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――はーい、お待たせ〜アルバート!
それじゃあ町までよろしくね〜!
……ホント、今回も、我儘聞いてくれてありがと。
「気にすんな気にすんな。
この仕事が終わったら当分、オマエのお守りから
解放されて、清々するって解ってンからなァ?」
うわ、何その言い方〜ひど〜い!
だったらー、次帰ってきた時には
一匹狼気取りのキミなんかじゃなく、
ボクの新しい友達に頼んでやる!
「……、いやホント、良かったわ」
うん? 何か言った?
「別に?」
[
書き換えられた「墓守」の使命の下に、
コード作成者による「遺言」も
追加されていたということに。
コメントアウトの形で記されたそれは、
文字数は幾らかあるものの容量は小さく、
プログラムの内容を妨げないもの。
それ故に、コードを参照できる者以外には、
その「
――気づけないが、それでも護符の如く、
躯が荼毘に付されれば、
未練断ち切った霊魂は天へ送られる
キミやこの島の人々の中に
この認識/信仰が無いと解ってはいる。
それでもワタシはここに書き残す。
灰塵を埋めた墓の下に、ワタシはもういないのだと。
キミの人格の中に遺された好奇心が、
大いなる旅路へ赴いた“おさなご”の心が
花開き、新たな旅や帰路を望むならば、
ワタシは喜んでキミを送り出す。
だからここに、ワタシはキミへの願いを遺す。
キミの同胞/同じ機械の喪失の孤独を
人類に過ぎないワタシに少しでも繕えるのなら、
キミの記憶の中でワタシを生かしてほしい。
けれども、キミとこれから出会う仲間/機械が
キミの孤独を癒してくれるなら、
ワタシの記憶は削除して/忘れてしまっていい。
UT-Xng-3C/イサリビ、
キミに出会えて、幸せだった。
ありがとう。 キミを、愛してる。
もしかして、タリアのこと知ってるの?
[それは僕にとって予想外でも、嬉しいことでもあった。
ぱちり、瞬くように青色を明滅させたあとは、
僕とタリアがこれから一緒にすることを知って欲しくて
上機嫌な高めの音声で、これからのことを話す。]
ええと、あの、かどうかはわからないけど……
ぼくの知ってるタリアには役割がもうないんだって。
でもね、役割がないからこそ、できることがある、
何かをこれから見つけられるって、そう言ってた。
僕の、人間探しを手伝ってくれるかわりにね、
僕もタリアの見つけたいもの、一緒に探すんだ!
世界は、僕一人じゃ見きれないぐらい、広いから
タリアの見たいものも欲しいものも、みつかるよ!
[それは、きっと、なんて願うような言葉じゃない。
絶対に見つかるんだ。僕はそう信じていたから。
最後ははっきりと、そう言い切った。]
Piッ!
タリアならイサリビとも、友達、なってくれるよ。
僕も2人が友達になれば嬉しいし……!
うん。よろしく!どこにいても、友達!
離れていても、何をしていても!
だからイサリビも、困ったら連絡してね。
GLのこととM-Doc379のこと、教えてくれたように
僕もイサリビに、何かあれば教えたい!
[もう、タリアもイサリビも友達になれると信じてたから
気が早いなんて、僕は考えることもなく。
『友達』からの言葉に元気に返事をして、
笑うようにランプを光らせたんだ。]
[次の日は、タリアが来たらすぐわかるように。
朝早くから外に出て、青いランプをぴこぴこ光らせた。
もし、そこに羽根の生えた子が飛んできたならば。
その人からは、それはそれは嬉しそうな、
その場で何度も浮き上がってアンテナを小さく振る、
丸くて背の低い、掃除機メカの姿が見えただろう。]
タリアー!!来てくれて、ありがとう!
やっと会えた。僕の、友達!
[もし、彼女が地上に降りてきたら。
その丸いメカは彼女に勢いよく飛びついただろう。
そのメカには表情というものがなかったけれど、
ランプの色や、アンテナの動きや、音声の調子、
飛びつく際は全部で嬉しさを表現しながら―――]
[落ち着いた頃に送信されたメッセージ。
タリアの目の前でアンテナを光らせて送信した後
僕は悪戯っぽく、PiPiPiと笑った。
そうして―――]
いつか、この広い世界の何処かで
[バッチリメンテナンスを受けて、
イサリビと出会え、タリアとも会えて……
そんなあの日の記録はバッチリロックをかけてある。
今でもよく見返すぐらいには、大好きな記録だ。
あれからもずっと旅は続けている。
SAW-GLの噂はちょくちょく耳にするけど、
いつも間が悪く、すれ違い続けているままだ。
僕は、人間に仕えていた頃の記憶が知りたかった。
GLを探していることと同じで、それも今も変わらない。
でも以前に比べ、GLに会うことは、
この旅を続ける理由としては薄くなっていた。
相変わらず、旧人類は見つからないまま。
僕の探し物には出会えていない。
こっちだって今も諦めちゃあいない。
絶対にどこかに生きてるって信じてるけど……]
[どれだけ見つからなくても。
以前みたいに落胆することはなくなっていた。
その理由はハッキリしている。
僕に、見たいものや行きたい場所が多く出来たこと。
"世界を見て回ること" が、想像以上に楽しいこと。
そして、何よりも……今の僕は1人じゃないことだ。
旅をしている最中に、どうしようもない孤独感を
感じることは、ぱったりと無くなった。
あれからメッセージをまた送ったりして、
世界には僕とやりとりしてくれるメカがさらに増えた。
……それだけじゃない。
今の僕には、心強い友達が一緒にいるんだ。]
[僕は町を走る。
町で見つけた宝石のような石をアームに掴んで
最高速度で、あるひとの元へ向かっている。
その友達の姿を見つければ、嬉しさに青色を点滅させて、
駆け寄りながらアームを振った。]
タリアー!みてみて!!綺麗!
この町、人間は居ないけど……
その代わりに!あっちに、光る石が沢山あったんだ!
そこにはこの辺りに詳しいメカも居たから、
いろいろお話、聞けると思う!
[人間は滅亡したと言われているけれど、
どこかで生きている可能性はまだあると信じてる。
新人類と言われる幼子だって、きっと、居る。
楽園の花園にだって、近くに行ったら絶対行きたいし、
他にもいきたい場所は沢山ある。]
[ 一昼夜を越え、朝陽が昇るころ。
彼女は座標◆▽-×の港町の近くまでやってきていた。
SAW-GKから受けていた注意喚起を思い出す。]
(町に降りたら、挨拶は、忘れずに……)
[ 徐々に整備技師M-Doc379の拠点が近づいてくる。
『
早鐘を打っているかのようにせわしなく動いている。
はやく、はやくとこの身を急かす。
そのうち、青いランプをぴこぴこと光らせた円盤型の機械が視界に入った。
彼女は紫の瞳を見開き、そしてすぐに細めて微笑む。
そうして、嬉しそうに飛び跳ねる丸くて可愛らしい、
初めての「友達」の前に降り立つだろう。]
お待たせしました、SAW-GKさん。
私の、友達!
[ 飛びついてきた丸いメカを難なく受け止め、彼女も同じように
嬉しそうに笑い、彼を抱き締めたままくるくると回り、空へと飛び上がる。
喜びを分かち合っているその間に携帯端末に届いたメール2通、
夜鷹の彼と、墓守の彼──イサリビ、
これから出逢う2人目の「友達」のメッセージに、また再び顔を綻ばせるのだ。」
[ 嘗ての私達の記憶の欠片が、もしかしたらどこかに散らばっているかもしれない。
それも見つけてあげれたらいい。
そうして、この広い世界の中を巡り巡って、いつか形作られ出来上がる私の、未来。
私が私であるための、私だけの物語を。]
[ クリアに響く上機嫌な音声でGKが話す
タリアのこと、そしてこれからのことが
先程のタリアからのメッセージと符合し、
イサリビはうんと頷きを返す。 ]
うん、ボクが言った「タリア」は多分、
キミの知ってるタリアと同じ!
[ 旧人類の滅亡については、先程の通信で
彼女も自分も言葉にしていたことだが、
それでも彼女もまた「人間探し」の夢の
力になろうとする「友達」なのだ、と、
GKが言い切った言葉から、イサリビも想う。 ]
そうだね、タリアの欲しいものも、
見つかるように……ううん、見つけられるよ!
ひとりきりじゃ回り切れない世界だって、
ふたりなら――ボクも入れて3機なら、
誰も知らなかったことだって、きっと判っちゃうって!
[ と、自分のことになるときょとりと瞬くも、
すぐに、にっと笑い返した。 ]
うん、連絡する。困った時はお互い様だし!
その時はさ、ボクも何かとっておきのお礼、
お見せしちゃいたいな〜。何かいい技術身につけなきゃ……
[ 実に気の早い調子で頭を捻りかけたその時、
ふと浮かんだ記憶のことを、GKに口にする。 ]
……あのね。この前の通信で言ってた
「イサリビ」の由来のこと、なんだけど。
ダニー……例のプログラマーの故郷は
ここよりずっと離れた国だったんだけれど。
この町で昔行われていた夜の漁は、
なんだか故郷のそれと似てた、とは言ってたんだ。
今はもう、漁は行われなくなっちゃったけれど、
技師先生が過去の映像データを持ってるはず。
なんかダニーん
後でさ、一緒に見せてもらっちゃお!
[ そのためにはきちんと今の手伝いも努めねばと、
お喋りに興じながらも、ほんの少し
焦りの色を意識してしまうイサリビだったという。 ]
[ その翌日――。
修理工場の業務が入ってきていない時に、
イサリビは外へと、2本の脚で駆け出す。
時はすでに夜明けを過ぎ、
朝のひかりが空に輝かしく広がり満ちた頃。 ]
おっはよーう、GK!
――来たんだね、タリア!
[ GKを抱きしめてくるくると回り、
空に飛びあがった彼女の背には羽。
ふたりを見上げながら、イサリビはぱっと笑って、声を乗せる、 ]
改めて、ボクはUT-Xng-3C!
人間からの愛称は、イサリビ!
―――よろしくね、ボクの、新しいふたりの友達!
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