26 ― 境界の先への手紙 ―
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身体を飛ばしてくれぬは欠点だが、
それは余りにも無いものねだりだ。
ペンを手に取る。
まだぎこちないままではあるが、
衝動の赴くままに連ねたい心地だった。
(118) 2024/09/22(Sun) 02:08:27
植物の香り、それからどこか薬のような香りのする封筒。
筆跡はふるえている部分が時折目立つ。
力があまり入っていないのか、擦れたインクだが
丁寧に文字を書こうとしているらしきことはわかる。
便箋の端には蒲公英の押し花があしらわれている。
それから、なにか水気のあるものが垂れたらしい跡も。
(-86) 2024/09/22(Sun) 02:12:34
疼躊化葬 コルデリア から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
この手紙が届いてしまったあなたへ
ごめんなさい。はじめに謝っておきます。
きっとここに書き連ねるは嬉しい話題は無く、
現状の──私の、身体に障るような、
あまり考えたくもないことを記しますので。
もし読んでしまってもふかく考えないでください。
私は過去を悔やんではいません。
私の選択も、それしかありませんでした。
だからこのまま1人でいるのも覚悟はしていました。
現実に文句のつけようは、ありません。納得をしています。
(-87) 2024/09/22(Sun) 02:20:28
疼躊化葬 コルデリア から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
でも、── 私の大好きであったはずの人々が。
私の事も母星のこともさっぱりと忘れて、
きっと今は幸せにしているだろうことが。
私はそれを望んでいたのに、そう願っていたのに、
時折どうしようもなく薄情な仕打ちをされている、
そんなようにも思えてしまうことがあります。
恨みなど、何ひとつないのに。誰も悪くないのに。
そう思ってしまう事もまた、苦しくて。
考えることをしたくなくて。書きました。
悪態を吐こうと私に帰ってくるだけ。
こ■まで書いてわかりましたが、忘れ■どころか
書けば書■ほど思い出■てしま■■
やっ■り駄目■■■、私■馬鹿■■■■
忘■■くだ■■。
(-88) 2024/09/22(Sun) 02:31:32
疼躊化葬 コルデリア から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
(-89) 2024/09/22(Sun) 02:33:18
疼躊化葬 コルデリア から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
ぱたり ぱたり。
ただでさえ読み難い弱々しい文字は、
ところどころインクが滲んで崩れて。
また数度咳き込み身体を揺らす。
酷い手紙だ、誰にも見せられたものじゃない。
ペンを取り落として、見たくないものから
目を逸らすように、臭い物に蓋をする様に。
封を閉じた。
(119) 2024/09/22(Sun) 02:37:39
「 ……ゴミ箱行き、です、……こんなの 」
つかれた。しんどい。身体が重い。
そのままずるずると倒れ込んで。
それがほんとうに何処かに行くことなど、
少しも思いもせずに。
(120) 2024/09/22(Sun) 02:40:21
/*
どうして鬱々とした手紙ばかり生産してるんですか?
(-90) 2024/09/22(Sun) 02:46:36
机城勤務 コルンバは、メモを貼った。
(A17) 2024/09/22(Sun) 08:58:00
[リージョン界じゅうを飛び回り、様々な小世界からの
手紙を集配していくメール・トルーパーズ。
その手紙の中には、この組織や構成員に対して
直接宛てられて送られるものも存在する。
さて、この日もそうした手紙のひとひらが、
バラ・トルーパーズ内の本局に舞い込んできた。
とはいえ宛名書きにMTやその構成員の名が
記されていた訳では無かったのだが。]
ふぅむ。
[コルンバの鳩型は、くちばしに咥えたそれを、
人型の指先へと運んでいく。
人型の眼の形は、その文に描かれた文字を追い。
さらに裏返して、書かれた物語の言葉を追っていく。]
(121) 2024/09/22(Sun) 09:17:57
面白い便りだ。こうした便りが私の元に届くとは。
バラの情報機関は、このような物語を
此方に届けてはくれないからね。
[コルンバの人型の眼は、視認した紙やテキストの情報、
および人型の指、鳩型のくちばしの触覚で得た情報をも
自身の機体内のメモリに記録していく。
その後、他のメモ書きと同じように、
ひとひらの手紙を一旦、人工繊維で象られた癖毛の髪に
ヘアクリップで括りつけたのだった。]
この感想は、カラヴェラスの件が完了してから
送ってみることとしようか。
(122) 2024/09/22(Sun) 09:23:46
わたしが捨てた夢、か。
……どうなんだい、「わたし」?
[コルンバが就くその机上には、特に郵便業務とは関わりのない、
私物としての書籍が山と積まれてもいた。
その中には、ひどく傷ついた装丁の古書も一冊。]
(123) 2024/09/22(Sun) 09:24:56
/*
マーチェンドの反応先に落とす予定だったのだけれど
メモ質問回答を先にしたので、タイミング的にちょっとコルンバのほう先に落としちゃいまし た
(-91) 2024/09/22(Sun) 09:27:23
こうして漸く、俺は最後の一通を確認した訳なんだが――。
「は、……?
おいちょっと待て、返事にしちゃ早すぎないか?」
驚いたあまり、思わずクロウと顔(の部分)を見合わせながらこう零したものの。
よくよくその文面を書き出しから確かめれば、アイツは此方の音沙汰の無さを案じて一方的に手紙を送ってきた、ってことらしい。
納得したと同時に、聊か恥ずかしくもなったもんだ。……この時の俺の顔、クロウのアイカメラでばっちり記録されてるんだよな?
(124) 2024/09/22(Sun) 09:38:27
――こりゃ、俺のほうからの近況報告は要らなかったか。
ついそう考えもしたが、他者づてに聞くのと当人から聞くんじゃ情報の重みが違う。だからまあ、俺から出したあの手紙については良いってことにして……。
「ああ、そういや――」
あったな、イオニスが船舶情報を取り寄せてきたっていう通知。
実のところ、全部の通知がこちらに来てた訳じゃないっていうのは、幾名かの顧客の手紙の記載から分かってはいた。というのもこの通知、紙面じゃなくて電子通信でシップに届けられるせいで、外部リージョンとの電波状況のよろしくないパンパス・コート内においては届いたり届かなかったり……という事態が起こっていたらしいのだ。
で、肝心のアイツの通知を把握していたにも関わらず今まで忘れていたっていうのは――まあ、シップの魔改造の件だとかこの王国内の探訪だったりなどで、少々立て込んでいた所為もあったのかもしれない。あと脇腹の鈍痛。
(125) 2024/09/22(Sun) 09:52:24
アイツからの手紙への返事については、この日は綴らないことにした。
入れ違いの形で俺から出した手紙が無事に向こうに届いているなら、また改めて返信を送ってくるだろうから。それを読んでからでいいだろう、と。
あのエンジニアと“女将”の魔改造を受ける前も、後も、おおよそ常に俺の傍に付き従う形でついてくるクロウを見遣りながら。
この日に届いた4通の手紙を鞄に仕舞い込んでから、俺は3通の返信を、街頭に設置されたメール・トルーパーズのポストに託していた。
(126) 2024/09/22(Sun) 09:58:47
『ええ、そろそろ国王陛下と貴族たちの
ランウェイの日も近いものね!』
そんなうわさ話を楽しげに交わす、リップグロスで煌めいたくちびるとボリュームのあるカラーを横目に見遣りながら、さ。
(127) 2024/09/22(Sun) 10:00:50
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