7 【誰歓RP】少年合唱団“ユズリハ”の風【ソロル有】
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在団生 バラニ
[今回の卒団式が普段と雰囲気が異なるわけではない。
>>0:167卒業する大好きなお兄ちゃんおねえちゃんに声を掛けられて既に涙ぐんだり、泣いている子はいて、ここがお別れの場なのだと感じさせていた。
いつもは別れの時間が近づくにつれて少年も頭を撫でられたり、抱き着いてわんわん泣く頃で。
無理をしているかどうかと言えば、していないわけじゃないけれど、少年は今回こそは大丈夫だと。
皆と同じように見送ってみせるのだと自分に言い聞かせていた。
>>9落ち着いたように見える少年の様子に、彼女が何を感じたかは分からない。
声を掛けられれば、]
うん、でもチョコはポケットに入れておいたらとけるかな？
[と心配したり、魚のパイ、誰が持ってきたのかな、と聞いたり、
母のお手製のクッキーを勧めてみたりしただろう。
何かを取ってくれる、と言ってくれたのなら、テーブルの真ん中にあるエッグタルトー少しだけ遠くて取りにくいーを取って貰えるように頼んでみた。]
在団生 バラニ
[お菓子に取られた水分をオレンジジュースで癒し、投げかけた言葉。
女の子は16歳まで合唱団にいる事が出来る。
けれど他にやりたい事が出来たり、引っ越しだったりといった理由で退団するケースがある事を少年は知っていた。
今日は少し退団する人が多いものだから、少しだけ不安になって、安心を求めるように聞いた質問だった。
>>10返ってくると思っていた肯定はすぐに発せられなくて、横たわる沈黙に心臓がどきりとする。
落ちてきた呟きは肯定ではあったけれど。]
……えっ。
[逸らされる前に見えた少年の顔は驚きを映していただろう。
──純粋に驚いていた。
彼女は歌が上手いから、辞めるとしたら年齢制限のルールに引っ掛かる時だろうと何処かで思っていたのかもしれない。]
在団生 バラニ
……そっ、か。
[>>11その後に大丈夫だよ、と言葉が重ねられたが、こちらも何となく彼女の顔が直視できなくなって少年は床に視線を落とした。
>>12先刻のように良かった、とは笑えない。
そうして先程の言葉を反芻していた。
今はいる心算、という事は、彼女の心持ち次第ではいなくなってしまうかもしれないという事。
先程の彼女の様子は少年の知るものではあったけれど、ほんの少しだけ違うような気がした。
──彼女も辞める事を考えている？
歌が嫌いになったのだろうか。
それとも他にやりたい事が出来たのだろうか。
聞きたいけれど、聞くのが怖い。
少年の表情は僅かな混乱と戸惑いを映していた。]**
卒団生 アレウス
[今まで何人が歌い、何人が去った歴史]
（僕もその一人で）
[自分やヴァネッサ、ナタリーとバラニ、ミリアに他の子たち。]
[永遠だと思うものが永遠でないと知った子供は強いと
祖父の言葉を思い出す]
卒団生 アレウス
[ 風よ 吹け吹け 子らの上
遠く"ユズリハ”の風を征け
同じ場所で共に練習した
志は違う子も同じ子も、年も性別も隔てない
隔てるものは自分の心から生まれると
教えてくれたのは──────**]
在団生 ナタリー
ｰ現在･お別れ会ｰ
｢どうだろ。溶けちゃうかなぁ。
ポケットじゃなくて、鞄なんかに入れといたら？｣
｢えっ。これ、お母さんが作ったの？
いいなぁ。お菓子作れるんだ。
ちょっともらっていこうかな。｣
[自分の持ってるポシェットを見せながら。
鞄持ってる？と促して。
食べたいと要望があれば。
エッグタルトを取り分けて、皿をバラニに手渡して。
お手製のクッキーは、小包にちょっともらって。
ポシェットのなかのお菓子たちをよりわけて、そこにしまった。]
在団生 ナタリー
ｰ回想･"ユズリハ"ｰ
[音楽を愛する両親、物心つくころには、音楽はいつもそばにあるものだった。
音楽講師である二人は時々家でも音楽教室を開いている。
だからなのか。言葉を話せるようになれば、自然と歌い方だって覚えていた。
"音楽は心を豊かにしてくれる"。
それが両親の口癖だ。
みんなを"ユズリハ"に入団させたのも、二人なりに"こどものためになること"を考えた結果らしい。]
在団生 ナタリー
[そんなこんなで。
"ユズリハ"に入団したてのころは、それほど思い入れがあるわけじゃなかった。
みんながお稽古してるから練習にも参加する。
誰かに誉めてもらいたいから歌う。
…くらいの認識だった。
ナタリーにとって、歌は言葉そのもの。
口を開けば出てくるもの。
ほんとうに、それだけだった。]
在団生 ナタリー
[でも"ユズリハ"で過ごすうちに。
いつの間にか、歌うことがすごく大事なことになった。
楽しいことや嬉しいこと。
悲しいことや驚いたこと。
新しいものを知るたびに、世界はどんどん変わっていった。]
在団生 ナタリー
[ナタリーも変わった。
どんどん練習するようになって。
お家の教室でも、お手本を誉められることが増えていった。
みんなで歌う楽しさを知って。
もっと、一緒に歌いたいと思えるようになった。
そのためなら、いくらだって頑張れるような気がして。
それは全部"ユズリハ"がプレゼントしてくれたものだった。]
在団生 ナタリー
ｰ現在･お別れ会ｰ
[どうしてなんだろう。
イヤなことだってなかったわけじゃないはずなのに。
こうして、思い出すのは楽しいことばっかりだった。
やっぱり。
"ユズリハ"が大好きなんだ。
ずっと、"ユズリハ"にいたいって思うほどに。
でも。
いまは、おんなじくらい、"ユズリハ"にいたくないって思ってしまう。]
在団生 ナタリー
[いつか。
わたしも"ユズリハ"を、やめなくちゃいけなくて。
それはもう、どうしようもなくて、しょうがないことなんだって。
すごいイヤだし。
たぶん、受け入れることなんて、できないんだけど。
でも。そのときがくるまで。
わたしはあと何回、さよならを繰り返せばいいんだろう。]
在団生 ナタリー
[みんなはきっと、どんどんいなくなっちゃう。
やめたくない、けど。
みんながやめていくのも、もう、イヤだった。
卒団式に参加しなければ。
こんなふうにならなかった、かもしれないけど。
これで最後なんだって思ったら。
ちゃんとお別れしたくって。
そのたびに心は重くなっていった。]
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