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「…アリシアのお嬢さん。
偶然会ったのではなく、我々に用があったと見ます。」
[偶然玉になっていた『暮れぬ朝の王』の部下の中で、比較的彼女のことを知っている者が口を開いてそう言った。その声音は温和なものではなく、警戒対象に発する威嚇するような声音だ。
この世界で「用事がある」となれぱ、大抵はあまり良くない内容だ。
元は同じ組織だったとはいえ、今は違う組織だ。とりあえず、上下関係を分からせに来ました、などと言われてもおかしくない。
彼らが臨戦態勢に入りかけたとき、彼女が口にした「伝言を頼みたい」という言葉>>263に、彼らは上げかけた武器を僅かに下ろした。]
[告げられたのは簡単な内容。
普通の組織であれば、嬉々として飛びついて「不戦協定」を結ぶか、そうでなければ此処で『夜の女王のアリア』なんかと!などと噛み付いて、ただの物言わぬ屍になるかの二択だろう。
──だけれど、アリシアに言葉をかけた男が見せたのはそのどちらでもなかった。
ただ、困ったような──或いは、悲しそうな顔。]
「確かに、伝言>>264承りました。
だけどお嬢さん──貴方は、我々の
[それは、どこか慮るような声だった。
或いは、人によっては哀れむようにも聞こえたかもしれない。
ぼくらの王様、フットマン。
“常識的に“そんなふうに考えて接すれば、間違いなく痛い目を見る。
男がアリシアに「知らなすぎる」と忠告するような言葉をかけたのは、彼女が少なくとも夜雀亭の看板娘という、知らぬ相手ではなかっただろうか。
それとも、まだ20にも満たない幼い少女であったからであろうか。
事の真相は男にしかわからないが───。]
[「かわいい娘からのお願いよ」>>264と可愛らしい言葉を付け加えた少女に、彼らは軽く頭を下げて、別れた。
直接言葉を交わした男が集団の中から外れて、単身でフットマンの元へ向かう。
射線を避けて、刃の軌道を避けて──彼は、フットマンの元へと辿り着いた。辿り着いてしまった。
そうして、一言一句違うことなく伝えられた“伝言“。
「かわいい娘からのお願いよ」と、彼女の父が聞けば大いに嫌がりそうな言葉には、フットマンは声を上げて笑ったけれど。
肝心の返事はNo!笑ったまま、フットマンはにこやかにそう言い放った。
“常識的に考えて“──無論、フットマンがそのように生きる者であれば、アリシアの考えた通りに動いただろう。だけど、そんな枠組みの中にフットマンはいなかった。
子どものように、生きている。
自由に、気ままに、気まぐれに。子供が駄々をこねるように、我儘に生きている。]
まぁ、いいや。
私が自分で直接返事をしよう。
素でおしゃべりしたい、という“かわいい娘“たっての希望もあることだし。
[──さて。返事をするために、アリシアに会うまでの間に、フットマンが心変わりすればいいけれど──。*]
[彼>>292があの抗争について、少なくとも知識はきちんと得ていることが、その頷きから読み取れる。
けれど己の機体の由来について述べてから口にした「化け物」の語については――判断保留>>293。予測外の回答に、伏しがちに固定していた人工の瞼を、ぱちりと見開く形に変える。
更なる問いには――直接の理由がまず思考上には生成されるが、いきなりその結論を話しても意味が通らない可能性があったため、また言葉を選びながらゆっくりと話し始めた。]
まず初めに、お話ししますと。
私は、望んで、この機体を得ようと
考えていた訳では、ありません。
私は、知らぬ間に、電脳化されていました。
かの、組織に、拉致されたのです。
[向こうの警戒が幾らか解けているような印象は、尋ねる言葉の形や声音から想起できる。
けれども銃から手を離している訳では無い。それもあって、組織についての語は未だ濁したままに。]
だから、私は、かの組織の一員ではありません。
この身体を今も使いながら言っていても、
説得力なんて、無いかもしれませんが。
[「シンギュラリティ」の一員でないことを訴えたことで(「訴える」というには淡々とした語気のままになってしまったが)彼の警戒が解けたのか、座り直す姿が視界に映る。
オクリビは立ち位置を変えないまま、彼の態度の変化に合わせる形で、カタナから両手を離してだらりと下げてみせた。
……第三者がここで割り込んできた場合はそれなりに無防備な構えにはなるが、今は目の前のひとに向き合うことを優先する。
「リベリオン」の理念については当然リリオで耳にしていたから(故にこれまで対面を避けていた)、電脳化についての男からの「無くなりゃいい」の言葉は理解できた。
無論、彼自身が見たままの生身の人間だということも。
それを示すような傷の具合だって、この距離からの目視でも判別できる。
それから漸く――「化け物」だ、という答えが返ってきた。
ただ「欲望のために」、の言葉で始まる限定の形で。]
ええ、貴方が仰る意味で言えば、
私は「化け物」には当たりません。
私は自分でこの身体を変えることを、選んだ訳、じゃ、
……いえ。本当のことを、言えば。
私は確かに「何か」に頼って、私を変えようと欲した。
ただその手段が、電脳化、機械化だとは知らなかった。
知らされていなかった、というだけです。
その結果、私の身体は「人非ざるモノ」と化し、
この心まで、ヒトらしい感情の起伏の無い、
「人非ざるモノ」に、なってしまった。
[譬え「作り物」でも大粒の涙を流せる「少年」や、譬え頭のネジが外れていようと「作り物」でない笑みを出せる「おじさま」のようにはいかない、そんな機体の女は淡々と語る。
敢えて「悲しげな」表情や声色を作らずに、無機質に、機械的な音声で。]
そしてそれでも、生きたい、と思った。
死にたくない、って、思えるように、なったの。
[……ノイズ交じりに零した小声は、「何故今もこの機体を用いるのか」の直接の理由。
今の距離からでは、聞き取れなかったかもしれないけれども。
――傷ついた生身を抱えた男は、どんな言葉を続けるだろう。*]
[…そんな中、通信が入った。
この絶好の機会に、聴きたくなかった知らせの一つだ]
『…ボス!!!!やつが出た!!!!
赤い悪魔が…!!!今そっちに向かって…!!!!
機械化人員に撤退を…ボス、はやくにげt〈ガチャン!!〉』
おい!おい勝手におっちんでんじゃねえよ!!!
粘れやもうちょい生き汚くよぉ!!!!
[すぐそこから乱戦の音がする。
この辺りが一気に騒がしくなった原因がわかった。
この周辺地域の戦況が一気に悪化した理由も…!!!
壁を挟んで向こう側から、
仲間たちが慌てたような声を上げる。
まずい、何かが。
思った瞬間に、男は後ろに飛びずさり、
刹那、轟音とともに壁が破壊され、あの悪魔が姿を表した>>285]
[ゆらりと立ち上がった男に対し、
スキなんて与えてたまるかと言わんばかりに、
挨拶がてら、右掌の銃口が轟音を鳴らす!!!
胴体、足元、そして脳天も狙うが、
先の戦闘の影響か、反動で少し視界がぶれてどれが当たってどれが当たらなかったかは定かではない。
撃ち終わったならば、即座に後ろへと駆け、距離を取る。
こいつとの直接の戦闘だけは本来避けねばならなかったのだ!!!!
こちとら触れられたら一発アウト。
一方相手は遠距離も近距離もそれなりにできる。
圧倒的不利な中で、男が選ぶ戦法は]
鬼さんこちら!!!!
捕まえてみろよ!!!ど変態悪魔!!!
[無数のチンピラ共が、男の前に立ちふさがり、
追い縋るようにして周囲を囲う。
大きく跳躍、人影や瓦礫の影に身を隠す。
長い金の髪をボロ布で隠す。
チンピラ共の相手をしている様子を確認し、部下たちの攻撃が止んだ瞬間、合図とともに殺傷性の手榴弾を群衆の中…男の目の前に投げ込んだ!!!
さて、人混みで完全にはやつの動きは捉えられていないが…少しはダメージは与えられたか?]
へっ…へへへ…!やっと殺せると思うと、
震えが止まんねえなあおい!
[切れるはずのない息が切れるのを感じる。
見つかるな、絶対に…!!!
地獄の
─暮れぬ朝の臣下─
一目でわかるのね。それなら話は早いわ。
[などと付け加えていただろうか。既にわずかな血痕が目立つ腕に、暮れぬ朝が未だ触れていなければよいが。
少なくとも、それを察するに足る態度を見せるアリシアではなかっただろう。
さて、彼女を知るものであればその態度は明らか。
知らずとも、「アリシアのお嬢さん>>297」という言葉とその腕を見て、すぐに手を出さず様子見を決めた朝の王の臣下たちはきっと聡明だったに違いない。
武器を下ろす彼らの姿を見て安堵する。
多人数を相手に正面から戦うのは、単独で行うには当然リスクが高い。用意の無い相手に負けることはないにしても、我が身の代わりの効かなさは今この時においては厄介だ。]
よかった、それじゃあ内容についてだけど──
[と語りだす内、聞いてる面々の表情は奇妙なものへと変わっていく。
それが少女に対する侮りか、事情、あるいは未来を察しての憐憫か、いずれにせよ好意的な表情では無いことは容易に察しうる表情で。]
[「貴方は、我々の
だから武装しているのよ、なんて心の内で答えるだろうか。
たしかにアリシアの知る
看板娘としては、快活なお客様の一人という程度でさらによくわからない。
しかし「暮れぬ朝の王」は知っている。時折見せる奇妙な行動原理と、
だからこれは、本当にただの挨拶だ。
アリシアとして、フットマンという人物を見極め、場合によっては──いや、そこまでするつもりは無いのだけれど。
いずれにせよ使えるものは何でも使う。
使えないのであれば放っておくだけ。
それも、彼がアリシアの大切なものを侵さないのであればの話だが。
少女はまだ知らない。
フットマンという男が、使えると判断した次の瞬間には背に刃を向ける危険性を孕むという事を。
しかして朝の王も知るまい。赤き悪魔をして「獣のよう」と言わしめる>>162>>163、永遠に幼い少女に眠る凶暴性を。]
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