21 【完全RP村】夜間飛行で追い越して
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――スイッセスの手記2――
[こうして私とドロシーの、二人だけの生活が始まった。
私には、スイッセスの生前の記録が全てインプットされている。どんな食べ物を好み、どんな癖があり、どんな事が得意か。
性格はどんなであるか、どんな時に怒るのか。
勿論データが全てあるわけではない。ドロシーや周囲の人間が「スイッセスはこういう人間であった」と語ったものを元にしている。
スイッセスが日記などをしたためていたのならもう少し正確にコピー出来たかもしれないが、なかったものは仕方がない。
私とドロシーは天気のいい日は公園に散歩に行き、まだ残る自然の木々を眺めたり鳥の声に耳を傾ける。
家では一緒に映画を見たり、読んだ本の感想を言いあったり、共に料理をしたり。
私が点てる珈琲をドロシーは好み、毎日嬉しそうに飲んでいた。
穏やかで静かな日々。]
(138) 2024/05/31(Fri) 20:57:27
[ドロシーの一人息子であるマイケルは、母親に自分が住んでいるホワイト・マーブルへの移住を薦めていた。
『ホワイト・マーブルは地球よりもずっと自然が多いし空気だって汚れていないよ。母さんは機械やAIをあんなに嫌っていたじゃないか。
どうしてあんな気持ち悪いアンドロイドを父さんと呼び、一緒に暮らすんだい?』
その会話は私の目の前で行われていた。ドロシーはちらりと私を見て気にするそぶりを見せたが、マイケルにとって私は「家電」同様だから。
『父さんの遺産の大半を使ってしまって…もし母さんが病気になったらどうするんだい?』
ドロシーはそれに対してこう答えた。
『私は高価な薬や治療で無理に寿命を延ばそうと考えていないから。身体の一部を機械化もしたくないわ。
人間は、死ぬ時が来たら死ぬのよ。お父さんだってそうだったでしょう?
だから、お金はそんなにいらないの。』
お父さん、というのは亡くなったスイッセスのことだ。私ではない。]
(139) 2024/05/31(Fri) 20:58:00
[『そんなに機械がいやなら、こいつだって機械じゃないかッ』
声を荒げるマイケル。私を指さして顔を真っ赤にし、怒りを露わにしていた。
私はドロシーを慰めるために造られたアンドロイドである。
その私が争いの種になり、ドロシーを悲しませたら本末転倒だ。
しかしドロシーは私の前に立ちはだかりこう言った。
『独りでは生きたくなかったのよ。…生きられなかったの。
お父さんと過ごすのが私の人生そのものなんだもの。
……お願いマイケル、わかって頂戴。
もう老い先短い私の気持ちを汲んで頂戴。
私はお父さんが亡くなった地球に最後まで居たいのよ。』
マイケルは母親の説得を諦め、ホワイト・マーブルに帰っていった。
それから二人が疎遠になってしまった事に私は強く心を傷めたが、どうすることも出来ない。]
(140) 2024/05/31(Fri) 20:58:26
[私に出来るのはただ――
ドロシーに寄り添って、穏やかな毎日を暮らすこと。
最初は仕事と思っていた私に変化が生まれたのはこの頃である。
私は。
ドロシーを幸せにしたいと思い始めていた。]**
(141) 2024/05/31(Fri) 20:59:00
― いつかのスポーツジム:レットと ―
ああ、知ってる…知ってる…!
昔からの知り合いとかじゃ…ないけどなっ
[引きもどし、またハンドルを握って引っ張りペダルを押し込み、動きに慣れればあとは丁寧にこなすだけ――らしい。との体の動きを繰り返しつつ、アーネスト>>102を知っているとレットには答える。
きつさはともかく酷いぐらいにへたばる頻度も減った。といっているのは毎日会っていないからこそわかったのだろう。]
(142) 2024/05/31(Fri) 21:13:19
俺も…そうだぞ。
っていっても、ゆっくりと、だけどな。少しでも楽になってきたら負荷をあげられるから最後にはきついって感想にしかならないんだけどよ。って、強く?
[当初ペンチプレスは45キロからだったのだがなんだかんだで5キロぐらい増えている。とかはあるけれども、ふーっと息を吐いて、一セットを終える]
強さってのは色々だからなぁ。
ただ、やりはじめてよかったとは思ってるな。
スポーツをっていうよりは、どっちでもいいか、なんて温いことばかりしてた時を思い返すと、昔は鈍っていたって思うし今は磨かれてってるって感じはしてる。
レットも、トレーニングやってて楽しそうだな。
[腕力とか運動力と言う意味ではなんなら船に乗る前より健康的になったとは思うが、強さについては一概に語れない。
ただ少年のような強さに憧れる様子には、無邪気さを微笑ましく思う笑い声を小さく漏らして、無理せずがんばれよ。と声をかけて、二セット目を開始するのであった*]
(143) 2024/05/31(Fri) 21:14:36
渡航者 カラントは、メモを貼った。
(A29) 2024/05/31(Fri) 21:16:27
曇硝子 スイッセスは、メモを貼った。
(A30) 2024/05/31(Fri) 21:21:10
― シアタールーム ―
[今日の日課も終えて、シアタールームに入っていた。
アナウンス>>#2が聞こえたが、後で時間があれば見に行けばいいかと決めたまま流れる映像をみていた]
明後日で船旅も終わりか。
[本来は特別感慨にふけるものとは違っただろう。
自分も移住先で色々と忙しいだろうし、おおらかに過ごせるだろう。
船内で知り合った面々も、連絡先を交換などすれば惜しむようなことでもない。
ただ古びた映画が流れているだけ。子が生まれなかった夫婦が子供型のアンドロイドを購入して、家族として過ごしていたが、本当の子供が生まれて]
そうか、明後日かぁ。
[ただ連絡先を交換したところで、意味のなくなりそうな人もいる]
寿命だとか、共に逝きたいとか、そういうのなら止める術なんてもたねーしなぁ。
[文明が発展して、便利になったんだか不便になったんだか、椅子に深くもたれかかり首を天井に傾けた。古い時代に想像された最後と、現実に直面している今とを比べる気がおきなかったからであった*]
(144) 2024/05/31(Fri) 21:44:17
─ シアタールーム ─
[どこに行こうと悩んで、結局今日も足を向けたのはシアタールームだった。
アーネストが昨日話してくれた裏話。>>42
強い者の庇護にあることを当然としてしまえば、あの弟妹たちは弱いままで終わってしまう。
それを良しとするのがヒーローだろうか。
弱さを許すことはきっと大切だ、でも弱さに甘えることは違うのではないか。
だからこそ、お前達もヒーローになるんだというあの台詞はとても響いた。
彼女の言葉が無ければあの台詞はなかったのなら、
主人公の台詞は上滑りに感じられたはずだ]
……それだけの、経験があったのかな。
[守られるままでなく、守れるように。
自立して、自分の足で。自慢の弟妹なんだから。
その言葉を出すだけの過去を、私はアーネストに問うたことは無い。
アーネストだけじゃなく、誰からも]
(145) 2024/05/31(Fri) 21:45:11
[だって、人の事情を聞けば少なからず私の中に入ってしまう。
私の書くものの中に、入ってしまう。
それを良しとしてくれる人ばかりなら良い、
良いと思われることばかり書けたら良い。
でも私にはそれが出来ない。
出来ないから、自分から事情に踏み込めない。
欠落した人間なのだろうと、自分で思う。
それでも良いと、地球にいる間は思っていたけれど
まさか、たった1か月程度の旅で
出会った人達に、もっと近づきたいと思うようになるなんて]
思いもよらなかったなぁ…
[そんな呟きは、中に誰かいるとは思っていなかった為思いの他大きく。
スクリーンに映る映像>>144と、中にいる人に気付いて、あ、と口を塞いだ*]
(146) 2024/05/31(Fri) 21:47:06
― シアタールーム ―
[名前もしらないスタッフロールが流れている中
このまま寝ちまうのもありだなー。なんて思っていたところで声>>146が聞こえて、姿を確認もしなかった]
よぅ。サンシア。
何が思いもよらなかったんだ?
[今日はクロッキー帳は開かれておらずに、ただ観賞していただけだろうと察せられただろうか。]
聞かれたくなかったんだったら聞き流しちまって、好きなのみていいぞ。
[明らかに独り言だった様子なので必要なら誤魔化してもらうことにして、もう1,2分もすれば映像は終わるだろうからと好きなのを見ていけと促すのであった*]
(147) 2024/05/31(Fri) 21:57:25
― ―
[その日の私は、珍しく不機嫌だった。
原因は地球に残してきたハイスクールの元同級生からの、突然の連絡。
自分を揶揄う内容が気に食わず、通信端末を自室ベッドの上に放り出し、乱暴に扉を閉める。
向かう先は――、
さて、何処に行こうか。]
(148) 2024/05/31(Fri) 21:58:30
― いつかの:食堂エリア ―
[歩みは普段よりも早く、乱暴に、まるで風を切るように。
いつものダウナーな雰囲気を放り出し、モヤモヤを抱きながら食堂の扉をくぐる。
なんとなく歩きたかっただけで、目的地なんて最初から無かった筈だが、気付いたら食堂に到着していた。
多分、此処が通い慣れた場所の1つだったからだと思う。
ジムのランニングマシンに向かい、がむしゃらに走っても良かったのかもしれないが、こんな不機嫌な状態でアーネストやカラントと顔を合わせても気まずいだろう。
そんなギリギリの理性が働いたから、食堂に足を運んだのかもしれない。
――ジムよりも知り合いに出会う確率が高い、と言うのはさておき。]
(149) 2024/05/31(Fri) 21:58:58
[せっかく食堂に来たのだから、何か食べて行こう。
ケーキとか、ジェラートとか、ジュースとか。何でもいいや。
設けられたテーブルの間を縫うように歩き、出来るだけいいポジションを探ってみる。
そんな時だったか。
香ったのは、珈琲豆の香ばしい香り。
周囲を見渡せば、カウンターの中に男性が一人。不思議な道具を扱うその人の方へ、気まぐれに足を向ける。
その道具類はいつかの映像記録――、古い映画等で見た珈琲ドリッパーと言う品で、リアルでは初めて見る物だった。
その頃には、不機嫌を抱えた自分より興味深々な自分が勝っていて、吸い込まれるかのようにカウンター席に納まっただろう。]
(150) 2024/05/31(Fri) 21:59:21
[よくよく記憶を探ってみれば、この眼鏡の人は、いつもカウンターの中に居た気がする。
単に、それが当たり前の光景になっていたから気づけなかっただけ。
当たり前を当たり前だとスルーして日々を過ごして居た事を少し反省しつつ、カウンターの彼に話しかけた。]
こんにちは、
あの、それって、
手動の珈琲ドリッパー?ですか?
私、初めて見ました
なんだか楽しそう
[興味深そうに手元を覗き込み、言葉を漏らす。
自宅にあった家電類はほぼ全て自動化されていて、何かアクションを起こさなくとも、何時でも望む結果が手に入った。
自分一人の朝も、目が覚めれば暖かい朝食がテーブルに用意されていたし、カーテンのシェードは光を感知して勝手に開閉、部屋は知らない内に掃除されている。
仕組みを知らないブラックボックスに囲まれて育った世代。手動で何かするなんてレトロ趣味な人だけ。
かく言う自分もアイロン掛けルーチンが、そのうちの一つに数えられる。>>17]
(151) 2024/05/31(Fri) 21:59:41
[彼の居たカウンターからは、不機嫌を振り撒く自分の入室が丸見えだっただろうが、さて彼は気づいていたか。
一人の船旅は虚しいだけ。
メニューにあるジェラートに心を躍らせていたのは最初の内。>>0:56
食堂なんて、食事を口に運ぶ行為のみを行う、とうに昔に飽きた場所。
だから、いつもの私はつまらなさそうな顔をするばかり。
けれど今は、そんな気分も雰囲気も、すべて揃って放り出し済み。
今は歳相応好奇心の赴くまま、初めて見る品を観察していただろう。
彼から珈琲の話が聞ければ、何度もそれに目を瞬かせ、不思議そうに仕組みを観察する。
もし香り高い珈琲が振舞われたのならば、ちびりちびりと口にし、満足そうにしていただろう。]
(152) 2024/05/31(Fri) 22:00:46
[そんな時間を過ごしながら、ふと思い出した話題を口にする。]
あの、突然失礼な事を聞いてしまう、
と、思うんですが
[それは、珈琲とは全然関係ない話題。]
恋に落ちるって、
どういう感じ、なんでしょう
[人生経験豊富に見える相手に、若者が落とす小さな疑問。
……まさか彼がアンドロイドとは夢にも思わない。]
(153) 2024/05/31(Fri) 22:01:17
[ずっと引っかかっていたのは、元同級生からの突然の連絡。今日の不機嫌の原因その物。
一か月と言う長い船旅の中、気になる相手を見つけたか聞かれた事。
付き合えば?とか、そのまま駆け落ちしちゃえ等と言う揶揄いの事。
冗談にしては行き過ぎなソレが、自分にとって、とても不愉快だった事。
話を強制的に切り上げるような返信をして、携帯端末を自室ベッドの上に放り出して来た事。
そのまままっすぐ食堂エリアに来た事。
聞かれれば、そんな言葉が幾つも出てきただろう。
私は、珍しく饒舌に、私の事を語る。]
感覚、刺激の類は
ニューロンネットワーク上に発生する
電気信号って習いました
感情も脳深部、システム上で発生する物だって
(154) 2024/05/31(Fri) 22:01:50
ホルモン分泌からなる恋愛感情も
本当にその一部なんですか?
[けれど、そういう物だけじゃあ片付けられないとも、記録で読んだことがある。]
人を愛する……
愛おしく思う仕組みって、
一体何なんでしょうね
[眼鏡の向こうを真っすぐ見つめながら、疑問を投げかける。*]
(155) 2024/05/31(Fri) 22:02:27
一人旅 レットは、メモを貼った。
(A31) 2024/05/31(Fri) 22:04:45
庭園があることは知っていたけれど、そこで読書だなんてなんだかおしゃれ。
私もウィンドウショッピングなんかより、そういう時間の潰し方の方がよかったかも。
持ち上げられたビニール袋に視線を下げて、>>124
その読書のお供というならお菓子?なんて思いながらいれば。
「え、秘密?」
お菓子が秘密に関係するって、なんだろう。
(156) 2024/05/31(Fri) 22:08:38
「き、気になる……」
あまりこういうのることはないのだけれど、
こんなところで出会った人に急に秘密の話を持ち掛けられたら
それはここでしかしれないことで。
「……守るので、教えてもらえませんか」
いったいどんな秘密だろうと、緊張と期待を持って聞いてみる。*
(157) 2024/05/31(Fri) 22:08:56
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