1日目 / 15 Mystic Letters ― ヒトとアヤカシの手紙 ―

15 Mystic Letters ― ヒトとアヤカシの手紙 ―

【妖】作家添木(ソエギ) から【人】妖具屋深瀬賢へ、秘密のやり取りが行われました。

【人】女将大祓(オオハラエ)

［薄く目を開けばカーテンの隙間から降り落ちる陽光が優しく頬を撫でる。
　起き上がり、大きく背伸びをすれば微かに漂ってくる匂いにお腹が鳴ってしまう。
　食事に、風呂。そして、このふかふかのお布団。
　普段の、瞼を閉ざしたまま船を漕ぐまでの永いときを攫ってしまうほどにこの穏やかな空間はすぐに自身に馴染んでいたようだ。

　身支度をして襖を開ければ、更に美味しそうな匂いと、微かな鼻歌が聞こえる。
　その先へと赴けば、台所に立つ老女将の曲がった背中が其処にあった。
　包丁で何かを切るその姿は、何処か楽し気な様子で。］
　

(30) 2023/12/13(Wed) 01:29:10

【人】女将大祓(オオハラエ)

　あら。あらあら、おはようございます。
　ゆっくり休めたかい。

［声を掛ければ、ぴくりと肩を揺らし何処か気恥ずかし気に微笑んでいる。
　その傍らには、焼き鮭に海苔、瑞々しいサラダの準備がされていた。］

　ふふ、恥ずかしいねぇ。
　………ちょうど朝ね、嬉しいことがあったんですよ。

［まな板からネギを入れゆっくりとお玉で回していくその眼差しは鍋の中へと向かれていた。
　やがて火を止め盛り付けられていく。味噌汁と、そして御飯。
　出来上がった一人前の朝食を運ばんとする様に、とんと肩に触れて。］

(31) 2023/12/13(Wed) 01:29:18

【人】女将大祓(オオハラエ)

　おや、私と一緒に？
　それはそれは、嬉しいことをおっしゃりますねぇ。
　貴方様が良ければ是非、……嗚呼ごめんなさいねぇ。

［自身の分を女将から貰い、夕食を食べた場所へと運んでいく。
　対面で座れるように、少しばかり大きな食卓で位置を選び
　腰掛ければ丁度、女将も此方へと食膳を持ってくる所であった。
　〝いただきます。〟
　重なった言葉に、何処か胸の奥が締め付けられるのを覚える。］

(32) 2023/12/13(Wed) 01:29:32

【人】女将大祓(オオハラエ)

　
　さっきの、嬉しいことかい？
　………これのことですよ。

［談笑をしながらの、朝食を経て。
　そう言って、ポケットから取り出したのは二つの封筒。
　どちらも色は違えど冬の装いを覚える色合いのもので
　食膳と離して置かれたそれらへと向ける眼差しは暖かく。］

(33) 2023/12/13(Wed) 01:29:40

【人】女将大祓(オオハラエ)

　何時であっても、こうして気持ちの籠った手紙を頂くと
　胸があったかくなるものですねぇ
　歳不相応にはしゃいでしまいましたよ。

［鼻歌のことを突っ込めば、〝いやはや恥ずかしいもんだねぇ〟と照れ笑い。
　どんな相手からなのだろう。親族からだろうか、それとも友人から。はたまた。
　どの便箋でお返ししようかねぇ、と思案するその姿に。］

　……おや、もう一泊？
　勿論、何泊でもよろしいですよ。何せ、この時期はお客さんは少ないですから。

　

(34) 2023/12/13(Wed) 01:29:55

【人】女将大祓(オオハラエ)は、メモを貼った。

(A4) 2023/12/13(Wed) 01:35:12

【人】妖具屋深瀬賢

　―　暁、降りゆく雪

[太陽が沈んでから、何刻か過ぎていった。
夜が明ける前に、作業を終わらせるため、手を動かしていく。]

　　　　　　……っは

[大部分はかなり前から出来ていた、それは肝心な効果の部分で問題があった。
上手く噛み合わない部分を少しずつ、歯車として合わせるように変えていく。

この作業が一番時間がかかる、苦手な作業だ。]

　はぁっ　　、あぁぁあぁ……完成だ

[精神を擦り減らし、時間を使いやったのこと完成したアクセサリーはすぐさま手紙に同封される。
きっと早く届いた方がいいだろうということを考えての結果、協力してくれている配達員の妖に渡される。]

(35) 2023/12/13(Wed) 02:21:09

【人】妖具屋深瀬賢

[夜中でも活動する配達員に手紙を渡せば俺の仕事は一旦終了となる。
あとは、いつも通り眠りにつくだけ。]

　ああすまん、これも頼む

[そう言って取り出したのはもう一枚の手紙だ。
新たに届いた手紙への返事が書かれた物。
もしかしたら、新たな客になるかもしれない人物へ宛てた手紙。]

(36) 2023/12/13(Wed) 02:21:24

【人】妖具屋深瀬賢から【妖】書店員雉笛(キジブエ) へ、秘密のやり取りが行われました。

【人】女将大祓(オオハラエ)

［日が昇っている間にと、周囲をぐるりと散策に出掛けて
　僅かばかり残っている霜や、木々の下を覆う枯葉を
　踏みしめながら歩いては民宿へと辿り着く。
　開けば、かじかんだ指先がじんわりと温度に解される。
　女将の姿は無い。

　廊下を歩いていけば程なくして、
　紙の擦れる音が薄らと聞こえてくる。
　その方へと目を向ければ、其処は部屋よりも小さな個室。
　少しばかり開いていた隙間に目を遣ると
　筆を持って何かを認めている女将の姿が其処にあった。
　
　その傍らには、昨日一緒に見たアルバムの姿もあり
　紙へと向かう表情、その嬉し気な笑顔に
　――――そっと、足音を立てずにその場を後にした。

　窓越しに見上げれば、今日もまた青空が広がっている。
　きっと、まだ届けられるだろうと、そう思う。］
　

(37) 2023/12/13(Wed) 02:45:19

【人】女将大祓(オオハラエ) から【妖】書店員雉笛(キジブエ) へ、秘密のやり取りが行われました。

【人】女将大祓(オオハラエ) から【人】学生蛍籠(ホタルカゴ) へ、秘密のやり取りが行われました。

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【人】女将大祓(オオハラエ)

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