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[そんな私に、居住まいを正されたスイッセスさんから
式番まで含めた正式な紹介を受け。
光栄ですとまで言ってくれた相手に、私も向き直り]
こちらこそ。
実は、宙色の鍵は
小説家としての私が初めて自分の為に生んだ物語なんです。
同じ年を重ねた方に、読んで頂けて良かった。
[作家の私と、同じ年月を生きた彼に届く物語を書けて良かった。
そう言って笑った後、彼が話してくれる感想を聞き、
作家になった経緯や苦労などは流石に面白い話でもないから濁すものの、
スイッセスさんが作品内に抱いた疑問には何でも答えただろう。
勿論、サインを下さいというお願いも、
もし相手の方が望まれるなら、スイッセスさんが感想を言い合ったという方にもサインを認めるくらいには快く応じたのだった**]
─ ホワイト・マーブル移住後 ─
[アーネストさんは暫く病院に付き添いするだろうし、
妹さんも知らない人が周りに居ては気が休まらないだろうから
アーネストさんの着替えを届けたりとか、
調査会社との連絡や打ち合わせは私が引き受けるくらいで、
状況が変わるまでは積極的に関わらないことにした。
そんなわけでホワイト・マーブル移住初日はともかく、
次の日から暫くは生活の基盤を整える方に集中していたのだが]
あ、ここ良い匂いしてる。
バケット試しに買ってみよっかな。
[元々そんなに私物があるわけじゃなく、
家具も備え付けのものでほとんど賄えたから
時間を取られるのは大量にある資料の収納くらい。
急ぎの仕事も今は無いから、そこまで慌てる必要もなく初めての一人暮らしを楽しむ余裕があった。
仕事が詰まると時間を忘れがちだから
余裕のある内に近所の把握をしようと思って出た訳だが]
…あれ?
[何の気なしに寄ったパン屋さんのイートインに、
見慣れた──とはまだ言い難い姿に気付いて足が止まった。
あの返事をした後、通信を開いても送っても無かったから
こちらから声を掛けるかどうか、すごく悩んだけれど]
…久しぶり、っていうにはちょっと早かったね。
こんにちは、カラントさん。
隣、座るね?
[隣に居たいと願った人相手に、偶然会えた嬉しさの方が勝ったから。
頬を赤らめながら、カラントさんに声を掛けた*]
[そんなこんなで、思っていた以上に早くカラントさんとの交流も始まって。
アーネストさんから妹さんの転院が決まったと連絡が来た時>>322にはカラントさんのお家にもお邪魔するようになっていただろう。
本当ならシアターやジムで共通の交流があるアーネストさんにはカラントさんとのことを伝えるべきだろうけど、
流石に妹さんのことが落ち着くまで浮かれた話を伝えるのも、気が引けて言えなかった。
改めて言うには恥ずかしくて、中々切り出せなくなるとはこの時には思ってもいなかったわけだが]
ほんと?良かった。
それじゃ、妹さんの体調が良い時に呼んでくれる?
しばらくは急ぎの仕事入れないから、いつでも良いよ。
[妹さんも会いたいと言ってくれてると聞いて、
妹さんの体調に合わせて会いに行くと約束をした通り。
数日後には、彼女と初めての対面をできることになった]
[新しい病院は、私が住んでいる所から3駅程の近さだった。
連絡を貰ってそれ程待たせること無く訪問した病室には
全体的に細く、けれどきっと前よりはふっくらとしたのだろう女性が
ベッドの上、半身を起こして待っていてくれて>>323]
いえ、私が手を貸せたのは
アーネストさんが助けてって言ってくれたからです。
それも、妹さんが助けを求めてくれなかったらできなかったことですから、
こちらこそ、助けてと声をあげてくれて、アーネストさんに伝えてくれてありがとう。
そして、初めまして。
私はアーネストさんの友達の、サンシアです。
お名前を、伺っても良いですか?
[こうして妹さんからも名乗ってもらった後は、
ビューさんへと変わった呼び方に
アーネストさんが居ない時にもお話出来るくらい距離が縮んでいった]
[お気に入りのパン屋さんで売っていたシフォンケーキが美味しかったから。
今日はそんな理由の手土産付で訪れた病室で
ビューさんといつも通りの他愛ない話をしていたのだが]
え?
アーネストさんも?
[おねーちゃん好きな人いるんだよ>>324のタレコミに、
思わず返した声は自分も、と取れるものだったが
それに気づくよりアーネストさんの想い人についてを話したい熱意の方が強かっただろう。
船で出会った人で、珈琲を淹れるのが上手い人、という言葉に
浮かぶのは一人の男性──
落ち着いていて包容力もありそうで、私の作品を大切に扱ってくれた人だ。
彼がアーネストさんの想い人で、想いを受け取ってくれるなら
きっとアーネストさんは、誰より大切に思われるだろう]
…その人ならきっと、
アーネストさんのこと
誰よりも幸せにしてくれるよ。
それだけじゃない。
幸せにも、なってくれる。
そうなったら、
私たちも、幸せになれるね。
[自分がそうであるように、アーネストも恋をしているなら。
そしてその恋の相手があの人なら、きっと悪いようにはならないだろう。
言葉にした通り幸せを感じる笑顔でビューさんに同意しながら、いい加減恥ずかしさに甘えず自分もカラントとのことを話さないとな、と内心で呟いた**]
── 海辺の病院・妹とサンシア ──
[初対面の時、妹は緊張しつつもサンシアの言葉を真面目な表情で聞いて、何度も感謝の言葉を口にした。
でも、自己紹介がまだだと気付いた時には>>335
素に戻って慌てた様子を見せ
『ああっ!自己紹介がまだでしたね!
ご、ごめんなさいっ、お礼を言うのに必死で……!
改めて、私の名前はビューです。
今後ともどうかよろしくお願いしますっ!』
なんて、勢いよくぺこりと頭を下げたのだ。
そんなこんなでサンシアと妹との交流は始まった]
[その後、何回か交流を重ねてすっかり打ち解ける妹。
今日もサンシアが持ってきてくれた手土産のシフォンケーキを嬉しそうに受けとって、冷蔵庫に入れてあったオレンジジュースをお供に世間話に花を咲かせる。
姉の恋愛話になれば自分のコトのように熱弁したりしてすっかり姉の恋路を応援モードだ。
サンシアの言葉を聞けば。>>337
『えっ!サンシアさんも知ってる人なんですかっ!?
わあぁ……! お話、聞いてもいいですかっ?
ふふっ、おねーちゃんに好きな人ができてよかった。
実は心配だったんです。
おねーちゃんが私たちのために頑張ってくれるのは嬉しいけど、それでおねーちゃんが普通の女の子みたいな恋愛や暮らしをする機会を犠牲にしてるんじゃないかって……、
だから、その人がおねーちゃんを幸せにしてくれたらいいなぁ。
ね、サンシアさん。
私たちも、幸せになりましょうね』
にっこり笑って甘いシフォンケーキを頬張る。
穏やかで幸せな、そんな日常の一幕]
[その数日後、
サンシアが妹を訪ねると妹が興奮気味に熱く語り出すのだ。
『サンシアさん!聞いて聞いてっ!
おねーちゃんぜーったい!恋人できたよっ!!
ある日行先も言わないでふらっと出かけた日があったんだけどね。
その日から明らかに様子が変なの!
毎日着てたライダースーツをやめてワンピースとかスカートとか女の子らしい服を着るようになったし、メイクやアクセサリーなんかもこだわるようになったし。
急に思い出したみたいに顔を赤くしたり、幸せそうな顔で笑ってたりとかさ!
顔つきも「恋する乙女」!みたいでねー。
ぜーったい恋っ!!!!!
あー今日はお赤飯たかなきゃっ』
なんて、自分の事のように姉の恋路(勝手に認定)を祝福するのだ。
そうしてサンシアとその喜びを共有しようとするのだ]
[ちなみに、その数年後。
体調が一般並みに回復してきた妹は、サンシアが手配してくれていた法的措置を使い元夫に今までの暴言・暴行への慰謝料請求の裁判を始める。
辛いこともあった、昔を思い出してまた体調を崩す事もあった。
それでも最後には裁判に勝利し多額の慰謝料を元夫から巻き上げる。
そうして妹は手にした多額の慰謝料を元手にこの地でたくましく生きていくのだ。
今度は自分の幸せのために、人生のために。
自分を救うヒーローになるために。
妹は姉の背を励みに前を向いてたくましく生きていく。
こうしてまたこの地に新しいヒーローが生まれた。
おめでとう!そしてありがとう。
妹の旅路に幸多からん事を。**]
── とある日の一幕 ──
[サンシアとカラントが付き合っていた!!
その事実を知ったアタイは即座に。
『こンの薄情モノーーーーー!!!
えっ!カラントよく連絡取り合ってたよね?
彼女いるって言ってたよね。(興味無くて流してたけど)
共通の友人のサンシアとは聞いてないっ!
ひどいっ!アタイだけ仲間外れにしたー!
ちゃんと言えよ!もぉー!!
アンタ言葉数少なすぎなんだよォッ!』
などと、電話や直接会って伝えただろう。
あったかもしれないそんな日常の一幕]
[ちなみに、サンシアの場合はカラントのように怒ったりしない。
驚きつつも妹の事情もあったのだ。
その気遣いを感謝こそすれ怒ることなどない。
少し驚きつつも優しく笑って。
『そっか、教えてくれてありがと。
アイツ、無骨で口数も少なくてさー
たまに何考えてるのか分かんない時もあっけど、
悪いヤツじゃないのは確かだからネェ。
おめでと!幸せになりなよ。
後、アイツの愚痴とかあったらいつでも聞くから!』
なんて二人のコトを祝福するだろう。
カラントの前では『なんでこんなヤツが良かったンだい?』なんて悪態をつく距離感で。*]
─その後─
[ホワイト・マーブルでの暮らしは、最初は簡単なものではありませんでした。
移住先を決定してから行ったわけではなかったため、まずは移住先の家を探すところから始まります。文化が違う、マナーも違う、なんなら言語が違うひとたちだって居たかもしれません。そういった地球での"普通”が通用するわけでもないひとのなかで、暮らしの仕方を覚えながら、わたしは毎日を過ごします。
家は、街のアパートメントなどであればすぐにでも入居ができたのですが、すこしだけこだわって場所を探しました。
手に入れたのはホワイト・マーブルの中でも比較的地球に近い植生の、自然豊かな場所でした。広がる筈の緑が、白く輝いて見えたのは、ホワイト・マーブルならではでしょうか。]
この場所がいいです。
[選んだのは、宙にも近い、丘の上の小さな家でした。]
[昔むかしのおとぎ話。輪廻転生の物語。ふたりのちいさなきょうだいが幻の星を見つけにいく物語。きらめく幻の星、それを目指して歩いて行けば、ずっとずっと会いたかったひとがお星さまになってふたりを待っていました。>>0:37
わたしはいま、ひとりだけれど、宙に近いこの場所でなら、会いたい星に巡り合えるかもしれません。そんなメルヘンなおとぎ話をずっと信じているわけではないけれど、それでもこの場所がわたしにとっては相応しいのだと思いました。
何もない白い家に、2枚のハンカチを飾ります。贈ってくれた社長さんにはお礼は言えなかったけれど、いつか手紙を書こうと思います。幸い向こうは有名人でしたから、きっと、手紙は届いたはずです。]
[わたしは、まだ何もないこの場所に、遠い未来の夢を見ます。
もう少しこの世界に慣れたなら、わたしたちの家をつくりましょう。庭にはカトレアとジャスミンを植えて、いつか香り一杯の花畑にしましょう。お庭にテーブルを置いたなら、いつかまた出会うはずのドルチェは遊びに来てくれるでしょうか。スイッセスさんの珈琲でティータイムも素敵です。
家のなかにはたくさんの本を並べましょう。もちろん記念すべき1冊目はあの絵本。それから庭で教えてもらった「冒険」の話や、大好きな作家さんの本も並べましょう。
あの長くて短い旅路の中で出会ったひとたち、ひとりひとりに想いを馳せます。なんといってもわたしが"リーン”になって、初めて会ったひとたちですから。忘れることなんてありません。]
今日も一日が幸せでありますように。
[うんと背伸びをしたならば、わたしはふたりぶんの魂を抱きしめて、新しい世界に踏み出していきます。
宙を見上げて、思います。
あなたは、思い通りの色の空を今頃眺めているでしょうか。]
あなたも、幸せでありますように。
[多分一生届くことのない声を、ホワイト・マーブルの宙へと投げかけます。家の中からは甘いクッキーの焼ける匂いがしました。
今、わたしの目に映る空の色は ────────── **]
[書けと言われたから書いた私の処女作は
曾祖父の著書の出版権を持つ会社から賞を貰った。
受賞の賞金は私の手元に来なかったものの、
三年間の作家契約は私のものとなって
結果、そのおかげで今いる私は守られた。
尊厳が踏みにじられそうになって、
無体を働かれる前になんとか逃げ出したけれど、
怖くてどうしたら良いか分からない私に
担当についてくれた人が、逃げて良いと言ってくれて。
作家としての立場を確立する為に書けるだけ書いて
自立する為の力を付けなさいと励まし、
支えると言ってくれた言葉通り
作家契約の更新と共に家出した私を引き受け、
共に暮らしながら自活できる術まで与えてくれたから]
[そのおかげで私の心は殺されずに済んだし、
家族の思惑を潰しまくった代わりに
血の繋がりだけの縁を切ることも出来て。
でも、それまでに間接的にも直接的にも向けられ続けたよこしまな悪意に、
大柄な身体や、大きな手は苦手になっていた。
勿論、非道を行うのは男性に限った話ではないし、
男性が全員そうではないことも知っている。
なので誰彼構わず避けることは流石にしなかったけれど、
新たに築いた人間関係は、以前より更に距離を保つようになった。
ろくに知らないのに、怖い、と押し付けるのは嫌だったから。
このまま誰にも近付かず、
物語を生み続けるだけで良いと思っていたのが
まさか、一人の人の隣にいたいと願って、
隣にいても良いと言ってもらえる日が来るなんて
地球にいた時には、思いも寄らなかった]
[そんな予想外から始まった新生活の拠点は
一人暮らしには大きな一軒家。
淡い橙色を基調とした煉瓦壁に、深みのある緑の屋根。
シンプルにクリーム色の壁紙で統一した部屋の中
一番目立つのは、オーディオルームと
壁にびっしりと本棚を並べた資料室だろう。
それ以外は必要最低限の家具家電と執筆用の机のみという
シンプルに書くことだけを想定した室内と、
連れてきてもらったカラントさんのおうちは、全然違った]
ふわぁ…
すごい、うちと全然違う…
てゆか、あれ、あっちに置いてあるのってジオラマ?!
カラントさん、あの、近くで見ても大丈夫なのってある?
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