佐次詩羽

──そしてある朝──

[オズ君が元カノの話をするっていうので、朝食は後あと。
椅子を勧めてお茶を入れて出して、話を聞くための準備をした]

　元カノと街でバッタリ？……おおっ

[そこでどんな会話のやり取りがあったのかと期待したけど、
そこは詳細に語られなかった。会話がきっかけで、その彼女と別れた原因を思い出したらしい]

　ほうほう、それで……へぇ…
　その例え話は、こっちの世界にもあるんだねぇ

[崖から落ちそうになった二人の内、
どちらか一人しか助けられないって例え話。
で、オズ君の答えといえば、]

衣代和かほ

――川辺――

[程よくより3割増くらい疲れた身体は、こちらに来てからの運動不足がたたって色んなところが痛い。
それでも美味しい軽食と飲み物で大分復活できた。
食いしん坊じゃないから、はもはや口癖になりつつある。]

　なにそれ？

[筒状の容器に遠慮なく問いかける。
こういう質問には遠慮がない。
後で教えてくれるらしいので、まぁいいか。
石鹸や茶葉>>179で膨らんだトートバッグを肩にかけ直した。
そうだ、ミルクも帰って帰ろう。>>178

元いた世界、自宅近くの川とは大分雰囲気が違う。
海近くの川は流れが分からないほど広く深く、濁っていて、天候や風の方向によっては淀んだ海くさかったが。
ここの川辺には自然が豊かに茂り、水は小石や水草が見えるくらいに透き通っていた。]

衣代和かほ

　人の生活が近そうなのに、水が綺麗だね。

[洗濯物を横目に眺めて。
王都が近い川下とは思えないほどだ。]

　魔法の力ってすごいな……。

[最初は下水管などがしっかり張り巡らされているからかと思ったが、個々での浄化処理への意識の高さ故かも、と。
地図を思い浮かべながらぽつぽつ呟くように。
ピギーはうるさいければすぐに言うだろうから。

草花が気になってふらふら寄り道したり。
いつしか俯くのは観察するためになっていた。]

　あ、うん。足洗っても大丈夫なのかな。

[泥汚れならいいだろうか。
トートバッグを置き、薬草園の時のように裾を上げると、革のブーツを脱いで裸足になる。
ブーツの底を洗い流し、水で湿らせ絞ったハンカチで上部にくっついた汚れを拭い取った。]

衣代和かほ

　ん、意外と、つめたい。

[片足をつけ、水底の小石の感触を味わう。
立てることを確認してからもう片方の足も浸けた。
両手が謎にやじろべえみたいになる。]

　……。

[この川だとどうせ飛び込めなかったな、と過ぎる。
もっと深いところを探さなければならなかったのだ。
でも今はその思考を心の隅に寄せる。]

　うん、気持ちいい。
　ピギーは？

[着ぐるみで水浴びもなにもないか、と自己突っ込み。

足先でパシャンと水を蹴ってみる。
もちろんピギーの方には向けないけれど。*]

佐次詩羽

　あ〜〜〜……、
　それは真面目に考えて正直に答えちゃったんだね。

　あのね。
　彼女がその質問をしたって事は、
　自分をオズ君の一番に見てほしいって気持ちがあったからだよ。

　オズ君の中で一番大切な人になりたかったんだよ。
　でも、オズ君は現実に当てはめて、
　最も合理的な答えを選んじゃったんだね
　それは別に、彼女を蔑ろにしたってわけじゃないのにね

[自分の手元にあるお茶をずずーっと飲む。
うん、美味しい。しっかり味わった後で浮かべた微笑みは自然だったと思う]

佐次詩羽

　
　おじいさんは、オズ君の親代わりでしょう？
　彼女のその例えはいまいちだと思うけど……、でも、彼女の気に食わない答えをしたからってダメ出しされて、オズ君はその後どうしたのかな？

　彼女の事が真剣に好きだったのに、彼女が聞く耳を持たなかったのだとしたら、
　気持ちがすれ違っちゃったんだね。

[見つめてくる視線を受け止めながら、*]

きぐるみ ピギー

―　川辺　―

　魔法で浄化してるからな。

　そういうのは仕事ってのでもある。さっきの水撒きやら、火を配ったりとかみたいにな。

[暮らしのためでもあればお金のためでもあるだろう。
自分の中>>187で何か納得させるようにぶつぶついっていることについてはそっとする。
なんか考えてるときの仕草のときは邪魔しないものだ。]

　洗濯とかもする場所だし大丈夫だろ。

[そういって見守るというよりは手ごろなサイズの石があったので腰掛ける。
ブーツを洗うだけではなく裸足となって川の中に入るイヨリ、草原色のワンピースをきて水に足をつけているのは灰白の髪とやや色素の薄い青の色の瞳は少しだけはかなげな雰囲気にも見えて、仕事をしていた時はまた違う面だなぁと改めて思うのである。]

きぐるみ ピギー

　俺はいい。ゆっくり楽しんでくれ。

[水を蹴って遊ぶイヨリを見守るようにしながら、風に背中の毛も耳も揺れて]

　やっぱちょっとしたらあがれ。これ使ってみせるから。

[気のすむままにさせようかとおもったが、適当なところであがれ。とはいった。
先程気にしていた筒状>>186のものの捻りって縦に伸ばすように開くと複数の穴とようが見えるだろう。
ふーっと息を吹きかけると風の勢いで光の加減で色づく透明の膜が広がってふわっと空気中に浮く。向こうの世界でいうとシャボン玉というものに近いが、そこからそのシャボンをわしっと掴んで軽く力を込めて歪めて形作ると黄色く色付く]

　ほら、こんな感じの……遊具みたいなもんだな。

[ピギーが手を離すと、レモンになったものがふわふわっと空中に浮くのであった*]

衣代和かほ

――川辺――

[こちらの世界の仕事も多岐にわたるようだ。
でも人間に必要なものはそう変わらず、魔法があることによって簡単になっているものもあれば、そうでないものもある。
魔法は想像力が及ばないほどすごいけれど、1人が一気に何でもできるわけではないと分かってきていた。

ピギーは小石に座って休憩の構えの様子。>>191
なら仕方ないので、パシャパシャと洗濯物などに飛ばない程度に遊んで、小魚が逃げるのに気づくと止めてじぃっと眺めたり。

あれ大きくなったら食べられる川魚なのかな。
川魚の丸焼きは骨がなぁ、ムニエルとかいいかな、なんて。
儚げ詐欺みたいな呟きも後で届いたかもしれない。
料理本を眺めた成果というやつである。

時折、ピギーの方に瞳を向ける。
急にいなくなるわけないと知っているのに。
あまりに気配がないから、見てしまう。
風に揺れる耳がなんだか可愛らしくもあって、声との不釣りあいさが際立つのがおかしく、ほうっと息をついた。]

衣代和かほ

　あ、さっきの。

[上がれと言われ、水を跳ねさせながら戻ってくる。
濡れた足を拭いて靴を履いて、ピギー>>192の元へ。]

　んん？

[筒が伸びた。穴がたくさん。
まったく予想できずに首を傾げていたら。]

　あ、シャボン玉……じゃ、ない？
　ええっ、え、潰れない……色変わった……ええ？

[瞳が大きく丸くなった。
遊具という名にふさわしく童心に返ったかのように。]

衣代和かほ

　……。

[触っても良いか聞く前に。
宙に浮くレモンみたいな玉に指を伸ばしてみる。
おそるおそる、触れるか触れないか。
結局その指先でつつくなどはせず、顔を近づけてふっと息を吹きかけ、さらに上へとのぼらせた。]

　うん、良い感じに風に乗った。
　レモン色だね。……かわいい。

　これ、私がやっても、こうできるの？

[魔法の力が必要なのだろうか。
ピギーの答えを待ってから、シャボン玉まででもできるならやらせてもらってみるだろう。*]

きぐるみ ピギー

――川辺――
[気になっていたものがどういうものか見せたら気に入ったようだ。
不思議そうで、年齢ではなく見た目や今までのことからの年相応の反応で見守るイヨリ。
違う世界のこと>>194をいうのだが、似ていないようだ]

　名前結構近いな、泡玉とか、風玉とか、場所によっては違うがそんな名前だ。

[形を変え色を変え、ふわふわと浮遊するレモンを触れるか触れないかのところで、触れさせずに風にのって高く浮かんだ]

　泡を出すだけならできるが、形や色を変えるのにはコツがいるな。まぁ、指輪とか色々使えてるから練習したら出来ると思うぞ。

[それが子供の練習用だったりはするのだが、そこまではいわないで]

　壊れないよう触れるのも、色を付けるのも魔法だ。形は自分の手でやらなきゃならんけどな。まあ一辺やってみ。

[というように容器をイヨリに渡して、素直にやるならば、触れる前に念じるとか、色は全体を意識して色をつけるように、とかの説明をするのである*]

衣代和かほ

　私の所では、シャボン玉。
　シャボンは石鹸って言葉が語源じゃなかったかな。
　だから、泡玉だとかなり近そう？

[でも風玉もいいな。
自分たちより洗濯物より高く飛んでいくレモン色。
空色と混ざると桃色に変化しそう、なんて過る。]

　なんだか難しそうだけど……やってみる。

[ピギー>>96と同じことをできるようになってみたい。
心に湧き上がったのは、至極単純な想いだった。
そして気付かぬうちに不純な想いもあったかもしれない――この時間ならそばにいても当たり前なのだ、と。]

　息を吹きかけるときは普通にで良いの？

[大きくてきれいな玉になりますように。
願いをこめ、ピギーがしたように……着ぐるみだから吹き方が参考にならないとぼやきながら、真剣な面持ちでふうっと息を吹きかける。
そうしたら、ふわん、と泡が宙に浮いた。]

衣代和かほ

[先ほどピギーは力強く掴んでいるように見えた。
自分が目の前の玉にそんなことしたら、すぐ割れそうな気がする。
そういうのも魔法力コントロールというやつか。

眉根を寄せて玉を瞳に映し。
両手のひらを上向きに、玉を乗せるようにして。
後数センチ、あ、風が、また後数センチ。]

　ぁ、なんの形にしよう……うわぁ……っ

[行き当たりばったりすぎた。
えっとえっと、あれだ！ととっさに思いついたものは、あざやかに頭に浮かびイメージとなる。
泡が手のひらに自ら着地するように触れる。
息を殺しながら、大切に大切に包み込むようにして。
一心に見つめながら願い念じていく。]

　……ど、どうだ。

[出来上がったのは、薄らと白と薄桃が混ざって色づいた、ハート型にも見えるような泡玉だった。
眉根を寄せたままの表情は成功ではないと語っていた。*]

きぐるみ ピギー

　石鹸のあの泡って感じか…こっちはまぁ…見ての通りだろうな

[泡の玉だし、風にのって飛んでく玉だし。どういう原理のものかまでは知らないが、できれば問題はない。
イヨリはやってみるというので容器を渡して]

　普通で、後はやってみたらわかる。

[強くても弱くてもダメなんだが、その辺りの加減は教えるよりやってもらったほうがいい。参考にならないというぼやきは聞こえたが、泡の玉を出すこと自体は難しくないものなのでやってみろがこちらからは全てであった。]

きぐるみ ピギー

[さて、ここからが試してみるところなわけだが、イヨリは難しそうな顔をしたり、泡を乗せるようにしようとしては風で揺らされて、こけるなよ。と思わず声をかけたりしつつ、手中に治め、描き出す]

　おぉ………桃？かリンゴか？

[形は歪だが、花より食いもんだしな。とかこっちはこっちでぼやきながらも、初めてで少しでもできたことに感心していた。まぁ、当人は満足していない>>198みたいだったけども、当たってるかな。と見遣ったり]

　満足するまでやっていいぞ。
　ここいらの子供はそれで遊んだりすることも多いしな。

[数回分ぐらいの液体はあるのだからな。
なお、子供はといったのは、あくまでこの世界の一幕と言う形でいっただけで、子ども扱いしたわけではない]

きぐるみ ピギー

　力をもっと均等に配る感じに、料理とかに例えたほうがいいのか。かき混ぜる感じになるんかなぁ？

[とか、色についていったり]

　形は頭の中で描くようにしながら触れてったほうがそういう形になりやすいように出来てるらしいぞ。

[とは形についていったり、自分にあいそうなの試してみろ。とそうやって液体がなくなるまでイヨリにがんばらせるピギーであった**]

衣代和かほ

　桃とリンゴではない……ね。

[ピギー>>200の予想に肩を落とすけれど。
ハート型に見えかねないとハラハラしていたため、食いしん坊疑惑は置いておいて少しほっとした。
その誤解を受けたらすぐさま割らねばならない。
似合わないし、気恥ずかしいし、なんだか、……。

こちらを見遣るボタンの瞳。
もう一回やってみる、と宣言する。

ピギーのアドバイスにひとつひとつ頷きながら、ああでもないこうでもない、頭の中で右往左往。
ただ次第に集中できるようになると上達は早い。
触れ方は変わらずともしっかり手のひらで包み込めるようになり、実際に手は動かさないが、繊細なお菓子を作るようにこね、クリームをかき混ぜるように色を足していく。]

衣代和かほ

　…………あ、できた……っ


[容器に残った最後の泡玉液。
そのチャレンジで出来上がったのは。

夜明けの空のような桃色の、ウサギの形だった。**]

きぐるみ ピギー

[あれこれがんばってアドバイスを受けながら徐々に上達していく>>202
そんなイヨリの姿を見守り、最後に満足のいく出来>>203のものをみて桃色の兎となった風玉をみて]

　よくできてるな。…でも……やっぱお腹空いたのか。

[ハート型と勘違いしなかった弊害はこんなとこにもでるのであった**]