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[そして、それは
隣で同じように大地を見下ろしている人も、また同じ。
白い星から視線を横へと動かして、少しためらいを残したまま]
……カラントさんはさ、
ホワイト・マーブルでも、やっぱり絵を描くの?
それとも、他に何をしたいとか…
誰か、待ってる人とかいたり、する?
[彼が、どんな生活を送るのか。
ずっと踏み込む勇気が無かったところに、
些細な一歩を踏み出してみた*]
[彼にとって自分は待つ対象になり得ていない。
まだ何も意思表示すらしていないのだから当たり前の話なのだけど
感じた痛みはそのまま、こちらに向いた顔が首を傾げたから]
ん…、座る。
[ぽふんとカラントさんの隣に腰掛けて
シアタールームで見慣れた角度で彼を見上げる。
船を降りたらもうこうして隣合うことも難しくなるかもしれないと思ったら、苦しくなって]
カラントさん、今。
待つこともない、って言ったけど。
私は、その、
カラントさんのこと待ったり、
私のこと、待っててもらったり。
カラントさんの隣に、
当たり前に居られるように、なりたい。
…………そう思うのは、迷惑になる?
[上手く言えない、纏まらない感情のまま
初めて抱いているこの気持ちを押し付けていいか、問いかけた*]
─ 回想:午後 展望施設 ─
[船の着陸についての理由は私も調べていなかったからそれ程話は広がらなかった。
いつもなら、今日は何書いてるの?見て良い?とか
遠慮なく聞いていただろうから怪訝に思われたのだろう
座らないのか、と聞かれたから座ったけれど
いつものようには出来なくて。
踏み込んだ問いかけは、やっぱり困惑を呼んでしまった>>16]
…そう言われてたら、
多分私、カラントさんのこと避けてたと思う。
[言った覚えも無いとカラント>>17の挙げたお世辞に、弱く苦笑して肩を竦める。
恋愛対象として意識されていないと分かる態度だったから
安心して側に居られた。
そうじゃなくなりたいなんて思うようになるとは知らなかったから]
過去の話は別に良いよ。
勿論、カラントさんが話したいことなら聞くけど、
言いたくないことなら知らなくて良い。
[私だって話してないことはいっぱいあるし、過去もある。
カラントにだってあるのは当然だし、私の言葉に躊躇うだけの理由もあるのだろうが、
話したくないなら無理に聞き出したいとも思わないと返した後。
とん、と立てられた音から映し出された映像に、
一体これは何、と問うように見た彼から教えられた事>>18に
目を丸くして]
これ、全部作ってるの?
あ、空はスクリーンで映してるのかな…
山はこれ、表面を土で覆ってる?
[実物ではないホログラムでは分かり辛いけれど、じっくりと見れば推測できる材質もある。
細かい部分まで気になると集中して見ている間もカラントさんの説明は続き]
[そんな中、
私が彼へとした問いかけに向けての問を
彼から返されたから、好奇心に占領されていた意識がこちら側に戻り
彼へと向き直り]
好奇心は、あるよ。
同じものを見ても、カラントさんは私と全く違うものの見方をしてる。
どんな風に見えるんだろう、思うんだろう。
その手が、どんなものを生み出すんだろうって。
そこを知りたい、知っていきたいって思う所が大きいのは本当。
でも、それだけなら私、
今までだって色んな人に思ってきた。
[取材だったり、プライベートだったり。
好奇心を刺激された相手は数知れず居たし、その人達と交流も持ってきた。
けれど、それは純粋な好奇心だけで]
私以外の誰かに、
カラントさんの隣に座って欲しくない。
その手に触れたいし、
触れて欲しいって思ったのは、
カラントさんが初めてで。
それが何でなのか、自分でも、分からないの。
[なんでカラントにこう思うのかを知りたい。
これも好奇心といえばそうだろう、
でも誰でも良いのではなく、カラントだけなのだと真摯に伝えた*]
─ 回想:日中 カフェ ─
[物思いに耽っていたせいで気付かなかったと認識している私は
変な声を出したのは私自身のせいですすみません>>26、と申し訳なく思っていたので
いつもよりも香りの良い珈琲が、スイッセスさんからのお詫びとは全く気付かず]
あぁ、そんな
すいません持ってきてもらっちゃって!
えぇと、良かったら
スイッセスさんも何か如何ですか?
折角だし、私も追加で何か…
ブラウニーでも頼もうかなって。
[せっかく淹れてもらった珈琲だ、
甘味と一緒に頂けば、より深みを味わえるだろう。
お礼がてら同席を勧めたわけだが、どこまで受け入れてもらえたか。
ともあれ、暫しの時間の共有は叶い
スイッセスさんから向けられた問いかけ>>27にぱち、と瞬いた後]
そうですね…
こうする、というのは決まっていたんですけど。
したいことは、まだ…
輪郭が掴めていないのが、正直なところです。
[何せ自分の中で自覚したか、位の思いだ。
思わぬ気掛かりが出来たことも含め、考える時間が少なすぎて今はまだ、変わりたい位の曖昧さしかない。
答えながらの苦笑は、スイッセスさんに向かう時にはなりを潜めて]
スイッセスさんは。
船に乗り込まれた時、本を持っていらっしゃいましたよね?
…あれは、読み切れましたか?
[読み終わったか、ではなく最後まで読めたか。
ずっと気になっていたそれを、問いかけた*]
………どきどきしすぎて、
よく、わかんない
…てゆか、顔って、
こんな熱く、なるものなの…?
[触れたいと思ったし、
触れて欲しいとも思ったとは言ったけれど
すぐに叶うとは思っていなかったから心構えも何も出来てなくて。
なんだか顔を見られるのも恥ずかしくて、
視線をそらしながらカラントに問いかけた*]
[それから、
この間言ったと思うんだけど>>140との前置きから切り出されたのは
先日彼が観ていたエンドロールの映画が起点の話。
あの映画のアンドロイドに起きたことを実際体験しているとの告白から
カラントさん自身にあった過去を聞いた>>141>>142。
あの時私はどんな答えを返したのだったか>>1:198。
蔑ろにされて平気でいる人なんて居ないと言った私の言葉を、カラントさんはどんな気持ちで聞いていたのだろう。
今目の前で淡々と話しているのと同じように、
あの時>>1:211も、彼から感情の揺れは感じられなかったけれど]
……そっか。
[自分の都合を押し通した結果、取り戻せない時間を望んで代替品を愛でる。
勝手すぎると責めるのは簡単だけれど、私だって書く自由を奪われたらどうなるか分からない。
今まで在った生き甲斐を失って、新たに見つけたものが代替であれ叶うなら。
その葛藤も、憤りも、カラントさんはもうとうに見切りを付けているのだろうから。
私に言えることは何も無く。ただ、聞いたことだけは受け入れた後]
私とは逆なんだね。
私は、代替品になれなかった方だから。
[彼が明かしてくれたように、自分の過去も明かすことにした]
私たちが住んでたところは文明の最先端だったけど、
男しか継げないなんて時代錯誤な家でね。
兄弟のスペアとして作られたのに、
女で生まれた私は最初からできそこないだったの。
…せめて少しでも役に立つ所に嫁がせるために
ひいおじいちゃんの名を使って
好事家あたりにちょっと顔を売れるくらいで良かったのに
私はそんなこと分からなかったから、すごく頑張っちゃってね。
[ずっと不要品として、居ないものとして扱われていたから
初めてこれをしろと言われ、応えようと必死に書いた。
一人で読みふけっていた先達の本から得た人の心、動きを基に
書き上げた
壮年の男性の、変わらぬ日常は
10代が書き上げたとは思えないと高評価を得られたけれど]
私の書いた本を読んだ人達から、
自分のことまで私に書かれたくないって、
逆に嫌厭されるようになって。
縁を繋ぐ役にすら立たない役立たずは要らないって
家族の縁を切られたから、此処に来られたの。
[家族から縁は切られたけれど、曾祖父の姓を分籍で貰ったし
自分も、家族を続けたいと願い続けることはもう難しかったから。
血を分けた家族から離れたという点ではカラントと同じだと笑ってみせて]
本題?
[ここまで言ってなんだけど、と仕切り直された言葉に首を傾げたら
端的に、私の申し出についての答えが返された。
あまりにあっさりだったから、最初何を言われたか理解が遅れたくらいだけど]
……ふぇ…?
[カラントから見て魅力的だと言われたと理解して、
やっと熱さが収まったと思った顔にまた熱が集った。
恥ずかしくて嬉しくて、頬に手を当てたまま]
…じゃあ、その。
隣にいさせて、くれますか?
[カラントさんに視線を向けて、問いかけた*]
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