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21 【完全RP村】夜間飛行で追い越して
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― リベルテ降機前:たまごぼーろおじさんと ―
(大人の男の人って、凄いなぁ)
[じゃあ大人の女性は凄くないのか?と聞かれれば違います!と全力否定するのだが、今の私の脳内はそんな感じ。
スーさんもツァリーヌさんも、仕草がさり気無くてスマートで…、なんだかとっても凄く凄い!>>164
語彙力っ!]
(226) mzsn 2024/06/05(Wed) 22:05:06
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[>>165>>166
お守りのようにそこに在ったハンカチは、無事持ち主の元に帰って行った。
私はそれに安堵する。
返せたことも勿論そうだが、自分が悩んだと言う事を、彼に聞いて欲しかったから。
私は、瞬きを繰り返すツァリーヌさんの目をじっと見上げる。
彼が膝を軽く折れば、目線が随分と近くなる。
縮まった距離に、何だろうと目をぱちくりさせていれば、そっと頭を撫でられたから。>>168]
(227) mzsn 2024/06/05(Wed) 22:05:19
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…うん、ありがとうございます、
ふふ、嬉しい
ツァリーヌさんの人生も、
沢山良い事がありますように
[どこか懐かしいような、そんな言葉。ぎこちない笑みさえも嬉しくてたまらない。
けれど暖かな時間はあっという間に過ぎていく。
案内の為やってきたペンギンアンドロイドをぼんやりと眺めながら、彼に贈るべき言葉を幾つも探す。>>169
だって、再びお互いの人生が交わる確率は、ほんのわずかな物だから。]
(228) mzsn 2024/06/05(Wed) 22:05:44
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…あの!
凄く変なお願いだと思うんですが――、
――奥さんとお子さんと一緒に
ずっと元気で、仲良しで、
そして沢山長生きしてください!
おねがいします!
[当たり前の事かも知れないけれど、私にとっては当たり前では無かった事。
一礼して去って行く新米『お父さん』の背中にそんな勝手な『お願い』を投げかけて、彼の姿が見えなくなるまで見送っていただろう。*]
(229) mzsn 2024/06/05(Wed) 22:06:39
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[一歩、踏み出す。
宇宙船リベルテから、ホワイト・マーブルの大地へと。
私と言う存在は確かに此処に。
だから、だからこそ――、これからも歩いて行けるんだ。]
(314) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:01:53
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― ホワイト・マーブル宇宙港 ―
もしもし、母さん?
うん、大丈夫
ちゃんと着いたよ
[既に到着口で待機しているらしい母さんと連絡を取りながら、小型端末片手、私は広い宇宙港の中を歩く。
肩からズリ落ち気味なバッグを時折よいしょと引っ張り上げ、サインボードを頼りに窓口へ。]
荷物、ほとんど預けてあるから
今から窓口で手続きするね
[ターミナルから出る前にする事は沢山。
荷物は自宅配送では無く、母が運転してきた車に詰め込む予定。
配送を頼む程では無いボリュームを思い出しながら、港内アンドロイドにカートの手配を頼んだ。]
(315) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:02:22
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[旅の終わりは想像よりも呆気ない。
私はターミナルのロビーから、白くて広い地平線を見渡す。]
着陸場、遠いな…
[乗ってきた宇宙船リベルテは随分遠くに。
広いガラスの前に突っ立って、暫しの間懐かしい一時の家を眺めていた。けれど人を待たせている事を思い出せば、空のカートを押す私は急ぎ足でその場を後にする。
そのまま窓口で荷物を受け取れば、今度こそ到着口へ向かうのだ。]
(316) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:02:41
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[ホワイト・マーブル宇宙港を歩く私の色彩は、淡い花のように。
いままで着る機会の無かった柔らかな布地が空気を含めば、なんだかスースーして、それと少しくすぐったい。
慣れないそれではあるのだけれど、胸を張って歩けばなんて事は無いのだ。
だってこれは、私が選んだ私だから。]
今、到着口出たよ
[端末越しそう言って、人混みの中に居るであろう母さんを探す。
白い靴でつま先立ちをすれば、少し高い身長はもう少し上へ。自分より背の低い女性を見つけるのは難しいなと、困った顔できょろきょろと何度も周りを見回す。]
ちゃんと!居るってば!
白い服と!ピンクのズボン!
[私を見つけられないと言う母さんに、私は着ている服の色を伝える。
服が変わったぐらいで娘を見つけられないなんて失礼しちゃう――、と思ったが、此処まで変わって居ればソレも仕方ないか。
襟足をアップにしたが故、スースーする首筋をたまに気にしながら大きく手を振れば、やっと母さんの顔を見つけられた。]
(317) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:03:28
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[本当は今すぐ駆け出したかったのだけれど、カートを押したままでは危ないから。だからゆっくりと歩み寄り、懐かしいその人にぎゅっと抱き付く。
シャンプーの香りは変わってしまったようだけれど――、嗚呼、間違いなく母さんだ。
転勤とハイスクールの日程がまるで合わず、5か月は離れて暮らしていた私達。
連絡その物は取っていたけれど、ラグのある映像通信とリアルは別物だから。]
来たよ、母さん
[始めて来た土地だと言うのに、もうこんなにも懐かしい。
けれどすっかり変わった私に母さんは驚いた顔をしていて、「どうしちゃったの?」なんて聞いて来るから。
そんな彼女の顔がとっても可笑しくて、私はくすくすと笑ってしまう。その事に、母さんはまた驚く。]
『レット、貴女――、』
…笑うようになった
そんな感じ、かな?
[私は今まで、ずっと世界を、自分を諦めたような顔をしていた。
けれど、もう違うの。]
(318) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:04:14
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『服も、それに髪型も……、
何か良い事でもあったのかしら』
[そう言って微笑む母さんの前で、私はくるりとターンしてみせる。それは何時かのアーネスト師匠のように。どう?私、カッコいいでしょう?そう言わんばかりに自信を持って。]
良い事、沢山、沢山あったよ
素敵な旅だった
[本当に良い旅だった。大切なモノを沢山詰め込んで、私と言う存在は此処に在る。]
『…大きくなったわね』
[目を細める母さんに、私はふふんと胸を張って。]
だって母さん、
私、もう直ぐ19だよ?
[誕生日はもう、すぐそこ。
そう言って満面の笑みを贈れば、母さんは少し涙ぐんで、それでも笑ってくれた。
荷物カートを押しながら、私は思い出を語る。話しても話しても話足りないそれらと一緒に、私達は行くべき場所へ。帰るべき家へ。]
(319) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:05:17
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ねえ母さん、
私、新しい通信端末が欲しいな
[なんだか急に、地球に残してきた友達と連絡が取りたくなったから。
ラグがあるとはいえ、今の端末よりはずっとマシになるだろう。]
それと、ジムにも通いたい
[自宅となるタワーマンション一角にある施設を思い出しながら。
やりたいことは他にも沢山ある。けれど、これから少しづつ始めて行けば良い。
だって、私の人生はまだ続くから!]
(320) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:05:59
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[私は、慣れない白い靴で歩き出す。
足取りも軽やかに、へたっぴなスキップを交えて。
私と言う存在は今、きちんと此処に在るから。
だからもう大丈夫。*]
(321) mzsn 2024/06/06(Thu) 23:06:20
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