、アッサで様々な経験ができたらと思っています。
それから、これはただ、僕が考えているだけのことなのですが。
もしできるなら、いつか直接、貴方に会ってお礼を伝えられたらと考えています。
【秘】 青年 シャト > ただの子 レグルス
追伸、前回の手紙を読んで、僕はとても楽しい気持ちになりました。
貴方がもし物語を書くことがあれば、楽しいお話しになるんじゃないかと、そんな個人的に思ったことも付け加えさせてください。
感謝を込めて、シャトより。
【秘】 青年 シャト > 演者 シェルタン
僕の大切な恩人へ
連日、なんだか大きな事件について報道していて、そのなかに僕の好きな役者さんについて取り上げたものもありました。
事件の首謀者が捕まったようなことも報道されていて、彼が平穏に暮らせる日は近いのかな、と思っています。
なんて、脱線ですね。近況のつもりで、つらつらと書いてしまいました。
もっと早くに出そうと思っていた手紙が、随分遅くなってしまいました。
書きたいことはあまりありません。前回、貴方が送ってくれた手紙の間違い部分は、ちゃんと読めなかったと伝えたくて。手紙を差し上げました。
近いうちに、貴方に会えるのだろうか、とそんな風にぼんやりと考えています。
シャトより。
【秘】 青年 シャト > 星の停滞 ステラ
[硝子睡蓮のブローチと複雑な模様の描かれたペンは、それぞれ小箱に入れられて届く。]
【秘】 青年 シャト > 星の停滞 ステラ
親愛なる友人 ステラへ
僕は今、アッサにいます。
毎日色々なことがあって、色々な人と話して、色んなものを見て。
これがステラの見てきた世界なんだと思うと、なんだかちょっと胸の辺りがくすぐったいような気がしてる。
栞、使ってるよ。羊はみたことないけど、可愛いと思う。
アッサではアルカディアでは中々手に入らなかったような小説が沢山あって、読みたい本もどんどん増えていく。
流石に持って帰れなくなるくらい本を買うことはできないけど、数冊、どうしても気になる本を買ったよ。
仕事の合間に読むとき、可愛らしい絵柄の栞を見ると、なんだか癒される。
だから、ささやかだけど、僕からも贈り物。
前にくれた手紙に睡蓮が書いてあったから、硝子睡蓮のブローチを同封します。この間見に行ったとき、すごく綺麗だったんだ。ステラも見たことあるかな？
それから、書き物をするって言ってたから、ペンも同封します。僕は書きやすくて重宝してる。君の役に立ったらいいな。
シャトより。
青年 シャト
[四通の手紙を書いて、鞄にしまって。
僕は星の駅の周辺で美味しい食べ物屋さんを、小冊子を読みながら探す。
やがて『猫足』に目を止めて。]
甘いもの食べたいな。すみません、席空いてますか？
[そう言って、店の中に入っていく。
首にかけられたお守り。鞄の中には手紙と、アッサの本屋で買った「星の旅人」の小説とそれに挟まれた羊の栞。
僕は多くの人から、多くのものを受け取った。
そしてこれからも、色々なところに行く度に、経験と共に様々な贈り物を受け取るんだろう。
それを少しずつでも返せたらいいな、僕の手で。僕の物語で。あるいは仕事で。
僕は笑った。この先の未来に想いを馳せて。]
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