錬金術師 ラヴェーナ

[後ろから近づいて、そっぽを向いたまま
つん、とその背をつつく。]


………　おはよ。


[うう。
いつもなら会うなり新作頂戴！って
元気にねだってるとこなのに、
なんか、なんか、どんな顔していいかわかんない。

決まり悪そうにもにょもにょしながら
ちらりと様子を窺って。**]

錬金術師 ラヴェーナ

祭り前日・工房にてライトと

[確かにライトに対しては
お姉さんぶっているのが常だから
こんな顔見せるのは珍しいかもしれない。
ボクとしては不本意だけども！

花言葉…そう言えばさっきフローラも
何となく物言いたげに花を見てたな。
なんなのさもう！そんな深い意味ないよきっと！
たまたまそのへんにあったからくれただけでしょ！

大体ライトってばいつのまに
そんなのに詳しくなったわけ？もう！>>9

ぷりぷりしていたが、やんわりと――
けれど断定口調で明言されてしまい　
う、と言葉に詰まった。]

錬金術師 ラヴェーナ

……別に、ライトのおまじないを
疑ってるわけじゃないけどさ。


[優しく言い含められて、
可愛い弟分のライトが、
何だか急に大人びて見えた。
今この場に限ってはボクの方が子供みたい。

そうだよね。ライトだって大人になる。
ボクの知らないうちに色んな事考えるようになってって、
きっといつの間にか　恋、とかするんだ。

――…恋か。]

錬金術師 ラヴェーナ

[ま、蒸し返されて咽るあたり
まだまだツメが甘いとも言える。
何よいつも通りって。やけに強調するじゃん。]

ふーーーん？

[ぽろっと零れた言葉的に、首飾りをあげたい子はいるみたいだし？
つまり"いつも周ってる子"と何かあるってことなの、
なんて邪推はしてしまうけど。
まあいいんだけど。]

ボク〜？？
だぁーから何も予定ないって言ってるじゃん。
首飾りなんか必要ないよ。第一あんなの嘘っぱちだし。

[お客相手にはあるまじき発言だけど、
ライトだからいいでしょ。
追及に半目で答えつつ。]

錬金術師 ラヴェーナ

[…でも、そうだな。
ボクもこんな応酬に、意地を張り続けることに
いい加減ちょっと疲れてきてたのかもしれない。
魔が差したとも言う。]

錬金術師 ラヴェーナ

…………信じらんないの。

首飾りを贈ったら幸せになれるとか、
お祭りの日に結ばれたら長続きするとか、そういうの。

誰かと恋人になって、その時は幸せでも、
いつかは壊れちゃうんじゃないかなって。
それなら、何もしない方がましだって。


[ぽろりと零した本音を、ライトはどう受け取ったかな。
何にせよ、なんてね、とか言って
すぐに明るく笑ってみせたけどね。**]

菓子屋 コウセツ

[ 思えば私は、今まで恋愛をしてこなかったぶん
　いわゆる”女心”というものに疎かった。
　
　あんな風に誘われて、彼女が一晩どういう思いでいるのか…
　断りたくとも断れないのではないかとか、
　どういう所に考えを及ばせることもなかった。
　
　できなかった、とも言える。
　
　むしろ考えるのは、
　彼女を誘うことでもし嫌がられたら今後どうしていこうか、
　だなんていう臆病な不安ばかりだ。
　
　それもそうだろう。
　ラヴはまだ若い。私と8も年が離れているのだ。
　いくら彼女はもう子供ではないとは言え、
　私から今更そんな風に誘われて──
　気持ち悪いと思われない保証がどこにあるだろう。 ]

石工 アロイス

昨日・広場

まあ…とにかく元気なやつは多いでしょうね。
楽しんでもらえてるんなら良かったです。

心配しなくてもリトリコ先生は子供らにはとても人気ですよ。
あいつらまだガキのくせに…いや、だからかな。綺麗な先生には弱いっていうか…
いや…先生の人柄なのは分かってるんですけど。

いいんですか！？
それは嬉しいな。本買うにもなかなか町まで出ないと、行商人任せになったりしがちですからね。先生がどんな本読むのか俺も気になります……っとと。
すいません、俺の方こそ話し込んじゃって。

[子供たちの話に本の事、星の事…話は尽きないけれど、思ったより随分話し込んでしまっていた。気づけば陽が随分動いている。俺も肝心の作業に戻らないといけない。

ただ、>>0:452先生がトランクケースを握って立ち去る前に、どうやら約束は取り付けられた>>0:453みたいだ。]

石工 アロイス

いや、全然！無理にとかじゃないです。
見てくれたら助かる…いや、嬉しいなって。

わかりました、俺も特に明日は予定もないし、
いい時間に声かけさせてもらいます。

[先生は微笑んでいる。俺も釣られたのか、自然と口元が緩んでいた。]

ええ、楽しみにしててください。
…また明日。

[そう言って、俺の方も家に戻っていった。]

菓子屋 コウセツ

[ 手紙で誘ったのは、願掛だけでなく
　そういう意図も無かったと言えば嘘になる。
　もしもどうしても無理だったら、
　面と向かわずとも断れるだろうし…
　やんわりと、見ていなかった事にもできるだろうから。
　
　あんなに可愛くて、守りたくなる彼女のことだ。
　今日誘われていなかったとしても、
　彼女自身がひっそりと想いを寄せる相手がいても
　全く可笑しくない。
　彼女が恋をどう思っているのかすら、私は知らないから。 ]
　
　……………はぁ……
　
[ 緊張で、うまく呼吸すらできやしない。
　祭りの門の前、私は彼女を待ちながらも
　期待を上回る不安の中で視線を彷徨わせていた。
　
　待ち合わせの時間なんて書いてない。
　いつまでだって待つつもりだったから。 ]

菓子屋 コウセツ

[ 徐々に賑やかになりつつある広場や村の通り。
　行き交う人々を眺めながら、
　来てくれたらどうしようか。来なかった時は…など
　ぐるぐると思考を巡らせていた私は、
　すぐ後ろに迫る気配に気づいていなかった。>>29
　
　つん、と小さく上着が撓む。
　
　はじめは何かがぶつかったのかと思い、
　不思議そうに振り返って。
　
　控えめに呟かれる朝の挨拶の声と、
　待ち望んでいた彼女の姿を見た瞬間。 ]
　
　
　────………！！！
　
[ ブワッ…と自分の体を春風が吹き抜けるような
　言葉にできない思いが全身を駆け巡り
　暫し言葉を失ったように、彼女の姿に釘付けになった。>>25 ]

菓子屋 コウセツ

[ そもそもラヴは普段から何もせずとも可愛いのだ。
　喜怒哀楽がはっきりと出る表情や、
　此方を見る眼差し、仕草そのものの愛らしさに加え
　その器量の良さも相まって、
　見ているだけで楽しくなる女の子なのだ。
　
　それが──なんだ？
　清楚さを現すような真っ白なワンピースには
　繊細な刺繍が施され、彼女の体を綺麗に彩っているし
　髪は昨日彼女に渡したミモザの花と、
　杏の花らしき可愛らしい花が編み込まれていて……。
　可愛い、等という言葉では到底足りない。
　言葉を失っても仕方がないだろう、これは。 ]
　
　──……っぁ、ああ……おはよう…。
　
[ 裏返りそうになる声を無理やり正し、
　なんとか言葉を捻り出す。>>30
　あちこち見惚れてしまいそうになって、
　少し困ったように微笑んだ。 ]

菓子屋 コウセツ

　
　その…すまない。
　君の姿があまりにも可愛かったから……
　少し、見入ってしまった…。
　
[ なんせ、こんなに着飾った所は初めて見たものだから。
　
　自然と溢れる言葉は、
　今日という日は誤魔化す必要もないだろう。
　
　彼女の髪に目を細める。
　杏の花なんて、ここらには無いだろうに。
　あえて選ばれたように見えるそれは、
　彼女の意思だろうか。
　それとも、親切な幼馴染の仕業か。>>0:312 ]

菓子屋 コウセツ

　
　来てくれてありがとう。ラヴ。
　心から嬉しいよ。

　……改めて、今日君を誘わせて欲しい。
　
[ 自然と嬉しさがそのまま顔に出てしまう。
　
　ああ、もう少しスマートに物を言える男であったら
　よかったのだが。
　こんな姿の君を前に、緩む頬を押さえるのも難しくて。
　
　その手を取れないかと、そっと手を差し出してみる。　

　君の中でどんな葛藤があったのかなんて何も知らない私は、
　その瞳が此方をみてくれるようになるまでは
　じっと君に見入っていた事だろう。** ]

錬金術師 ラヴェーナ

[軽く背を突けばコウにいが振り向いて、
ボクに目を止めて数秒程絶句する。>>40
なに、どういう感情よそれ。

沈黙の後ようやく返って来た挨拶に
ちらっと様子を窺えば
眉を下げた照れくさそうな苦笑が見えて。

その顔だけでなんかもうボクは
どうしようもなくむずむずしてしまったってのに。]

…　へっ　はぁっ？？？？？？？
なな、何言ってんの！？大袈裟だよ！！

[続いた台詞に、今度はこっちが固まってしまう。
ぶわーーーっと一瞬で顔に血が上って。]

錬金術師 ラヴェーナ

[いや、コウにいは確かに女ッ気ないけど
お洒落してる人は素直に褒めるタイプだ。>>0:222
だけど、だけど、こんな歯の浮くような台詞、
さらっと言える人だったっけ！？！？

動揺しているボクを他所に、
コウにいが本当に嬉しそうに手を差し出してきて。
たとえるなら普段お菓子を食べているボクを見つめてる時の顔に
10倍くらい砂糖を足したような感じだった。
そして困ったことにボクはこの顔にとても弱い。

え、てかなにこの手。
もしかしてもしかしなくても握れってことですか。
なにその…デートみたいな…いやデートなのか…そうか…]

錬金術師 ラヴェーナ

あ、………………あの、……えっと………
……ど、どういたしまして…？

[絶対この返事は適切じゃない気がするんだけど、
場数が少なすぎてなにもわからん。
顔見たら言おうと思ってたなんやかんや（主に文句）も
全部飛んでしまって。

彼の手を見て、コウにいの顔を見て、また手を見て、って
ボクがおろおろしてる間もコウにいは
じーーーーーっとこっちを見つめてるもんだから
さっきから心臓が本当に落ち着かない。]

…み、見すぎ！！！！

[って思わず睨んで叫んだあと、
勢いに任せてその手を取った。**]

石工 アロイス

昨夜

[家に戻ったのはまだ明るいうち。
うちの家は村の外れ、石切場の近くにある。
親父とお袋はもちろん健在だし弟妹もいるのだが、俺は離れの物置小屋だった場所を手直しして寝泊りに使っている。
祭り前だから飯は済ませてきた、入らないでくれと家族に伝え、小屋にこもる。

余力がある時は自分の研鑽のためにいろいろと道具を持ち込む場所だ、ベッドの前の大きな机には鑿や工具、コンパスに定規に石板石筆、作図に使う紙や図面が並べられている。

それを一旦隅の方に追いやって、彫刻刀に砥石、ラヴに誂えてもらった鎖と、何より肝心のアイオライトを並べる。]