情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
翌朝、 上官 アドニス の死が告げられた──……。
夜が明け、村人達は互いの安否を確認する。
どこからか上がる悲鳴。
村人の一人が、凄惨な赤い跡を震える指で示した。
噂は真実だったのだろうか。隣人の顔すら歪んで見える。
猜疑心に苛まれた村人たちは、怪しい人物を排除する事にしたのだった――…。
現在所在が確認できるのは 社長 ツァリーヌ、 望郷 グリーディア、 一人旅 レット、 籠の鳥 ドルチェ、 かたわれ リーン、 小説家 サンシア、 曇硝子 スイッセス、 有象無象 シャム、 渡航者 カラント、 さすらいのライダー アーネスト、 夢想家 コラーダ の 11 名。
─ スポーツジム ─
[やってきて早々、突然のお願いをした私にアーネストさんは快諾を返してくれた。>>1:349
伸ばされた手で頭をよしよしと撫でられたのは
あまりされたことが無かったからびっくりしたけれど
嬉しかったからそのまま撫でてもらって]
良かった、それじゃあ…
あ、その前に汗拭かないと風邪引いちゃうね。
[アーネストがランニングを終えたばかりだったと思い出して
ペンギンさんAIが来てくれたのに手を振りベンチに移動し、
アーネストと並んで座って連絡先の交換を済ませたのだが]
え…?
[アーネストからの問いかけ>>1:351に、
何を聞かれたのか理解するよりも早く冗談だと言われて
話が切り替わってしまった]
[そのままアーネストから小説家になった理由を聞かれ>>1:353、
彼女がスタントマンになった理由も聞き]
私が小説家になったのはねぇ、親に言われたからなんだ。
ひいおじいちゃんの名前を出せば多少は売れるだろうって。
勿論、今は自分が書きたくて書いてるから
ひいおじいちゃん様様だけどね。
[稼げるから、というのは裏を返せば稼ぎたい理由があって、だろうか。
そんなことを思いながら、聞かれたことに答え。
少しの間を置いた後]
私ね、今日カラントさんともお話してて。
その時アーネストさんのこと考えて、笑ってる顔が浮かんだの。、
それだけで何だか心が軽くなって
ヒーローに救われた人ってきっとこんな気分なんだろうって思った。
でもね、
じゃあヒーローは誰が救ってくれるんだろうとも思って、
咄嗟に答えが出なかった。
[脈絡も無く切り出した話は、さっき彼女が切り替えて
無かったことにした話題のために]
探すよ、アーネストさんが居なくなったら勿論探す。
でも、その前に話してほしい。
いなくならないで、助けを求めて欲しい。
[隣に座っている彼女に手を伸ばす。
避けられなかったら、傍らの手を握り、包んで。
手を引かれたなら、その場でぎゅ、と握り拳を作り]
ヒーローが人を守ってくれるなら
人だってヒーローを守らなきゃ不平等だよ。
だから、ヒーローだって
助けが必要な時は、助けを求めなきゃ
…守った人のことを、
ヒーローが傷つけることにも成り得るんじゃないかな。
[笑って流されたことだ、
私に踏み込まれたくない事情かもしれない。
でも、たとえifであっても彼女がいなくなるような不安を抱えているのなら。
私には関係ない、無責任な言葉だと思われても、
たとえ自分相手じゃなくても助けを求めて欲しいと願い、握った手に力を込めた*]
─ いつかのスポーツジム・レットさんと ─
[さて、その日も私はペンギンさんなトレーナーの
「良いよ良いよ。キレてるよ!大腿筋が喜んでるよ!」
なんて声に乗せられて限界のギリギリまで頑張っていた。
もう無理、という声も出せない位へとへとにへばって
いつものようにペンギンさんが運んできてくれるタオルを受け取ろう──としたところで、あれ?と思ったのは人の声>>0だったから]
あ……
ありがとうございます、
[いつもお疲れ様という言葉に、自分がいつも体力切れを起こしているのを知られてるという気恥ずかしさを抱くも
差し出されたタオルと親切はありがたく受け取り。
やっと顔を見る余裕くらいの体力が戻れば、彼女もジムでよく見る人だと気付いて]
こうしてお話するのって初めてですね。
私、サンシアって言います。
タオルありがとう、助かりました。
情けない話だけど、
いつも動けなくなっちゃうから自分で取りに行けなくて。
[ペンギンさんが届けてくれるより早く渡してくれた彼女にお礼を言って、
レットと名前を教えてもらった後は、顔を見かければ話す間柄になれた。
食堂や展望施設などでも、何度か顔を合わせる機会はあったから、その度に他愛ない会話を交わせただろう*]
本当だ、懐かしい。
小さなころ、読んだなぁ…
もう明後日には降りるから
借りてたものを返しに来た所なんだけど、
私もちょっと久しぶりに読みたくなっちゃうな。
[グリーディアさんの持つ本そのものでなくとも、
少年少女が冒険をする物語は今昔問わず数多にあるものだ。
先日カラントに話した通り、
船内で片付けようと予定していた仕事の目途はついたから
何か借りるのも良いかもと笑って合槌を打った*]
─ スポーツジム ─
うん。
私も、頑張って書いたから
面白いって思ってもらえたら嬉しいなぁ。
[過去に出してきたものはともかく、
『宙色の鍵』は主人公と同じ世代から読んでも楽しめるように
意識して書いたものだから、面白いと思ってもらえた方が良い。
アーネスト>>36に同意しながら、
自分が小説家になった理由も続けて話し]
んー、どうかなぁ。
私以外の家族が書いてるのは見た事無かったから
血筋かどうかはよくわかんないや。
[彼女の反応に返した答え>>37は、曖昧なものになった。
仮に他の家族も物書きであったなら、離れることも無かったかもしれない。
家族の中で自身が異端だったとは言葉に出さないまま]
最初はひいおじいちゃんのお陰で、ってよく言われたけど
実際ひ孫って話題性が無かったら注目してもらなかっただろうし
話題性がある内に沢山書かせてもらえたお陰で
今こうして自分の好きなことさせて貰えてるからね。
[噓無く自分の好きなことをしているのだと笑って答えた後
アーネストがつい先程流した話を引き戻したのだが、
ヒーローは誰が救うのか。
私が出した疑問は、アーネストからも分からないという答えが返った>>38。
重ねて続けた私の言葉に、
今まで私に見せてきた快活な笑みとは違う困惑が表に出て、
困ったな、と眉を下げて笑う顔は、初めて見るもので>>39。
彼女の手を自分の両手で包み込んだまま、
いままできっと笑顔に隠されていた、その言葉>>40を聞いて]
[そうして落ち着いた彼女から話された事情、
彼女と同じ孤児である、妹を助けるためにこの船に乗ったこと。
その話を、手を握りあったままに聞いて]
…アーネストさん。
助けてって手紙を受け取って、
すぐにこの船に乗ることを決めたんだよね?
じゃあ、少しでも早く妹さんの所在を確認しよう。
そういうこと調べてくれる人、私の担当さんに伝手を頼めるから。
それで妹さんの今の状況を把握した上で、保護に動こう。
悠長な手に思えるかもしれないけど、私はこれが最善だと思う。
[聞いた事情から私が提案したのは、
アーネストさんが直接動くことは少ないだろう方法。
彼女はどんな顔をして聞いていたか、
私はそれから目を反らさぬまま、まっすぐ見つめて]
…妹さんが助けを求めたのは、
おねえちゃんっていうヒーローでしょう?
どんな屑でも一般市民に手を挙げたら、
それはヒーローじゃなく犯罪者になっちゃう。
どれだけ腸が煮えくり返っても、
相手の男と、暴力野郎と同じ土俵に立たないで。
妹さんのヒーローで、いてあげて。
[アーネストが妹を弄んだ男のことを殴るつもりでいたと話の中で聞けたか。
聞いていなくても、一人で助けに行くつもりでいたなら、
きっと彼女は殴り込みでもしようと考えていたのだろうとは推測出来たから。
妹さんが救いを求めたヒーローを貫く為に堪えて欲しいと願い、言葉を重ねた**]
─ 前日・スポーツジム ─
えへへ、そうだと嬉しいなぁ。
[私の言葉に悩ませてしまったか、
頷きの後に続けられた言葉>>55はちょっと間が空いた気もしたけれど
笑顔を返してくれたから、自分も正直な笑顔を返し。
それから、アーネストさんから向けられた初めての声、
助けてって言って良いかという確認に一も二も無く是を返した。
ありがとうという言葉と、陰っていた表情が和らいだ>>56のを見ながら
アーネストさんが詳しい事情を打ち明けてくれるのを待って>>57]
ダメだよ、
だってアーネストさんが殴っちゃったら
妹さんが自分でやり返す機会が無くなっちゃう。
[ダメなのかい?としょんぼり項垂れた彼女に
柔らかく笑って返したのは、こんな言葉]
あ、やり返すって言っても妹さんに相手を殴らせろって訳じゃないよ。
もう関わりを断つのも含めて、相手に責任を取らせないとってこと。
勿論、妹さんがもう会うのが怖いとか、
そんなことしたくないとか言ったら
無理強いまですることじゃないとは思う。
でも相手の男に立ち向かうか、
選ぶことすら出来なくしちゃったら
妹さんが自分を守るヒーローになれるかどうかすら、
分からなくなっちゃう。
[そう言ってアーネストさんの顔を見つめ
返事を待っていたら、迷いながらも頼っていいかと聞いてくれた>>58。
頭を下げて、妹のことを任せる、と言った彼女>>59に
信じてくれたことに感謝を込めた頷きを返した後]
うん。妹さんのことは任せて──…
だけど、アーネストさんも待つだけじゃないよ。
一番大事な仕事は、アーネストさんにしか出来ないんだから。
[にこっと笑って、握ったままの手を軽く振ってみせる。
そうして、穏やかな顔で微笑む彼女に問うように見つめ]
妹さんを迎えに行くのは、アーネストさんも一緒にだよ。
妹さんが今どんな状況でいるのかは分からないけど、
助けて欲しいって願ったのはアーネストさんになんだもん。
ヒーローは戦うのが目的じゃない、
助けてって声に応えるのがヒーローでしょ?
[問うように首を傾げ、片目を瞑って見せた後]
それに、アーネストさん
今日までずっと妹さんのこと信じて待ってたんでしょ?
だったらもう待つ必要なんてないよ。
ホワイト・マーブルに着いてすぐ動けるように
急いで調べてもらうから、
そこは、信じて待っててね。
[そういって笑いかけることで、
アーネストさんの不安をまた少し和らげることは出来るだろうか。
ともあれ、助力の了承を得られたわけだし善は急げと
ジムに来て早々船室にとんぼ返りして、出版社の担当に連絡を取った。
嫌らしい言い方ではあるけれど、金銭を惜しまなければこういったことは早く済む話だろう**]
─ 前日・図書室 ─
そうだねぇ。
きっと、何度も読み返したくなる物語だから
今日まで愛されてきてるんだろうね。
[グリーディアさんの手にある本は、それこそ気が遠くなるほどの年月を経ても人気の陰りが無いものだ。
そう考えるとすごいことだなと思っていたら、ふと私の本の話題に水を向けられて]
私の本?
あぁ、うん、置いてくれてたよ。
…もしかして、読んでくれる?
もしそうならね、直近で出した本の感想が貰えたら嬉しいな。
初めて書いたジャンルだから、反応が知りたくて。
[グリーディアさんと話をしながら、
私の本も、遠い未来に残る程愛されてくれたら良いなと願い、
グリーディアさんの愛書の中にも入れたらいいな、と交わした約束にひそり願いを込めた**]
─ いつかのスポーツジム・レットさんと ─
あはは、慣れないとペースってわかんないよねぇ。
私は調子に乗っちゃうから、余計に止め時を見誤っちゃって。
体力がついたら、もうちょっとマシにはなれるかなぁ。
[初めましての時>>148はこんな風に苦笑いを返したけれど。
何度か顔を合わせて、言葉を交わすを経ていった中で
彼女と話す内容も変わっていった。
浮かない表情を見て、どうしたのかと問いかけて
彼女がホワイト・マーブルに行く理由とか
将来とか、交友関係などの、彼女自身の事情を聞いたり>>149。
それに応じて、私も自分が作家業をしていること、
家族と離れてホワイト・マーブルに移住すると決めたことを話したら
レットから教えてほしいと尋ねられた>>151から]
どんな感覚、か…
正直に言うとね、
私、書けって言われたから書かなきゃ、が最初だったから
生み出すって感覚で書いてはいないの。
今度はどんな人を書こうかな、とかそんな位。
でも、そうだな…
私の書くものを読んで
この主人公は自分と同じ気持ちだ、
自分一人じゃないんだって。
そう思ってくれる人に届いたら良いな、
って気持ちで書いてはいるよ。
[そう言って笑って返した後]
あとは、えっとね。
私、一人の人の生を書き切ったことは無いの。
物語が終わっても、
本の中の世界は続いていくように
そこで生きる人達の道も続いて欲しくて。
[長きに渡って一人の男性の生涯を書き切った曾祖父と違い、
私は単作しか書いたことが無い。
宙色の鍵の主人公だって、未知の世界に踏み出す所までで終わっている。
だって少年が困難を経て掴んだ未来は、少年だけのものだ。
私が生み出した彼ら彼女らを送り出すことが、私の書く理由だとしたら]
永遠に続くものはあるんだ、って
一人でも思って欲しくて書いてるのかもしれないねぇ。
[我ながら夢想家だな、と苦笑を浮かべた**]
─ 前日 ─
[私の言葉に納得してくれたらしい、
そうだねという言葉>>194にほっと息を吐く。
ありがとう、と言ってくれた彼女に笑顔を返して]
ううん、こっちこそ
我慢してくれてありがとう。
[大切な人を傷つけられてるのに我慢しろと言ったのだ、
それを受け入れてくれた彼女に、こちらも感謝を返した後
妹さんの保護についての誤解を聞いて>>195]
妹さんの状況によっては
そうなる可能性もあるだろうけど、
出来るだけ妹さんに負担が掛からないやり方で
保護できるように動いてくれると思うよ。
だから、周辺の安全確保はプロに任せるだろうけど
妹さんを連れ出すのはアーネストさんに任せてくれるんじゃないかな。
[今まで頼んだことはないから想像でしかないけれど、
その道のプロならば安全策を選んでくれるだろう。
見ず知らずの他人に連れ出されるより身内の方が安心するだろうし、
何より妹さんが助けを求めたヒーローはアーネストなのだから。
そう伝えようと言った言葉は、彼女の笑みを明るく出来たよう>>196。
まるでヒーローだ、ヒーローだよと笑う彼女に
こちらもにこっと笑みを返して]
それじゃ、ここにはヒーローが二人もいるんだね。
なら、絶対妹さんは助けられるよ。
[今はまだ詳細も分からない、無責任な言葉ではあるけれど
信じて待ってて、との言葉も含め、絶対大丈夫だと希望を込めて言い切った。
金銭的な話はここで出さないまま終わったけれど、後でお金のことを聞かれたら私もヒーローとして助けたかったから折半で良いよって笑って返したとは余談**]
─ 翌日・船室 ─
[さて、明日で宇宙の旅も終わりという朝。
自分の端末に届くのを心待ちにしていた
調査会社からの連絡には
手紙に書かれていた住所にアーネストさんの妹さんが入院していること、
男の所在は調査中ということが記載されていた>>198。
妹さんの安全確保の為の人員は配置済で、
男への警戒も含めて警護に当たってくれていることと、
後はアーネストさんが着き次第、病院で詳細を聞ける手筈も整っているとの報に
こちらが明日ホワイト・マーブルに着く時間を返した上で
待ち合わせ場所の確認も済ませ]
『アーネストさん、妹さんの居場所わかったよ!
ホワイト・マーブルに着いたら
すぐ妹さんの居る所に行けるように
詳しいお話したいから時間ちょうだい!』
[昨日教えてもらった連絡先を早速活用して、返信を待った*]
[アーネストからの返信は何時入ったか、
男の所在は調査中だが、そんなのは後で幾らでも時間を掛けたっていいのだ。
妹さんの所在と、入院中とはいえ無事が分かったことが喜ばしく
アーネストさんと調査会社からの連絡と明日の段取りを話し終えた後は
今出来ることはもう思い浮かばなかったから、
船の中での残り少ない時間を楽しむ気持ちに切り替えた。
先ずはスポーツジムに行って一時間程トレーニングをしてシャワーで汗を流し。
食事にしようとは思ったのだけれど、
なんだか空腹ともなんとも言えない感覚だったので
食堂ではなく、カフェで軽食を頼むことにした]
─ 日中・カフェ ─
えーと、ハムサンドと
あとは…オレンジジュースをお願いします。
[席につき、注文を聞きにきた給仕係にお願いをしたのは
一口サイズにカットされたサンドイッチと、
少し悩んでオレンジジュースを頼んだ。
此処や食堂で良く漂ってきた香りがあれば、
それを頼もうと思ったのだけれど、今は無かったから]
…そういえば。
あの珈琲の香りとも、お別れになるのか。
[その香りを漂わせていた人…厳密にはアンドロイドだけど、
その人とは挨拶も含め何度か言葉を交わしたことはある。
ただ実は、自己紹介だけはしていない。
一番最初に会った時
その人が持っている本を、見てしまったから]
[あの時はまだ船に乗ったばかりで、
どんな人達がいるのかとか、一か月どうやって過ごそうかとか。
出したばかりの、初めて曾祖父と同じ土俵で戦うことになった本が
どんな風に受け取られるだろうとか、不安しか無くて。
そんな中、年配の男性がまさか持っているなんて思わなかったから
つい、名を名乗ることを躊躇ってしまったのだ。
そうして、名前を言うタイミングが見つけられないまま今日まで来てしまったけれど]
……せめて、お礼だけでも
言いたいんだけどなぁ。
[遠目でもわかるくらい、
一枚、一枚。頁を捲る指の動きは早くは無く、
けれど止まることも無く、読み耽ってくれていた。
あれだけ集中して読んでくれていたのだ、
彼が私の本をどう思ったかなんて、聞かなくたって分かる。
ありがとうと、どれだけ言葉を尽くしても足りない位に
私の世界を愛してくれたのだろうと**]
─ 午前・船室 ─
[前日、いきなりの頼みに担当さんからは訝しむ声が返ったけれど、
私のことをデビュー前から、家族の事情も含めて知っているから
友人の助けになりたいと言った私の言葉で引き受けてくれて。
担当さん経由で頼んだ依頼は
可能な限り早く妹さんの所在を特定し、可能なら安全の確保もしておいて欲しいというものだった。
信頼の置ける所を紹介してもらったおかげで、
私の依頼は滞りなく、おそらくは今出来る限りの対応をしてもらって>>218。
逸る気持ちに送った連絡は、程無く返信が届いた>>242から]
『妹さんの居る所に警護もお願いしたから
慌てないで大丈夫だよ』
[ひとまずこれだけ返した後待とうと思ったら、
そう時間が経たないうちに準備できた!という連絡が入ったから]
『アーネストさんが良ければ
そっちのお部屋に今から行くね』
[どうしても気が急いて仕方ないのだろう、
下手にこっちに呼んだら衝突事故でも起こしちゃいそうな気がして
私から彼女の元へ向かうことにした。
そうしてアーネストさんのお部屋にお邪魔して]
あのね、妹さんが手紙に書いてた住所
病院だったの。
それでね、今、妹さんはそこに入院してるんだって。
だから妹さんを保護するにしても、
妹さん本人の意思だけじゃなく
病院から退院の許可を貰えるまでは難しいかも。
だからね、
明日はホワイト・マーブルに着いたらすぐ
調査会社の人が病院まで連れていってくれるから、
妹さんの心身が今どんな状態か説明を受けることから始めましょうって…あ、そうだ。
アーネストさん、妹さんからの手紙は持ってきてるんだよね?
その手紙が妹さんの身内だって証明になるから、
アーネストさんにはそれを持参した上で病院に同行してくださいっていうのと。
妹さんの警護含めて安全確保の人員配置は既に済んでいるから心配なさらず、
笑顔で妹さんの前に出られるように体調を整えておいてください、だって。
[調査会社から届いた報告書と、明日の段取り。
担当者からの言伝を先ずは伝えて、
それからアーネストさんに向き直ると]
妹さんが入院してるのは心配だけど。
見つかって良かったね、
明日が待ち遠しいね。
[そう言って、ふにゃ、と笑って。
明日の調査会社さんとの待ち合わせ場所の確認と、
私が今回の依頼主になっているし、
助けると言った責任は最後まで持つけれど
妹さんからしたら全くの部外者だから
病院への同行はしない方が良いかな?
という点での確認だけ済ませたら、
今ここで出来ることは全部終わったと言えるだろう**]
…終わったって思いたくないっていうよりは、
親から子は生まれるけれど、
子の人生は、親のものではないでしょう?
私が生み出した物語だけれど、
物語を私の勝手にしたくはないの。
私がいなくなった後も
世界に残り続けて欲しい、終わらないで欲しい。
それこそ図書室に並んでる名作みたいに。
そういう気持ちだってあるけどね。
[そう言って笑いながら、
レットが自分の作品に興味を示してくれたなら
この名前のまま書いているから、良かったら読んで欲しいと答えて
彼女との時間を過ごしたのだった**]
─ 日中・カフェ ─
[そんなこんなで
最大の気がかりが一先ず安心出来たことで
残り少ない船の中の時間を過ごす余裕も戻った。
昨日運動しなかった分もジムで動いて、
軽くお腹にものを入れようとやってきたカフェで
休憩がてらゆっくりと食事を摂って。
思い返すのは、この船で出会った人達や過ごした時間。
昨日今日で起きたことは、思いも寄らぬことだったけれど
考えてみれば、思いもよらなかったことはその前に既にあった]
……男の人に
名前を呼びたいとか、呼んでほしいとか。
言う日が来るとは思わなかったよねぇ…
[それだけじゃない、自分から連絡先を聞いたり住所まで教えたり。そのくせ、踏み込む勇気は出せなくて。
近付きたい、知りたいと思う気持ちが空回っている自覚は、流石にある]
[今まで自分が物語として書いてきた中には、
男性の主人公は何人もいる。
机上の感情なら、いくらでも書けるし
その心理も、動きもわかる。
でも、現実はこんな、無様で不格好で]
……怖がってないで、
もっと関わり持つべきだったなぁ…
[人と向き合うことをさぼってきたツケが
今ここに出てるんだな、と
こんな時でも冷静な自己分析に嫌気を感じながら
サンシアって名を呼ばれるようになっただけでこんなに嬉しいのだから、
もっと近づけたら、少しでも意識してもらえたら。
そう願う気持ちはどんどん大きくなっていて]
─ 午前・アーネストさんの船室にて ─
[連絡を貰ってすぐに向かったお部屋では
前のめりな勢いでアーネストさんに迎え入れてもらい>>269。
テーブルの上に資料を映し出して、
何より先ずは妹さんの現状をと話したのだが]
男?
あ、そういえば…
妹さんのこと早く伝えなきゃってばっかりで忘れてた。
男の方はね、今行方が分からなくて調査中だって。
正直、妹さんが元気になるまでに見つかれば良い位で
今は妹さんのことだけ考えるで良いと思うよ。
[男が仮に妹さんの所に戻ってきても、今は警護に守られているから
むしろこちらから探す手間が省けるだけだ。
だから男のことは後回しにしていいと怒る彼女を宥めてから、妹さんからの手紙の話に移り]
そうだね、裁判にならないにしても妹さんがその男との縁を切るのに有効だと思う。
この手の案件に強い所、私のお世話になってる所から紹介してもらうね。
[アーネストさんが示したトランクに詰まった手紙>>271はそのまま持っていってもらうことになり。
やっと安心してもらえたか、ほっと一息ついた所で、
どれだけお金掛かった?と質問をされたので、
素直に請求された額を伝えたら驚かせてしまった>>272]
どういう状況かも分からなかったし、
とにかく急いで欲しいってお願いしたから。
これは私の勝手にしたことだから
気にしないで…っていうのも無理か、
アーネストさんの妹さんのことだもんねぇ。
でも私もアーネストさんのヒーローとして
出来ることしたかったからだし、
こっちの負担も半分こってことにしてもらって良いかなぁ?
[こちらの独断なのだから気にしなくていいよ、と言いかけたのだけれど
一月の付き合いだけでも分かる責任感の強い彼女にはその方が負担かもと思い。
折半でと伝えたら、応じてもらえたから]
ふふ、そう言ってもらえると嬉しい。
妹さんが、笑い話に出来るくらい元気になったら
そうさせてもらうかも。
[彼女の言葉>>273に笑いながら頷きを返し、
妹さんが見つかって良かったと更に笑みを崩したら
アーネストさんもいつもの笑顔を返してくれて。
病院の同行までは遠慮した方がいいかなと問いかけたら
見届けてほしいと言ってくれたから]
それじゃ、明日は一緒に病院だ。
ちゃんと明日も傍にいて、手も握ってるからね。
[大丈夫だよと笑って、テーブルの上で手を握った後
明日に備えてゆっくりしてね、と笑って別れた*]
…すごいなぁ。
[移住を決めた時に写真や映像は見ていたけれど
眼下に広がる光景は、その比にならぬくらいに壮観だ。
思わず声をあげたものの、
自分以外にも見に来ている人は当然ながらいると思い至って
慌てて口を手でふさぎつつ、
こちらの声が邪魔をしなかったろうかと周囲を見回した*]
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