呪術師 ライト

幼馴染のアニキ

［小さい頃の男の子なんて無鉄砲に周囲に突っかかっては弾き返されて涙目になるなんて日常茶飯事なことだ。
>>2:124嫌われているのではなく普通のことで大きくなるとそうしてきたことを忘れて大人になるのである。

なのでシルヴァンが変なこと言ってきた時の幼い頃の反応は――］


『はぁ？　シルのアニキ何いってんの？』


［――である。
大体そっちは最初から取られることは考えておらず、どちらかと言えばフローラを取られるのを嫌がっていたけれどどうしようもなくみたいな感じなのである。

なお、お兄ちゃんと呼んでくれと言われた際は殊更にいやそーな顔を隠しもせずに『何いってんの？』って返していたのでまさに弟分であった。

それが>>2:125立派に大人な返答をできるようになったのだから歳月というものの経過を感じさせたかもしれない］

呪術師 ライト

［ところで、花畑から戻ったのがいつごろかは分からないけれど僕とシュクルはそんなに早くには戻らなかっただろう。

でもきっと皆結構出来上がってきている祭のいい感じの頃合いには一度顔を出せたら出したはず。
全てはシュクルの加減次第だ。

その時ならば服装は最初と違うかもしれないけれどシュクルの胸元には星光の首飾りが煌いていて仲良く密着しながら二人でご飯を食べていたかもしれない。

どこもかしこも祝福モードだ。
一年で一番、誰かのために祈り、言葉を伝え、お呪いをかけていく――幸せになれる日のこと**］

花屋 フローラ

それからの日々

［シルヴァンと一緒にお祭りを回って。
帰り際に頬にキスを強請ったの。
本当はぎゅってしてもらってる瞬間が。
一番安心して落ち着いてドキドキして大好きなんだけど…………。
それを伝えたら、あなたはどんな顔をしたかしら？］

花屋 フローラ

[それからの日々……

『花屋フローラ』の店内。
日当たりの良い一角に。揺り椅子が置かれた。
本や、お茶やパンが置けるサイドテーブルと共に。

あなたは最初。
お屋敷から椅子をもってきてくれたけれど。
私は村の職人さんに頼んで。
一から、良い揺り椅子を作ってもらった。
やっぱり村の職人さんに頼んで。
ふかふかのクッションと、ブランケットも。
お支払いはシルヴァンに頼んだけれどね？

そうやって。村の人と顔を繋いで。
村の一員になる事が。私の生きる術だったから。
お店に置く椅子は、村の人が作った物にしたかった。
そんな話もあなたにしたわ。］

花屋 フローラ

［揺り椅子を頼んだのは。
あなたが疲れた時。何時でも眠りにつけるように。
私の中のシルヴァンは、身体が弱くて、ベッドに居る事も多かったから。
なるべく疲れず休めるように。

そんな話をする中で。
あなたが王都で治療を受けた話しを聞くことも出来たりしたかしら？

あんまりダダを捏ねて。
怒ったり拗ねたりしたことを。
少し反省したかもしれない。］

花屋 フローラ

[私はそっと。
お祭りの日にも少し話した事もぽつぽつ話した。
男の人が怖い事も。>>0:279
あなただけが特別だってことも。>>1:394

だから…………
あなたがここに居てくれるのは。
私にとっても嬉しいだけじゃなくて。
安心出来て。守られてるみたいで。
それが。私にとってどんなに特別で幸せな事なのかって事も。］

花屋 フローラ

［お祭りの日に。寂しがる私を。
あなたがどれだけ大切にしてくれているか分かって。
そんな人は本当に今まで居なかったから…………

それがどれだけ私に驚きを齎したか。
嬉しかったか。幸せだったか。満たされたか。
ぽつぽつ。話して。］

花屋 フローラ

［そう囁くと。照れ臭そうに微笑んだ。］

　

花屋 フローラ

［あなたのご両親にご挨拶ちゃんと出来るかしら？
マナーとか私何も知らないわ。

あなたに教えて欲しい事もたくさんあるの。
あなたと家族になるんですもの。
私が生まれて初めて持つ家族。

シルヴァンのお屋敷にも通って。
幼い頃、優しく出迎えてくれた人たちにもご挨拶して。
色々教えを乞うて。
ドキドキしながらご両親にもご挨拶して。
日々を数えて行くのは夢のような現実で。
あなたの側に居る時間は永遠のようなのに。
飛ぶように過ぎて行った。］

花屋 フローラ

[…………私。あなたと結婚するのね。
結婚式の日は。晴れると良いな。**］
　

研究者 シルヴァン

回想：選んだ理由

[ お祭りの日、二人で過ごした花畑。
　立ち去る前だったかな。マントを再び身につけた僕に、
　君が、マントの色が紫であることの理由を尋ねたのは。

　マントは他にもいくつかあって、他の色もあったけれど、
　僕が選んだのは、紫で。それは──]

君の瞳に似てると思った（世界で一番好きな色だ）からだよ。

[ 改めて言うのは気恥ずかしかったから、　
　ちょっとだけ目を逸らしたけれど─]

　フローラ、君が大好きだ。

[ もう口にすることに躊躇うことはないのだと。
　君の瞳を覗き込むようにして、そっと口づけよう。
　キスはまだ人前でする勇気はないから今の内に**]

研究者 シルヴァン

[彼女から、自分が離れていた頃の話を聞くのは、楽しかった。 二人の間にある空白を埋めてくれている気がして。 時々は、その時その場に自分がいられなかったことを、残念に思うことはあるけれど、自業自得なので黙ったまま。その代わり、いつもより甘えようと、スキンシップ過多になってしまうこと、君には見透かされているかもしれないね。
でも、抱きしめられている時が一番好きだって言ってくれてたから、何も言わずにいてくれたかな。]

研究者 シルヴァン

[ 村の誰とも打ち解けているように見えている君が、
男の人が怖いって打ち明けてくれた時は、
驚きながら、もしかして自分も…って焦ってしまったけれど、自分は特別、と囁かれれば、心底ホッとして、高揚もして、
これからは僕が側にいるから大丈夫だよって、
その小さい肩を抱きしめただろう。
誰か─過去に言い寄ってきた男が側にきて、
君が僕にしがみついた時は特に。

君にはいつも笑っていてほしい。]

研究者 シルヴァン

[ フローラと恋人同士になったことは、
すぐに両親に知らせることにした。
すぐ、といっても、
いつ見てもらえるかわからない手紙だけど。

　両親が村に戻ってくるには、
　いくつかの季節を過ごすことになったかもしれない。
　けど、幼い頃から屋敷に来ていた子だと紹介すれば、
女の子と聞いてから、いつかそうなるかもって
　話していたって笑ってきかされただろう。]

研究者 シルヴァン

[ 君が行儀見習いに僕の家に来ることもあったし、
　僕が君の家に通うことも増えた。
　はじめて君の家に招待された時は緊張したけれど、
　部屋に通してもらえれば、君らしさの溢れる部屋は
　居心地がよくて、すぐに長居をするようになった。

　最初は、自分の家の椅子を持ち込んでいたけれど、
　フローラと相談して、村の職人さんに頼んで、
　僕専用の揺り椅子を作ってもらった。
　ふかふかのクッションやブランケットも。]

花屋 フローラ

それは何時も突然に

［お祭りの日。紫色のマントを選んだ理由を教えてくれたシルヴァン>>10
２人きりの空間で、そっと口付けた。
そうして２人でお祭りに戻ったの……

２人で過ごす時間に。
空白を埋めるように話をした。
時折シルヴァンは甘えるように抱き締めてくれて。
私があんな事言ったからかしら？>>2
なんて思ってたんだけど…………］

花屋 フローラ

［囁き声>>-325に、頬を染めて幸せそうに寄り添った。］

　

花屋 フローラ

［男の人が怖いって言ったら焦ってたシルヴァン>>12
そうね。きっと皆気付いて無いわ。
女の子らしく。でも大人びた態度で距離をとって。
時には相手にダメだししたりして……。

でも良いの。あなたは特別。
私が気を張る必要なんてどこにも無いの。
抱き締めてくれる肩に。そっと身を寄せて。
大丈夫って言葉に。小さく微笑んだ。
そうしてそっと目を閉じた。

ここが私の居たかった場所。
他の誰でもない。あなたの腕の中。
世界で一番安心で、安全で、守られていて。
寛げるのに。ドキドキする。幸せな場所。］

花屋 フローラ

［ご両親に手紙を書いたと聞いたらドキドキして。>>13
行儀見習いに屋敷を訪れた時は緊張したわ。>>14

ご両親は、幾つかの季節を過ぎないと。
帰ってこないと聞いていたから。
『それまでは恋人期間ね』なんて笑ってたけど。

彼も家に招待して。
シルヴァン専用の居場所を作って。
彼が長居してくれるのは嬉しかった。
お店が終わったら、時折夕食を食べに出かけたり。
お休みの日にお散歩したり。

２人で甘えるように抱き締め合って。キスをして。
そんな日々が続くかと思っていたのに…………］

呪術師 ライト

式の日取りを決めよう

［アッシャー祭の日にシュクルに首飾りを贈り晴れて夫婦の誓いも立てた。
皆への報告はシュクルと一緒に、指を絡めて手を繋ぎ幸せそうに笑いあいながらのことだったろう。

呪術師の家は家具選びや配置を話し合いながら決めていこう。
呪術師"ジジ"とライトの家からライトとシュクルの家へ。
思い出は残しながら少しずつ二人の家を作っていく。

フローラが訪れてくれれば相変わらず薬草茶を振る舞ってコウセツのアニキのお菓子をご馳走になるのだろう。
フローラがシルヴァンのアニキと良い仲になったと聞けば祝福をするしそれはもう全力でお呪いするだろう。

ラヴ姉からは何やら生暖かい目で見られることになったけれどシュクルが楽しそうならそれで良かった。
それに自分も多分アニキたちと色々と話す機会も増えるだろう。

ところで誓いは立てたものの結婚式というものについては未だ挙げていなかった。
天候の良い日取りにしたいし秋の収穫祭あたりが目標かなとシュクルと相談していこう。
衣装も考えないといけないし同じ頃合いに式を挙げる人も多いのではないだろうか。
その辺りの話し合いはまた女性同士でも盛り上がるものだろうから自分の答えは大体「はい」か「yes」である。
花嫁衣裳楽しみだねと微笑みながら呪術師"ジジ"として村に少しだけ良いことがありますようにと二人でお呪いをして過ごしていく**］

飴職人 シュクル

幸せなひとときの後

………しちゃった、ね


[痛みはまだ少し残っていても、まだライトが中にいるみたいで。
お腹をさすりながら照れ隠しでライトの方を向くとはにかんで。

ライトにいっぱい愛してもらったおかげなのか、
いつも以上に身体が元気な感じがする。

一体どれくらい時間が経ったのだろう。
永遠にも感じられた時間だったから、あんまり時間は過ぎてないと思いながらも自信がなく。

これからどうしようってライトに尋ねたのだった。
今日は大切な記念日だし時間が許される限り、ずっと一緒がいいなって。]**

石工 アロイス

数日後・ラヴの工房

よお。

[ラヴの工房を訪れたのは祭が終わってから数日後。この間と同じ椅子に腰かける。]

いや、今日は注文とかはねえよ。強いて言うなら…　なあ、指輪って大体ダイヤ…
いや！なんでもない。それはやっぱきちんとしたやつの方がいいもんな。

[ふうっとため息をつく。よく考えれば、何もついでを装う必要などないわけで。]

見てたぜ。上手くいったみたいじゃねえか。まあ相手がコウセツってのはある意味驚いたけど…俺の方も上手くいったからな。その報告だ。見てたんだろうしもう言うまでもないと思うけど。
用はそれだけなんだが…

[付け足すかどうか少し迷って、口を開く]

石工 アロイス

こないだはダメだったらその時はその時でいいって言ったけどさ。…悪い、やっぱうまくいったらそうは言えねえな。
全力で…大事にしたいって思うのが普通だよな。

……まあ、お互い上手くやろうぜ。
…あ、式には呼んでくれよ。じゃ、またそのうちな。

[それだけ言って店を後にした。他にもカップルはいたし、ライトの事もそのうち冷やかしに行くのだし、フローラとシルヴァンの事を知れば「相変わらず逞しくやってんな」とも思うのだけれど。
まあ、ラヴとは多少は馴染みだし俺の中でも少しは気にかかっていたのだろう。コウセツと本当にうまくいけばいい。そう思いつつ、店を後にした**]

呪術師 ライト

ひとときの幸せを重ねて

［好きな人と交わるのはする前も良いものだったし、している最中も良かったし、余韻を楽しむ一時も良いものだ。
熱を引き抜くとそれまでの温もりが空気に触れることで消えて冷えていき、それがまた少しもの寂しさを覚えるのだけれどその分シュクルが甘えてくれるので心は満たされていた］


うん、すごかったね。
……またしたいな。


［たくさんキスして回ったのでいろいろなところに唇で触れ回った。
触れ合う前よりもより強く結ばれた感じがしている。

はにかむところも可愛いねと優しく身体を抱きしめてひととき甘い時間を過ごしていたけれど、お腹が空いて喉が乾いてくるのは健康な証だろう］

呪術師 ライト

ん、それじゃあ一緒にお風呂に入ろっか。
それからご飯にしよう。
服は……うん、着替えないとね。

踊りにも行きたかったけど……。
今日はゆっくり二人で過ごそうか。


［ほら、歩き難そうだしね。
先に身体を起こすとシュクルの手を引いて身体を起こすのを手伝おう。
残念ながらお姫様だっこをするには膂力が不足しているので腰に手を回して抱き寄せながらお風呂場へ向かおうか。

広場での踊りは来年でもできるけれど結ばれた今日は今しかないので二人でいようねと囁いて――。
それに組み木の炎ではなくても星空の瞬きと精霊の煌きが照らしてくれるから、家の広間で二人で踊っても良いかもしれないねと今日はずっと一緒のコースを提案しよう*］

錬金術師 ラヴェーナ

[そうして、少しの間ベッドでイチャイチャ過ごして。
起き上がれるようになって…
身体とか洗ったりしたかな？

ともあれ少し落ち着いた後、
ボクは服を纏って一回に降りてきた。
ソファの上には持ってきた鞄が置いてある。

それを開いて、ガラス瓶に巻いていた布を
くるくると解いて中身を確かめる。
……うん、良かった。ちゃんとできてる。]

錬金術師 ラヴェーナ

コウにい、あのね、これ。

[そっと瓶の蓋を開けて、
錬成した品の中身を取り出し
おずおずと彼へと差し出そうか。

銀の鎖の中心に、幻想的な色の宝石が一つ。
黒の中に鮮やかな虹色が煌めくその石の意味は、
「幸福へと導く」

―――ボクから君への贈り物。]

錬金術師 ラヴェーナ

受け取ってくれる？


[これはただの首飾りだ。
何か特別なお呪いが籠ってるわけでも、
未来を保証してくれるわけでもないけど。

これから君と一緒に幸せになりたいって願いと、
後ろ向きな自分とさよならするって決意と。
君へのめいっぱいの愛情が込められた、
ボクの気持ちだ。**]

花屋 フローラ

結婚式の準備

［アッシャー祭が終わって。
村の空気は確かに変わったわ。
それは私達だけでなく…………

大好きな人の幸せそうな表情は。
私の事も幸せにしてくれるわね。
私はシルヴァンが帰って来る前とは。
明らかに心の持ちようが変わっていて。
素直に人に接する事が出来るようになっていた。

大切な幼馴染達に感じていた羨ましさと罪悪感も。
リトリコを素直に歓迎出来ない用心深さも。
春の陽光が雪解けを促し水になり流れるように。
何時の間にか心の中から少しずつ流れ出し薄れていた。］

花屋 フローラ

［結婚式の準備を進める幼馴染達。

私とシルヴァンの結婚式は何時になるかしらね？
ご両親への許可を得て。それからだから……
時間はまだ季節幾つ分もあったけれど。
花嫁さんに憧れのあった私は。
自分の手で少しずつ準備を始めていたの。］

花屋 フローラ

［ドレスもブーケも。自分の手で作りたかったから。
花嫁衣裳の生地や刺繍糸は、ラヴのお店で染めてもらった。錬金術で均一に染められた布や糸で、ドレスを縫ったり。刺繍をしたりした。

デザインに悩んだら。
前より気軽に話をするようになったリトリコに。
図案を相談したりした。
お礼は子どもたちへのお花の種や球根でも良いかしら？
育てる楽しみを知ってくれる子が出ると良いな〜。
なんて思う私はやっぱりちょっとちゃっかりしてるわね。
リトリコが結婚する時は、飛び切りのブーケを作らせてもらうわ。勿忘草の花言葉もこっそり教えてあげましょう。

結婚式の季節は正直何時でも良かった。
苺のお花でブーケや髪飾りを飾るつもりだけど。
お花は、シュクルに作ってもらうつもりだったから。
私のための特別製のお花の飴と。
季節のお花を組み合わせて、ブーケと花飾りを作りましょう。］

花屋 フローラ

［もしかしたら女の子達に声をかけて。
一緒にドレスを作ったりすることもあったかも。
ベールやドレスに使うレースも。
のんびり時間をかけて編んだわ。

お仕事の合間にそうやって。
ドレスが出来上がっていく時間は。
少しずつシルヴァンとの式が近付いてくるようで。
微かな高揚と喜びを感じる時間だった。

女子会が叶ったら。
互いの相手の惚気話をする機会もあったかもしれないわね。
女の子しか居ないから。
赤裸々な話題も出たかもしれないけれど。
ふふって笑って。幸せそうに聞いてましょう。］

花屋 フローラ

［手放しで祝福してくれたライトには。
お呪いを頼んだわ。

少しくらい雲があっても良いの。
真っ青な青空じゃなくて良い。

でも。式の当日は。お日様が見えて欲しいなって。
そんなお願い。
素直に微笑んで頼んだわ。］

花屋 フローラ

［そうしてあなたと結婚する日を迎えたの。**］

　

菓子屋 コウセツ

[ 暫くそうして二人でゆっくり過ごしたあと、
　ラヴの体を支えて彼女を浴室へと連れて行って。
　
　本当は風呂の中までついていきたい所だったが、
　そこまでしてしまうとまた手を出しそうだったから、
　彼女の体を考えて自制しておいた。
　
　シーツを取り替え、
　私もまた彼女の次に軽くシャワーを浴びてから服に袖を通して。
　
　一階に降りれば、閉店中の店のソファに
　彼女の姿が見えただろうか。 ]
　
　…ラヴ？
　
[ 鞄から取り出した何かを見ているらしい彼女に、
　何をやっているのかと傍による。
　
　うん？と首を傾げれば、
　ラヴが瓶から何かを取り出して私に見せてくれた。 ]

菓子屋 コウセツ

　
　これは………。
　
[ シャラリと取り出されたそれは、
　銀の鎖の先に宝石が輝く…紛うことなき、美しい首飾り。
　
　一瞬言葉を失うように息を呑んだあと、
　君の手の中にあるそれを食い入るように見つめた。
　
　幸福な繋がりから一息ついて、
　リラックスするように落ち着いていた心臓が
　徐々に再び早鐘を打ち始める。 ]
　
　え……っこ、これ……
　
[ 首飾りと彼女の顔を交互に見て、
　ぶわりと嬉しそうに頬を赤らめる。
　
　君が、私に首飾りを。 ]

菓子屋 コウセツ

　
　……………ッも、もちろんだ…！
　ああ………！
　
[ 好きな相手に、首飾りを”贈り合う”。
　
　この祭りの習わしは正しく知っていたけれど、
　今日の告白はあまりにも突然のものだった。
　
　元々結ばれていたわけでもなく、
　ましてやラヴは普段そういうつもりもなく祭りに出ていたし、
　首飾りの用意がないのなんて当然だと思っていた。
　
　だから、今日君から首飾りを贈ってもらえる可能性は
　限りなく低いと思っていたのに。 ]

菓子屋 コウセツ

[ 君の手から受け取った首飾りを、一度掌に乗せて。
　
　その美しい煌めきに嬉しそうに目を細めたあと、
　自らの首に留めた。
　
　頬が緩むのを止められない。
　ラヴにつけた姿を見せると、どうだろうかと笑って見せて。 ]
　
　すごく嬉しいよ、ラヴ。
　ありがとう…君自身と共にずっと大事にする。
　
[ そう告げて彼女の足元に膝をつくと、
　その手をとって指先にキスをしよう。
　
　姫を護る騎士のように。
　君への一生の幸せを誓う口付けを。 ]

菓子屋 コウセツ

　
　ふふ……あぁ…だめだ、頬が勝手に緩む…

　なあラヴ。
　もしよかったら……
　この後、また少しだけ祭りに出ないか。
　
　少し歩くだけでいい。
　…もうすぐ日が暮れる。
　
　恋人になった君と……この首飾りを、自慢して歩きたいんだ。
　
[ そうして、嬉しそうにゆるゆるになった頬のまま
　そんな事を言って君を誘う。
　
　君との幸せな今日、
　二人で贈りあった首飾りを身に着けて。
　
　日が沈み美しい照明に照らされた村の中、
　祭りの終わりを二人で感じたかった。** ]

錬金術師 ラヴェーナ

[首飾りを目にしたコウにいが
一瞬驚きに目を見開いて、
感極まったように顔を赤らめた。

別に驚かせるつもりじゃなかったけど
そんな顔見るとこっちまで嬉しくなって。

彼の想像通り、ボクはお祭りに来た時点で
まだ心っていうか、覚悟が固まってなかったし。
そもそも元は首飾りを用意するつもりもなかった、けど。

でも、コウにいが気持ちを伝えてくれて、
幸せにするって言ってくれて、ボクはそれに応えたいと思って。
これを渡すのは今日この日じゃないとだめだった。

これから何度二人でアッシャーのお祭りを過ごしたとしても、
ボクたちが結ばれた日は今日しかないから。]

錬金術師 ラヴェーナ

[嬉しそうに頬を緩ませたコウにいが
自分の手で首飾りを留める。
その要素をボクは少しドキドキしながら、
口元に笑みを浮かべて見つめていた。]

どういたしまして。
……うん。似合うよ。

[きらきらした宝石が首元で輝いてる。
まあボクがコウにいのために作ったんだから当然だけどね！
なんて胸を張れば、指先に口づけが落ちて。
気取った仕草にくすくす笑って目を細めた。]

錬金術師 ラヴェーナ

自慢って。どんだけ浮かれてるのさ。
……うん、いいよ。一緒に歩こ。


[でれでれしてるコウにいに誘われて、
くすぐったそうに笑いながら
そっと身を寄せて腕を絡める。

二人で外に繰り出せば傾いたおひさまが
ボクらを優しいオレンジ色に照らしていて。

今年の祝祭が緩やかに
終わりを迎えようとしていた。**]

飴職人 シュクル

式の日取り

[ライトと結ばれたこと、ちゃんと皆に言わないとねって。大人になっていくのがむず痒くて、皆に話す時には照れたようにライトと笑い合いながら。

皆それぞれ大人になっていくんだって、その時はいっぱい祝福をしよう。

ラヴには洗いざらい相談したから、家でのライトのことも伝わってしまっているかもね。

そして最後はやっぱり、ジジに伝えるべきだからって。
ジジのお墓参りに行きたいってお願いしよう。]

飴職人 シュクル

[いつかは式を挙げたいなって思いはあったけど、秋の節目がいいかなってライトには話して。
フローラにも、リトリコ先生にも、ラヴにも、どんな衣装を準備しようって相談しにいったりもして。
髪に飾る二輪の花はフローラとお揃いの髪飾り
できたブーケは誰に上げたらいいんだろうって笑いながら。
皆で幸せの階段を登る時間もかけがえのないものになっていく。

でも挙式の時の主役は私だけじゃないから…]


ライト。いつもありがとう。
ライトが居てくれて、私はずっと幸せだよ。


[家で二人きりの時に大好きな旦那さんの肩に頭を乗せてぴったりとくっついて微笑みを浮かべた。
旦那さんとして私のことを守ってくれて、私のために頑張ってくれて、ライトが傍に居てくれるのは全部当たり前なんかじゃないから。

アッシャー祭での首飾りの代わりに、溶けない魔法をかけた鈴蘭の花の形をした飴を渡したくて。
はいって包みを渡すのだった。]**

花屋 フローラ

苺の花嫁さん

［その日は雪解けを迎えたアッシャー村に、春の陽光が降り注いで。日差しの暖かな寒明けの日だった。
微かな風に鳥の声が囀り。春の訪れを予感させてくれる。

手造りの花嫁衣裳とシュクルとお揃いの髪飾り>>43を髪に飾って。苺の花のブーケは甘い飴の香り。
ご両親が帰って来たのだから。
もう少し暖かくなってから。
式を挙げたって良かったのだけれど…………］

花屋 フローラ

[だってシルヴァンが。あんなこと言うんですもの。>>-377］


　

花屋 フローラ

[私の返事なんて一つしかなくて。満面の笑みで。］


喜んで。


［そう。笑って抱き着いた。］

花屋 フローラ

［お祭りよりも早くに。
参列者の皆さんが寒くなり過ぎないように。
暖かなかがり火を焚いてくれたのは。
私がお世話になった村の人たちで。
お屋敷の人たちは美味しい料理と。
それからコウセツが特別なお菓子を用意してくれた。

ラヴやシュクルやリトリコに。
花嫁衣裳や女の子同士のありがとうを言って。

家族の居ない私は。彼の元に連れて行ってくれる親族も居なくて。悩んでたらね？
シルヴァンが私を迎えに来てくれることになった。
王子様みたいねって。ぽっと頬が染まったわ。

迎えに来てくれたあなたの手を取って。
２人で一緒に会場に入って。
たくさんのおめでとうをもらった。
ふわふわのおじさんが大きな声でお祝いを言ってくれた。］

花屋 フローラ

［あなたはコウセツにお礼を言うわよね？
私もあなたに着いて回って。
男の人たちにも祝福の言葉を貰って回った。
ライトの元ではありがとう。ってお礼も言ったわ。
アロイスや、彼のご両親にも。


普段は恥ずかしがり屋で。
２人切りでしかキスなんてしないあなた。


ふわふわのおじさんが囃し立てたけれど……
ほっぺにキスくらいしてくれた？］

花屋 フローラ

［今日は私の幸せの始まりの日。
今日から私はあなたのお嫁さんになるの。
私からも。あなたの頬に。キスを贈ったわ。］
　

呪術師 ライト

大切な人からの贈り物

［シュクルと夫婦になって良かったと再確認することは多々あり日々の中にそれはいくつも見つけられる。
>>42その一つは"ジジ"のお墓参りでこれまで忙しなくしていたからあまり行けてなかった。
それに行くと亡くなったことを思い出してしまうからというのもある。

シュクルと二人で手を繋いでお墓参りに行ったのはまだ花が綺麗に咲いている季節だ。
フローラにお花を選んでもらい向かったのは村の共同墓地。
墓守の人に挨拶をしてシュクルをお嫁さんですと紹介してから"ジジ"の墓石の前に向かった。
墓守の人が管理してくれているし月日も浅い墓石は綺麗なもので『〇代目呪術師"ジジ"』と刻まれた後に本名のホリーとあった。
墓石の前に花を添えてちゃんとシュクルと結婚したよと伝えればいろいろ知ってそうな"ジジ"だもの。
『そうだろうねぇ』と笑ってくれていそうだった］

呪術師 ライト

［結婚式は秋の節目がいいのは収穫祭が終わると少し皆余裕ができて時間が取りやすいことと天候が良い日が続くこと。
冬になると荒れて雪が降り始めることもあるので暑くも寒くもない日中程よい気候の日にしたい。
フローラの式の日はそうしたお天気事情まとめて気にせずに晴れにするつもりである。

花嫁衣裳についてはリトリコ先生が詳しいらしいのでアロイスのアニキにお願いして相談させてもらっただろう。
色合いは白ではなく、自分はパウダーブルー、シュクルには自分の金髪に金色の瞳に近いイエローの衣装をお願いしていいだろうか。
ほら、好きに染めていいらしい白ではなく既に染めているのでイエローと――でも、シュクルが白がいいなら白にしようとここは相談案件だろう。

いつのまにか髪飾りも作っていたらしくこれもフローラとお揃いらしく相変わらず仲がよくてにっこりしてしまう］

呪術師 ライト

［アッシャー祭からはずっと一緒に過ごしている。
お呪いを手伝ってもらいながら飴も渡してて、村のみんなが少しだけ良い方向にとお呪いしながら勇気と笑顔も振り撒けるようになっていた。

ある日のこと>>43家でいつも通り夕食後に暖炉の前にあるソファの上でくっ付いていた時のことだ。
肩にのる頭の重みの心地好さと可愛い微笑みに心を落ち着けていられる時間だ。
傍にいることは当たり前のことだけれどシュクルはそうとは受け取っていないようで、それがまた嬉しく思う自分がいる］

呪術師 ライト

ううん、ぼくこそありがとう。
シュクルが居てくれるから、ぼくは毎日が幸せなんだ。
これからもずっと一緒に居ようね。


［一緒に居たいと思ってくれている。
それもまた幸せでいつか傍にいるのが当たり前だと思ってくれる日がくると良い。

受け取った包みの中にはシュクル特製の魔法の花が入っていた。
色によって花言葉が違う花だけれど、きっとこの鈴蘭は『幸福』を意味するものだろう。
虫除けや防カビなどの保存のお呪いをかけるときらきらと淡く光る鈴蘭の花の形をした飴ができあがった］


ありがとう、大切にするね。


［にっこりと笑って抱きしめると――そのままいちゃつき始めてソファに押し倒したのはいつものことかな。**］

研究者 シルヴァン

幸せのかけら

『大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんになってあげる』

　あの時、笑顔で言ってくれた君に、
　　いい子だなぁって思えたのは。

「　僕なんて、大きくなる前に死んでしまうのに。」って、思っていたから。

研究者 シルヴァン

『あと数年もすればくたばるガキのために
　金を使うくらいなら、俺にくれよぉっ！』

[ ずっと昔に勘当されていたらしい父の弟が、
　屋敷を譲り受けた父の元に
　金の無心にやってきたのは、
　僕がまだ１日の大半をベッドで
　熱に浮かされ夢うつつ過ごしていた幼い頃だ。]

研究者 シルヴァン

[ やっぱり僕は大人になれないまま、死んでしまうのかな…。叔父だった人がそっこーで叩き出された後も、その棘はずっと心の奥底で刺さったまま。]

研究者 シルヴァン

[ 大人になったら、なかったことにして、なんて、
　言われてしまうだろう。
　もしかしたら忘れてしまうかも、しれない。
だって僕は、君と一緒に大人になれないかもしれない。
　それでも… 自分からなかったことにすることはできなくて。 ]

研究者 シルヴァン

[ 生きたい。
　君と生きたい。

君がいてくれたから、
　僕は生きようと思った。
　君がいてくれたから、
　いつのまにか棘も消えていったんだ。

　遠い空の下でも
　いつでも君を感じることができたんだ。

　だからって放ったらかしすぎだって、
　君にも叱られてしまったけどね。

　望みはいつも胸の中にあった。
　それははやがて祈りになり、
　いつしか誓いとなって──]

研究者 シルヴァン

「……ヴァン！シルヴァン！」

[ 遠くで君の声がする。]

研究者 シルヴァン

…フローラ？

[ 君の家の揺り椅子で、うたた寝をしていたようだ。

　私が式の準備で忙しくしてるのに、
　いい気なものね、と怒られてしまったかな。
　でも、そんな時でも、どこか楽しそうなことを
　僕は知っているよ。]

研究者 シルヴァン

　…今は何をしてるんだっけ？

[ >>47僕の家までエスコートする役を
　誰に頼めばいいか悩んでいるという。
　本来なら親族の男性に頼むだけど、と、
　可愛い顔をしかめて悩んでいる彼女。

　きっと君がお願いしたら
　二つ返事で引き受けてくれる人は
　この村にいっぱいいると思うよ。

　それは君がこの村で生きてきた軌跡。でも─]

研究者 シルヴァン

　だったら、その役目、僕が引き受けるよ。
　…だって、僕は、君の大事な“お兄ちゃん”だろ？

[ やっぱりその座は誰にも渡したくはないな。
　君は僕に飛びついてくれたかな？
　王子様みたいって囁いてくれただろうか。

　僕が王子様なら、君はお姫様だね。
　ほら、僕だって君のことをお姫様抱っこできるくらいは
　元気になったんだよ。
　なんていって調子のいいことをいいながら、
　君のことを抱きかかえて見せる。]

研究者 シルヴァン

　どこへ連れていってくれるの、って？
[ このままどこまでも遠くへ、と言いたいところだけど、
　僕が連れていけるのは、隣の寝室で。]

研究者 シルヴァン

　悩みが一つ解決したから、
　少し休憩するといいんじゃないかな？

[ 頑張り屋さんなところは君の美点でもあり
　欠点でもあるからね。
ふかふかのベッドに君を寝かしつけよう。

　ご褒美をねだられたら、たくさんの口づけを君に。
　どちらのご褒美かわからなくなってしまえば、
　寝かしつけが失敗したとしても、幸せなひととき*]

研究者 シルヴァン

苺の花嫁さん

[ それでもやっぱり人前でスマートにキスをするのは
　慣れないままだったけれど、
　晴れ渡る空の下、誓いの口づけは、
　君の苺のような赤い唇へ。>>48

囃し立てられたら、顔は真っ赤になったけれど。]

菓子屋 コウセツ

　─ 祭りの日に ─
[ 昼間の明るさに、緩やかに陰りが見えて。
　オレンジ色の光の中に、ぽつぽつと煌めく星が見え始めた頃。
　
　私とラヴにとって一生に一度の特別な日が、
　穏やかに終りを迎えようとしていた。
　
　君を失うことを恐れたあの日から二年の月日が経って。
　
　あの日抱きとめた君と今、
　こうして恋人として寄り添うことが出来ている。 ]

菓子屋 コウセツ

[ 意地っ張りで、素直じゃなくて、
　でも誰よりも私を求め、私の愛を受け止めてくれる、
　拗ねた顔も笑った顔もとびきり可愛い、
　私だけのお姫様。 ]
　
　
　──なぁラヴ。
　来年はまた、祭りで店を出そうと思うんだ。
　君さえよかったら…二人で。
　
[ 街灯の花飾りがら透けた光が、
　花びら越しに淡い木漏れ日のような光に変わる。
　
　祝祭の帰り道、君と交わす言葉は
　君と迎える未来の話。 ]

菓子屋 コウセツ

[ 今日という特別な祝祭を終えても、
　また祝祭はやってくる。
　
　季節が巡り、恋人でなかった私達が
　恋人として──やがて夫婦として、参加する時がくるだろう。
　何度月日が巡っても、
　私の隣に微笑む君が居てくれて。
　喜びも悲しみも、二人で分け合って生きていく。 ]
　
　
　──……
　
[ 繋いだ手を、ゆらゆらと揺らしながら。
　やがて梟の声が聞こえるほどに夜が更けるまで、
　私は君の手を離さずに
　今日という日を惜しんで会話を弾ませていた。
　
　君への愛を、未来を。尽きぬ話を──ずっと。* ]

菓子屋 コウセツ

─ はにかみ屋の乙女に捧ぐ、
　　　　ミモザのもう一つの花言葉 ─

　　　
[ そうして私達が結ばれた祝祭の日から、いくつかの季節は巡り。
　
　この村に住まう錬金術師の少女と青年の庭先に、
　杏とミモザが花咲くようになった頃。
　
　温かな風吹き抜ける空の下、
　またこの村に一組の夫婦が生まれたことだろう。
　
　少しドジで、妻を溺愛している菓子屋の夫と
　たまに意地を張るけれど、夫のことが大好きな事がわかる
　お似合いな鴛鴦夫婦。
　
　その後のアッシャー村の祝祭では、
　二人で営む出店のとある菓子が、
　その菓子に込められた言葉と共に一つの目玉になったとか。]

菓子屋 コウセツ

　


*『真実の愛として
　もう一度この花を君に捧ぐよ。>>0:410』*
　

石工 アロイス

その後

[そうして俺達の祭は終わったけれど、二人の事にとって、それは始まりに過ぎなくて。

程なく、家族にはきっとすぐに二人の事を話すことになっただろうし、
毎日の仕事の後に合間を縫っては二人で会い、二人で住むための家を建てる準備とか、
式の日取りや段取りのこととか…
あっという間に月日は巡って、多分秋の収穫祭の後だったろう。

ライト達には少し遅れたかもしれないけれど…きっと、あっという間だった。


その式の日の空はきっと抜けるように雲が高くて、村の人達に祝福されながら、
俺はきっと赤と黄の、伝統衣装に身を包んでいる。

そうして、あの頃よりすっかりこの村に馴染んだ彼女を迎えるだろう。

花嫁衣裳、髪飾り、それとこれは俺から贈った指輪。
そういうものを身に着けた彼女に向けて]

石工 アロイス

　世界一の、俺の花嫁さん。
　末永く二人で、幸せになろう。

　これからもずっとよろしくね、リトリコ。


[そう告げる未来が確かにあって、その先も続いていく**]　

先生 リトリコ

こちらこそ、不束者ですが
よろしくお願いいたします。


［なんて、お決まりの文句を言って一緒に笑みを交わし合って。］
　

錬金術師 ラヴェーナ

「この子の名前はね、ラヴェーナ。
　愛称がラヴになるの、かわいいでしょ？　
　
　この子が一生、周囲の人たちから
　沢山愛し愛されて育ちますように。」

錬金術師 ラヴェーナ

[豊かな自然以外には大して何もない、のどかな辺境の村。
ここに訪れるのはかれこれ十数年ぶりだった。

ちょうど村では結婚式をやっていて、
年若い新郎新婦が村人の祝福を受けながら
幸せそうに笑っている。

神様からのささやかな贈り物なのだろうか。
はたまた私への皮肉なのか。
巡り合わせというのはあるものだ、と小さく胸が傷んだ。

どのみち、声をかける資格などあるはずもない。
遠巻きにその様子を眺めている私に気づいた村人が、アルコール瓶を片手に声をかける。]

「あぁ、旅人さん。
今日はめでたい式の日だ。
せっかくだし、固いことは言わず参列して行きなよ」

[そう言って一輪の花を渡す。]

錬金術師 ラヴェーナ

[とんとん拍子にことは運んで、
ボクたちは晴れて夫婦になる。

コウにいのお父さんもお母さんも
ボクのこと子供の頃から知ってるから
娘ができたみたいってすごく喜んでくれて
それがなんだか嬉しかった。

村の女の子達には色々と式の準備を手伝って貰ったし、
中にはもう既に結婚して、お腹に子供がいる子もいたりして？

晴れやかな青空に花のシャワーが飛び交う、良い日だった。]　

錬金術師 ラヴェーナ

[皆からの冷やかしに笑ってる花嫁姿のボクの前に
ふと、目深に帽子を被った女の人が立つ。

年はちょっとよくわかんなかったけど、
村の人じゃないのかな。
おおかた酔っぱらいの受かれたおじさんが
引き込んだとかなんだろう。まったく。

一輪の、真っ白な可愛らしい花。
ブライダルベールをボクに差し出して、
その人の目元が一瞬光ったように見えた。]

錬金術師 ラヴェーナ

「ご結婚、おめでとうございます。
　どうか末長くお幸せに。」


(かわいいラヴェーナ。
あなたがどうか愛されて、幸せでいますように)

　

錬金術師 ラヴェーナ

　
　　　　　　

　　　　 𓂃𓂂𖡼.𖤣𖥧𓈒◌܀𖥧𖧧 ˒˒.

錬金術師 ラヴェーナ

ねえねえ、新婚旅行はさぁ、
コウにいの生まれ故郷に行くのはどうかな！？
ボクもコウにいの生まれたところを見てみたい！

[明日も明後日も、日々は続いていく。
時々喧嘩して、仲直りしたりしながら。

確かなものなんてあるのかないのか
やっぱりボクには証明できないけれど、
連綿と繰り返される温かな日々を
いつか振り返った時に掌の中に残る、
それを永遠の愛と呼ぶのかもしれないな。

何が変わっても変わらなくても、
君の側にいたい、その気持ちを信じてる。]