星狩りの国-暁の街-


6 ― まだ、ちいさな手紙 ―


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ほしあつめ サダル

[外で待っていた父と手を繋いで、再び集落への道を歩く。

父は未だ星集め。僕は今しがたその任を終えたばかり。

星集めの集落に、星集めと、元星集めが帰るのは不思議で、でも、それでも帰っていいということに、少し安堵して、嬉しかった。]

(37) Shadow 2023/04/27(Thu) 22:19:35

ほしあつめ サダル

[ポールで朝日が差し込むのと変わらない時間に起きることに慣れていた身体は、マリクでは少し寝過ごしてしまった。

朝も昼も夜も。わずかな色の違いこそあれど、空を見上げれば一面の星空。漆黒の、紺青の、群青の、星空。

美しく、静かで、穏やかで。忙しなく動く心より、随分、落ち着いていて。
そんな星の空に包まれて、夜がわずかばかり長くなる。

目を開けて、食事をして。昼を過ぎた頃に、手紙が届いた。]

(38) Shadow 2023/04/27(Thu) 22:29:18

ほしあつめ サダル

[母と父に挨拶をして、一度部屋に退らせてもらう。

先生から転送されて来た手紙たちだった。一通ずつ、開封して目を通す。

ゆっくり、ゆっくり読んで、ゆっくりと返信を書いた。
それは目を通すのに時間がかかったのもあるし、使う道具がマリクのものに変わったからでもある。

とにかく、少しずつ考えながら筆を走らせた。
特に、宝物についての話は、僕だけでは分からない。他の星集めにも聞いてみなくてはならないだろうから。]

(39) Shadow 2023/04/27(Thu) 22:40:06

揺らぎ アルレシャ






   ちゃぷん


         ぴちょん  ちょん




              届いたお手紙はそんな
            そっとヒレを手へと触れさせる
       きっと手紙の上では握ってるようなお手紙

(40) kkr 2023/04/28(Fri) 07:56:02

けんきゅう シトゥラ



[そっと、目を開けてみる。

前髪をピンで上に留めてるから、なんかおでこのあたりがツンツンする]


 ……どう?


[目を閉じて、開けて。
視界は前とあんまり変わらない。
実際のとこ、シトゥラは眼窩に何が填まっててもあんまり感覚としては違う感じしない]

(41) tayu 2023/04/28(Fri) 18:38:33

けんきゅう シトゥラ

[蒼鉛──ビスマス元素の骸結晶は、キラキラして虹みたいな。きっと8色の虹の貝殻にちょっとは似てる色。
そして反対の目に、青く光る石]


 ありがと!


[なかなかシャレオツ。と褒めてくれた技師屋さんにお礼を言って、ピンを外す。
分厚い前髪の下に宝物を隠して、ぴょんと跳んだ。
お代金はいつもニコニコ前払い済み]


 お手紙かーこう、っと

(42) tayu 2023/04/28(Fri) 18:39:04

あとつぎ テンガン

[僕がポールの学校に通えるようになった頃、
 そのニュースは栄えた星々に報じられました。

 映像の中では、緑の中に降り立つ宇宙船から
 沢山の立派な服を着た人達が降りてきて
 中でも一番丁重に扱われている男の人が、
 ジェイロの民族衣装姿の老人と握手している。

 共通銀河語の言葉は、
 手紙のようにゆっくり翻訳は出来ないのですが
 「会談」「同盟」「同意」「資源による問題解決」
 「多くは歓迎」「共に拓かれた惑星へ」
 「あらゆる技術」「ジェイロへの提供」
 など聞き取れた範囲から、想像は可能でした。

 表面上は争いも無く、互いに利益を得て
 ジェイロを共に変えていくというのでしょう。
 ……実際のところを言えば、
 争うには両者の武力差がありすぎるし、
 自然信仰の民に開拓が本当にメリットかどうか。]

(43) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:06:49

あとつぎ テンガン


[学力を確かめるテストでは問題が無かったそうですが
 僕は学校に数年間通っていなかったので、
 中等学校でも一つ下の学年に入ることになりました。

 しかし付随する図書館にいつも入り浸っているのは、
 交流にやりにくさを感じているわけではないです。
 なれない銀河語を使う点では、皆同じですし
 今まで同年代が周りにいなかった僕には
 一つくらいの年の差は誤差の範囲内です。

 父はそうしてほしかったのでしょうが、
 何も考えずただの子供として彼等と親睦を深めるなど
 僕にはどうしても出来ませんでした。
 ええ、勿論。クラスメイトとして無難には
 関わっているつもりですが。]

(44) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:07:04

あとつぎ テンガン


[──知ることは守ることの対極にあった。

 行ったのは、ジェイロの神殺しに等しい所業。
 サンクチュアリを破壊したのは我々研究者である。

 いつか父により先住民に紹介された時、
 返ってきた冷たい反応に含まれた警戒の意味
 子供にすらそうした感情を向けねばならなかった。

 まるで追い立てられる草食動物のような目を
 ……このところ何度も夢に見ます。

 そうすると強迫観念のように思うのです。
 出来ることを探さねばならない、
 子供だから仕方ないでは許されないのだ、と。]

(45) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:07:18

あとつぎ テンガン


[だから今日も図書館の片隅に本を積みます。
 様々なジャンルの本から、
 何かを見つけ出そうとしています。

 開いたのは、銀河の主要惑星の歴史書。
 エネルギー開発や惑星の環境汚染の解決に取り組む
 先進惑星で組まれた同名の中心的な星。
 ジェイロに研究者を送り込んだ当事者とも言える。

 その惑星では過去に規模が大きい争いがあった。
 異星人でも異民族でもなく、
 政治的問題から発生した同種間での内紛。

 記述と共に載せられた写真の中では、
 軍服姿の人間達が荒れた街並みを背景に立っている。
 どうやら市民の救助活動の様子らしい。

 争い奪うのが人間ならば、守り救うのも同じく。
 そしてどちらの行いにも兵力は必須なのだ。]

(46) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:07:31

軍人志望 テンガン


[舞い降りた思考は僕にとって天啓のようでした。

 そしてその瞬間、
 一連の出来事による失望で染められつつあった
 父ら研究者への憧れは、後継となる夢は
 ──泡沫のように消えてしまったのです。

 重い本を抱える足取りは軽くありました。
 いつもそうしてフィールドワークから帰ったのも、
 目指すべき道が定かだったからなのかもしれない。

 思い出と現在はかけ離れてしまったのに
 不思議と重なって思えました。]

(47) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:08:07

軍人志望 テンガン

[そうして一日を終えた夜には、
 久しぶりに勉強以外の目的で机に向かいました。

 目の前には、共にポールに来たもの。
 父から転送されたもの、思わぬ形で届いたもの。
 合計三通の手紙があります。
 ああ、それともう一通。
 いつも素敵な驚きをくれる電子の魚も忘れずに。

 転送の手紙が届いた際買ったレターセットもある。
 学業を頑張っているなら再びやり取りをしてもいい、
 添えられていた父の文にはそう書いてありました。

 想像した彼の意図は間違いではなかったのでしょうが
 送り主が誰なのか知ったからでもありそう。

 けれど僕は二人の行動に長く応えられなかった。
 忙しさと気持ちの問題で筆を執れなかったのです。
 僕のように皆も引っ越ししていないといいのですが。
 ともかく謝罪から始めないといけませんね。]

(48) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:08:46

軍人志望 テンガン

[僕は、ポールで基礎的な学業を終えた後は
 ジェイロの開拓計画の中心となっている惑星で
 軍人になろうと思います。

 そしていずれ、権力を持つ立場まで上り詰めて
 ジェイロに関与するつもりです。

 時を巻き戻すことは出来ません。
 未開の星が銀河の星々へと拓かれていくのは、
 やむを得なくとも、悪いことだけではなくとも
 エリトラのように汚染され原生生物が滅びる未来は
 避けたいと、行動したいと思うのです。

 政治家などではいけません。
 武力を持ち実際にあの惑星に自ら足を運べる。
 そんな立場が望ましいのです。

 それには沢山の時間が掛かるでしょう。
 何か争いが起き、出兵し何も叶わずに死ぬ。
 ──そんな未来もあるかもしれません。]

(49) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:15:23

軍人志望 テンガン


[それでも、
 同じ子供や無垢な魚や数多の歴史をする賢人へ
 悩みながらも結局将来については語れないままでも。

 僕は道を定めました。
 これが、僕の示す惑星ジェイロへの愛です。

 願わくば、手紙の中で僕を知る彼らが
 テンガンの名を忌むような大人にはならないまま
 あの星を自由に出来ますように。*]

(50) ガラシア 2023/04/29(Sat) 02:18:02

揺らぎ アルレシャ

こぽぽ



  たくさん たくさん
    アルレシャのまわりに 言葉 が降るよう

        内側の世界でも アルレシャは幸せだけれど

    こうして たくさんの人たちと 色んなお話するのは 幸せ


      お手紙 出して良かった



                     こぽぽぽぽ

(51) kkr 2023/04/29(Sat) 09:48:11

揺らぎ アルレシャ



   いつか 会えたら

     ユオピスクの海に 来たら


    一緒に寄り添って 泳いだり

       泳げなくても 背中に乗せて 潜ったり


  色んなことを してみたい


            お手紙ごしのお話は アルレシャに降る 花のよう


 

(52) kkr 2023/04/29(Sat) 09:50:06

揺らぎ アルレシャ





   ゆぅらり ゆら ゆら

     言葉が 海を漂うように アルレシャへと降ってくる


    とても やさしい ことば


          ふる 言葉 はきっと


    宇宙でであえることもきっと 奇跡みたいなもの?

      おてがみをださなければ こうはならなかった ね

 

(53) kkr 2023/04/29(Sat) 09:52:35

揺らぎ アルレシャ



   ぎゅっとはじめてきた手紙をだきしめて

     その宝物はたくさんになってゆく

 

(54) kkr 2023/04/29(Sat) 09:53:32

揺らぎ アルレシャ



   今 ひらいている 手紙は

    わあ と驚く 子供が描かれた絵の手紙


     透明な魚と思われているけれど

   本当に会えたら どんな顔をするかなあ

             "伝わったよ"とテンガンにお返事しよう

 

(55) kkr 2023/04/29(Sat) 09:58:36

揺らぎ アルレシャ




  偉い人に テンガンはなるのかもしれないけれど
   テンガンに寄り添う魚に アルレシャはなるのかも
    それは 手紙ごしではあるかもだけれど

          まだ ちいさな手紙だけれど

   もっと たくさん みんなとお手紙でお話したいなあ


 

(56) kkr 2023/04/29(Sat) 09:59:01



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