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─ シアタールーム ─
[映画の邪魔をしてしまったか、と慌てたものの
スクリーンを見れば丁度エンドロールの最中で少しだけほっとした。
声>>147から相手がカラントだというのも分かったので
そのまま中に入って、隣に座り]
うん…なんていうかこう…
私ね、こういう仕事だからあんまり人に踏み込まないようにってしてきたんだ。
でも、ここでの生活で、知り合った人…
カラントさんも勿論だけど、アーネストさんとかもね。
もっと、知りたいな。
近付きたいなぁって思うようになるって、思わなかったなぁって。
…ていうか、それよりカラントさんこそ、何観てたの?
[隠す程のことではないから答えはしたものの、
なんだか当人にいうのは気恥ずかしいものだと気付いてちょっと目線を泳がせエンドロールも終わり際の映像について問い返した*]
─ いつかのスポーツジム ─
[さて。
結構な人数が利用しているらしいジムに私もお世話になっている。
というのも自分自身が意識しないと、いくらでも机の前に座ったまま動かずにいられるからだ。
そんなわけで毎日──は流石に無理だったけれど、週5ぺースでジムには通った。
手や肩を痛める可能性は避けないといけないのでアーネストやカラントのように本格的なトレーニングは無理だったけれど、軽いランニングやストレッチなど大体1〜2時間くらいの有酸素運動を主にして。
ペンギンさんアンドロイドなトレーナ―の励ましやらに乗せられて頑張っていたから終わり際には毎回へとへとになっていた。
その姿はジムを利用している人達なら一度は見たことがあるだろう*]
─ シアタールーム ─
うん。
私に近い人程、私に何を書かれるかって気にしてたから。
そんな心配させる位なら、近付かない方が良いなって思ってたんだけど…
そんな風に思われるような人間だって、突き付けられるのが嫌だっただけなのかなって気付いちゃって。
[裏を正せば、そんな風に思われてまで近付きたくなかっただけだった。
今まで出会ってきた人達には、そうだったけれど
アーネストもカラントも、小説を書いているこんな変わり者に屈託なく居てくれて。
外面の付き合いだけで終わらせたくないな、と願う程度には、近付きたくて]
そうかな……だと良いな。
[アーネストなら喜ぶんじゃないかという言葉>>166に彼女の笑顔を思い浮かべる。
少なくとも、負の感情をそこから感じたことは無いから浮かんだ笑顔も快活なまま]
……難しい話だね。
たとえ子供が生まれたって、
アンドロイドも子供として育ててたんだろうし、
二人とも子供として愛していけたら良いと思うけれど…
そうと割り切れないのが、人間だとも思うし…
[けれど、最初から代用品として迎えられたものが
本物を得られて尚変わらず扱われるだろうか。
人間だからこその身勝手さを考えれば、難しいとも思う。
アンドロイドを家族として迎え、
最後まで慈しみ合っていけるのは
それこそ別離などの悲しみを下地にでもしない限り奇跡に近いのではないか。
そんなことをカラントからの説明を聞いて思考していたら
自分が誤魔化したことについて掘り返されて]
……何が聞きたいか、は
自分でも、
まだよく分かってはないんだけど。
そうだね、先ずは
カラントさんの連絡先とか聞きたいな。
この旅が終わったら
それでおしまい、になりたくないから。
[たった一か月の付き合いで、
それも約束とかして一緒に居ようとしたこともない相手だ。
何を聞きたいか、どうして聞きたいか。
漠然と浮かんではいるけれど、
今言葉にしたら浅薄なものになりそうだったから
それはまだ口にせず、
船を降りた先にも繋がりを持ちたいと願った*]
─ シアタールーム ─
[カラントがあっさりと流した言葉>>175に
ちょっとした拍子抜けと、ほっとした気持ちになる。
アーネストの気持ちは確かに聞かなければ分からないから
そうだね、と頷いて]
アーネストさんなら、
多分ここか、ジムで会えると思うから
その時にでも聞いてみる。
[ほかにも聞きたいと思う人はいたかな、
そんなことを思いながらアーネストの笑顔を思い浮かべ。
それだけで軽くなる気持ちに、
ヒーローに救われる人ってこんな気持ちなのかなとも思ったと同時
じゃあ、ヒーローは誰が救うんだろう、なんて疑問も浮かんだ。
今ここで考えても答えの出ない問いだから思考に耽けるのは避け、
カラントの観ていた映画の話に移ったのだけれど]
[映画でもなんでも、ストーリーよりも個人を見てしまうのは自分の職業柄だ。
地球にいた時には無粋だと言われたり
嫌厭されたりしたことはあれど、
大事だと思うと言われたことはあまり無く。
呆気にとられた、ともいえる沈黙はほんの数秒で
頷きと、小さなありがとう、の声で破ってから
彼に聞きたいこと、で伝えた申し出はあっさりと了承されて]
…ありがとう。
それじゃ、私も。
転居先の住所もついでに送るね。
カラントさんはどのあたりを選んだの?
私はね、海が見える所にしたんだ。
[内心の緊張を隠そうと冷静さを装いながら、
手首に付けている端末を操作して連絡先を交換した*]
─ シアタールーム ─
[私の私見には肯定を返された>>211、
けれど、代用品がいるならそれもいい、と
続けられた言葉は私の中には無かったものだったから
ちょっとだけ驚いて、傍らの彼の顔を見た。
代わりがいるならわざわざそこにいなくても構わないという、
悲観的とも取れる前置きから
代わりがいるおかげで、という言葉と
薄闇の中でも笑ったと分かる表情の変化を見届けてから]
…代わりがいっぱいいるおかげで、か。
そんな風に考えたこと無かったなぁ。
[むしろ、唯一無二で無ければ生き残れない。
そんな世界で戦うことを選んだ自覚でいた自分には、相容れないものではある。
でも、本当のところはどう在りたいか。
その言葉は、私にも大切なものだと思ったから]
でも、そうだね。
私たちだって、
代わりが沢山ある中から、
変えられない物を
好き好んで選んでるんだもん。
…おんなじことだよねぇ。
[彼がクロッキー帳で示したように、
自分も手帳とペンを軽く振って見せて笑って
連絡先の交換と相成った訳だが]
住所はね、
私が知って欲しかったから送ったの。
此処だけでお付き合いを終わらせたくないっていう意思表示。
[誰彼構わず、なら悪用される心配もあるだろうけれど
近付きたいと言った自分から壁を外すべきだろうと思ったから連絡先だけじゃなく住所も送った。
これでカラントに騙されたとしても、自己責任だとも分かった上で]
カラントさんも海が見えるとこなんだ。
じゃあ、私とご近所さんかもしれないね。
[もしもに怯えるより、未来を楽しみにする方を選んだだけだと笑って、
自分も手首の端末を操作し新規の連絡先の登録を完了させた**]
積極的…って、
まぁ、そう言われたらそう、だけど
こういうの慣れてなくて
自然に聞くとかできなかったから…
その、図々しかったのは、ごめんなさい。
[積極的と言われて頬を赤らめるも、
振り返ってみれば最初の出会いから不躾に近付いていた。
もっと近づきたいと思っているのも本当だから
図々しさを謝るも、ここで引く位なら最初から近付かなかったから]
ご近所さんかは分からないけど、
きっとこれから同じ海は見られるよね。
どんな風に見えるのか、楽しみ。
[船の中での短い付き合いの中でも、
同じものを見ても捉え方が違うのを見てきた。
新しく見るそれらもきっと違って見えるだろうと思えば新生活の楽しみがまた増えた、と笑って端末を閉じた**]
─ スポーツジム ─
[シアタールームでカラントと連絡先の交換をした後は
映画を観たかどうかはともかく、
シアタールームを後にしてからは色んな所に足を運び
そんな中で食事やらも済ませたが目当ての人の姿は無く。
今日はもう身体を動かして終わりにしようか、と
一旦部屋に着替えに戻ってジムへと顔を出した訳だが]
あ、アーネストさん!
ちょうど良かった、
私ね、アーネストさんにお願いがあるの。
あのね、私
アーネストさんのこともっと知りたいっていうか、
もっと近づきたいっていうか。
/*
ツァリーヌさんともスイッセスさんともお話したいのだけどそこに行く流れが浮かばなかったのでグリーディアさんのとこにお邪魔…
お話できたらいいなー
ツァリーヌさんの4分33秒とか、スイッセスさんが本に触れてくれたりしてることとかにも反応したいのだけどぐぬぬ。
[余談だが。
図書室の書架を探したわけではないが、
私の本も置いてあった。
曾祖父の、アレクサンド・ロメロの隣に並べてあったのは、少し──
曾祖父の作品と、自分の得意とする純文学は畑違いだろうと、思う所はあったけれど。
『宙色の鍵』は、曾祖父の得意とした冒険ものだから
まぁ、隣に並んでも違和は無いだろう。
「僕はなんにも持っていなかった」
「初めて僕の、僕だけの宝物を手に入れたんだ」
「だから、絶対に…あきらめたりするもんか」
「…大丈夫だよ、だって僕はもう大切なものを手に入れた」
「僕はもう、あの時立ちすくんでいた僕じゃない」
「一歩を踏みだす勇気は、もう僕の中にある」
「君といっしょに、この鍵を開けるんだ」
[少年が手に入れた鍵は、未知への世界の扉を開くもの。
それを開かれては困る大人が、その鍵を取り上げようと幾度となく妨害を繰り返す中
独りだった少年が、人と関わり助け合うことを知って自分の手で未知に踏み出し、その先へと進む勇気を得る物語は、有体に言えば綺麗ごとだ。
作り物の世界ですら綺麗ごとが許されないなんて、救いが無さすぎるから。
そして何より、新しい世界に進む私自身の背を押す為に描いた物語が
願わくば、誰かの背も押せますようにとの欲も籠もっていると知るのは私一人だけ**]
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