星狩りの国-暁の街-


21 【完全RP村】夜間飛行で追い越して


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曇硝子 スイッセス

[放送はそこでスタジオへと返された。

さてはて、私の顔も名前もばっちりとテレビに映ってしまったわけだが。
もしかしたら誰か知り合いがテレビを見てしまうかもしれない…?

今更ながら、私は顔から火が出そうになり蹲ってしまうのであった…。]**

(91) CClemon 2024/06/04(Tue) 20:36:24

曇硝子 スイッセス

――十数日後、某老人ホーム――

[新しい仕事、新しい職場。私はそれにすぐ馴染み、せっせと毎日を送っていた。
日々はあっという間に過ぎていく。

お掃除も楽しい。うきうきとモップを使っていると、近づいてくる人影。>>99
私はアンドロイドであるから、職員として現入居者の顔と名前は全て把握している。つまり彼は、この老人ホームの入居者ではない。

掃除の手を止めて顔をあげる。]


  こんにちは。
  私はここで働いているアンドロイドです。
  もしかして入居希望の方ですか?
  そうでしたらあちらに事務室が…

(107) CClemon 2024/06/04(Tue) 22:50:20

曇硝子 スイッセス

[なんて話しながら気付く。彼の顔を船旅の最中見たことがあるのに。

私が覚えていたのは彼の立派な髭だ。
山のように綺麗な形の口髭と、整った顎髭。
カッコいい、とても…!
見掛けた時に「私も生やしたかった」と顎を撫でたものである。
間違いない、このダンディな髭…
それで私は彼に訊ねる。]

  あのう、つかぬことをお聞きしますが、
  リベルテという宇宙船に乗って
  ホワイトマーブルに来られた渡航者の方です?*

(108) CClemon 2024/06/04(Tue) 22:51:22

曇硝子 スイッセス

――ショッピングモール――

[全然驚いてる…>>101むしろまごう事なきほどに彼女は驚いている…が、そんなにも力強く言うのならば私は追求しない。

ピカッとスタンドライトで彼女の顔を照らし、かつ丼をちらつかせながら「今驚いていただろう?素直に話せばこのかつ丼を食わせてやらないでもないぞ…」なんて事は決して…。

彼女が何を買ったのかまではわからなかったが、どうやら満足するものに出逢えた様子。私はうんうんと頷く。

そしてまた彼女は驚いた。私の腕を組み歩こうという提案に。
くるくると変わる表情がとても愛くるしい。]

(115) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:23:05

曇硝子 スイッセス

[私は悠然とした態度で構えている。
何故ならいつもこうして妻と腕を組んで歩いていたから。
つまり慣れているのだ。

妻がいつも照れながらそっと腕を差し入れてきたように彼女もそうする。102
緊張しているのか、シャツを引っ張る仕草に私はくすり、笑った。
皺なんて些細を気にしなくていいのだから。]


  ふふ。では行きましょう。


[私たちはのんびりと歩きながら移動する。向かうのは彼女の部屋のつもり。
なので、こっちですか?なんて聴きながら歩く。

その間、彼女の話しに耳を傾けよう。
胸にいっぱい積もっているものがあるなら、少しでも解放してあげたくて。]

(116) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:23:29

曇硝子 スイッセス

  …そうだったんですね。
  何も得るものがない…なるほど。>>104


[大半の人が船旅や新天地に新たなものを求める。しかし彼女はそうではなかったようで…。

もしかしたら、行きたくないのに行かねばならなかったのだろうか。
事情があるのだろうか…。

その背景まではわからずとも、静かに聞き入る。]

  …この船、色々な方が乗ってますものね。
  私も沢山の出会いから、沢山学ぶこと、
  得る事。楽しいことがありました…

  とてもよく、わかります。

(117) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:23:54

曇硝子 スイッセス

[みんなの顔を思い浮かべる。貰った言葉を脳内にて繰り返す。
彼女もきっとそうなのだろう。
そして私自身がその出会いの一つとして数えて貰えていることに、微笑む。]

  嬉しいです。そう言って貰えると。
  出会いって本当に運と縁ですからね。
  自分で狙って全てを得ることは出来ない…
  それでも手を延ばすのが人だとは私は思いますが、
  貴女はここで沢山得られたのですね。

  きっとホワイト・マーブルでも
  いっぱい、いい出会いがあります。
  
  恐れずに、怖がらずに。
  どうか歩んで下さいね。

  貴女ならきっと出来ます。

(118) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:24:17

曇硝子 スイッセス

[恋って何?と悩んでいた彼女はほんの少し前だ。まだ子供っぽさも十分にあったのに。しかし今一緒にあるんている彼女の横顔は……。]

  …素敵なレディになりましたね、
  レットさん。

[彼女は丁寧に私に頭を下げる。そして素晴らしい笑みを私にプレゼントしてくれた。これ以上の贈り物はきっと存在しないほどの…。

気が付けばそこはもう彼女の部屋の前であった。
私はそっと組んでいた腕をほどき、彼女と向き合う。]

(119) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:24:51

曇硝子 スイッセス

  …エスコートはここまでですね。
  こちらこそ…本当にありがとうございました。

  レットさん、どうかお元気で。
  貴女の人生の旅路に、良い風が吹きますように。

[これは航海士の言葉である。リベルテは宇宙の海を漂っているのだからふさわしいだろう。そして私は彼女と別れる。
いつまでも優しい風が彼女を包んでくれるように願いながら。]**

(120) CClemon 2024/06/04(Tue) 23:25:22

曇硝子 スイッセス

――自室(過去軸)――

[いつもライダースーツに身を包み自分を律し、鍛錬を欠かさず、強くあろうとする。
ヒーローとして常に振る舞い、弱きを助けようとする。
そんな彼女を輝かしいと私は想っていた。

しかし、彼女のいつもとは異なる装いと「ヒーローの休日」41という言葉に、私は彼女との距離を量り間違えたのかもしれない。

スイッセスはドロシー以外の女性を知っているが、私は妻以外の女性を知らない。
よって、私の女性に対する行動の判断は妻に対するものが基準であり――否、基準でしかなく、実は拙いのかもしれない。

泣いている女性が居たら慰めるは当たり前として、胸に抱くがいき過ぎた行動であることに、十年間妻としか過ごしてこなかったアンドロイドの私は思い当たらなかったのだ。

まるで初めて女性に接する十代の男子のように、ただ慰めたい一身、胸に感じたときめきに任せる勢いにて手を延ばしてしまったのだ。]

(144) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:13:01

曇硝子 スイッセス

[解説してしまえば、これは私に芽生えた初めての純粋な恋心だったのかもしれない。

私はドロシーに「恋するように」造られた、プログラムされたアンドロイドだ。
生まれたての私はそれを「仕事」と認識していたように。
しかし、一緒に過ごすうちに私はドロシーの愛らしさに自然に気付き、惹かれ、恋をした。
これは人にも見られる作用で、お見合い結婚から段々と本物のおしどり夫婦になっていくようなもの、と言えばわかりやすいか。

しかし、結果として私がドロシーに恋をしたのは事実であるが、私にとって与えられた道筋であったのもまた事実なのである。

アーネストという女性は、そうではなかった。
私の前に颯爽と現れて、その振る舞いで幾度も私の心を奪った。

私はまだ、亡くなったドロシーを想っている、偲んでいる。
しかしドロシーはもうこの世にはいないのだ。
私の愛する人は私の胸の中にしか存在しないのだ。]

(145) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:13:36

曇硝子 スイッセス

[ドロシーへの愛が目減りしたわけではないが、私の心には彼女の死によってほんの少し隙間が出来た。寂しさが穴を開けた。
そこに滑り込んでしまった存在がアーネストであったのだろう。

人の心は変化する。私が「アンドロイド」であるのなら、命じられた通り永遠にドロシーだけに恋をしていたはずだ。
目的に添って生きてきたはずだ。

だが、私に生まれた「人の心」は。
新しい恋に目覚め…そして「慰める」という行動を少し過激にしてしまう。
頭を撫でるだけで良かったのに。
ドロシーにそうしたように、彼女を胸に抱き慰めたいと想ってしまったのである。愛しさに溢れて。]

(146) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:14:03

曇硝子 スイッセス

  ……


[彼女は最初、私の胸に収まってくれた。>>126
私はこれで泣いている彼女の居場所になれたと、心から安堵した。
男としてそういう女性を放っておけないのは当然だし、何より――前述したような「人の心の変化」が私に起こっていたから。

だが、彼女の望みは抱擁ではなかった。
当たり前だ。彼女にとって私は「おじいちゃん」なんだものね。
男性ではないのだから。…人間ですら、ないのだから。
いきなり機械に抱き締められたら、それは驚くであろうし、もしかしたら怖かったかもしれない。]

(147) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:14:29

曇硝子 スイッセス

[彼女の口から漏れた駄目、という言葉が漏れて。妻の名前が挙がった時。>>128

漸く私はかかっていた魔法から醒める。恋という名の、人を狂わす魔物から逃れる。彼女はシンデレラという名のヒロインではなかった。美しい装いをしていても、ヒーローだったのだ。129

まるで糸が切れたように私は彼女を離した。
彼女はどんな表情をしているだろうか。]


  ……私は……なんて失礼な事を。

(148) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:14:57

曇硝子 スイッセス

[謝らなければ。そう思うのに言葉がうまく出てこない。想えばこの十年間で私はこんなに動揺した事があっただろうか?いや、ない。
青ざめた顔で彼女を見つめ、それから空っぽになった腕を見下ろした。

そうだ、妻が亡くなった時から私にはもう。
抱き締める者なんていない。

ドロシーは私の胸の中には生きているが、
この腕の中にはもういないのを何故…忘れていたんだろう。]

(149) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:16:26

曇硝子 スイッセス

  ……申し訳ありません、アーネストさん。
  こんなことをしてしまって。
  
  でもどうかこれだけは知ってください。
  私は貴女をドロシーの代わりにしたわけではない。
  貴女の魅力に惹かれてしまいました。

  貴女を慰めたいと思う行動が…
  そのせいで、行き過ぎてしまいました。

  …許してくださいとは言いません。
  許されない事をしたと思うので。

  すみませんが、
  どうか、独りにして貰えないでしょうか。
  折角来ていただいたのですが…
  どうか。

(150) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:16:48

曇硝子 スイッセス

[こんな事をした私に、彼女は怒鳴ったり怒ったりする人ではないのを私は知っている。また、今この場で謝罪を繰り返すのが無駄な事も。

今は離れて落ち着くべきだ。私はそう想って彼女に必死に訴えた。]*

(151) CClemon 2024/06/05(Wed) 07:17:29

曇硝子 スイッセス

――カフェ(過去軸)――

[私は人間と同じ食事を口にすることが出来るし、味もわかる(栄養素は必要ない。)よって、彼女に同席を薦められたのなら喜んで隣の席を頂こうと思う。]


  いいんですか?
  ありがとうございます。

  では、私の珈琲を持ってきます。
  ブラウニー、良いですね。
  でしたらお誘いのお礼として、
  私がブラウニーを御馳走しますね。>>121

(155) CClemon 2024/06/05(Wed) 08:51:57

曇硝子 スイッセス

[ブラウニーはペンギンロボットが焼いたものが販売している。私は料理も出来るしお菓子も得意だが、流石に今からブラウニーを彼女の為に焼いていたら待たせすぎるので、それを運んでくることにしよう。

彼女と一緒に珈琲とブラウニーという素敵な時間を持てるのにわくわくとしながら。

席に着いたらのんびり話をすることが叶うだろう。
私は彼女の言葉に耳を傾ける。]

(156) CClemon 2024/06/05(Wed) 08:52:25

曇硝子 スイッセス

  なるほど、そうですか。
  貴女は意思のしっかりした女性と
  私は印象を受けています。

  したいことが決まっているのも、
  どこか納得です。

  その輪郭もきっと、貴女自身の力で
  見極めることが出来るでしょうね…


[船内には色々な出会いがある。その中で彼女もまた、何かを得たのだろうか。
私は勿論彼女の詳しい交友を知らないがそんな風に想いを馳せる。]

(157) CClemon 2024/06/05(Wed) 08:53:31



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