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一人旅 レット に 10名が票を入れた。
籠の鳥 ドルチェ に 1名が票を入れた。
一人旅 レット が断頭台の露と消えた。
今朝は全員が顔を見せた。
何もなかった?
もう怯えなくてよいのだろうか。それとも──……。
村人達は互いに手を取り合う。
ああ、血の恐怖に怯える日々は去ったのだ──……!
―― 午後・カフェ ――
[礼拝堂で祈りを捧げ終わったアタイはカフェに足を運んだ。
スイッセスさんに贈り物のお礼の絵葉書をその場で大急ぎで送ったものの、やはり叶うなら顔を見て直接お礼が言いたい。
彼がいつもいるカフェに足を運べば辺りを見回し]
えーっと、スイッセスさんはいる?
ちょっと用があるンだけど……
[なんて近くのペン吉にスイッセスさんの不在を訪ねただろう。*]
―― 悩める父親へ、正義のヒーローからの手紙 ――
[それはいつの頃だっただろうか。
ツァリーヌ宛てにペン子が一通の手紙を持ってくる。
仮面ライダーのイラストが描かれた便箋の中。
一文字ずつ丁寧な筆致で書かれた手紙にはこう書かれていた。
『ツァリーヌさんへ
あれからヒーローゴーグル大事にしてくれてありがとう。
(実はバーで着けている姿をこっそり見てたよ)
もし子供たちとの接し方で悩んだ時、アタイに相談してくれれば力になれると思う。
だから、困った時はここに連絡してください。
困った人を助けて子供たちの笑顔を守る。
それがヒーローの仕事だからサ。
正義のヒーロー・アーネストより』
手紙の最後にアーネストの連絡先が添えられている。
正義のヒーローへのエマージェンシーコールだ。*]
―― 午後・自室にて ――
[カフェでペン吉にスイッセスさんに用があると伝えた後。
一度、自室でレットからの贈り物の紙袋や小箱などの小物を丁寧にトランクにしまっていた。
大切な贈り物をされた時は梱包された包み紙や紙袋なども大切に保管してしまうほうだ。
だから地球にいる時は弟妹からの贈り物の保管スペースに困ってたっけ。
弟妹たちとのコトを思うと自然と笑みがこぼれる。
そうしていればペン吉が部屋のドアをノックする。
スイッセスさんからの伝言>>35を聞けば、伝言通りすぐに向かおう。
『すぐに来てください』ってコトはスイッセスさんは忙しいのだろう。
貴重な時間を割いてもらっているのだから、と。
ライダースーツに着替える時間も惜しいと自室を後にする。
そして白いサンドレス姿のまま小走りで部屋まで向かおう。
胸元には愛弟子から貰ったタフィーピンクのネックレスを着けて]
―― スイッセスさんの部屋 ――
[部屋の前に到着すると弾む息を整え丁寧にドアをノックする。
招かれたのなら丁寧にお辞儀をしながら]
……あっ、この服装は、えーっとですね。
急いで来たからというか、
ヒーローの休日というか……えっと、
[部屋に入る前に今更に自分の服装の変化に思い至り
かあぁと顔を赤くしながら気恥ずかしそうに俯いて]
お、女の子っぽい服もいいモンだなァって。
スイッセスさんが誰かに頼ってもいいって教えてくれたから。
普通の服が来てみたくなったンです。
[ヒーローの重荷を下ろすきっかけをくれた人。
そんなスイッセスさんに感謝を伝えたくてまだ赤い顔を上げながらも真っすぐな視線を向ける]
[そうして話しながら、部屋へと足を踏み入れる。
そーいえば、男の人の部屋に入るのは初めてだなァなんて、
頭を過ればさっき小走りできたせいか、緊張のせいか、胸の鼓動が早く感じて気まずそうにそわそわと部屋の中に目を泳がせる。
そうすれば視線の先に壁に大事に飾られたアタイのサイン>>36]
わぁ、ホントーに飾ってくれてる……!
ありがとうございます、スイッセスさん!
[胸の鼓動を落ち着かせるように胸元を押さえながらスイッセスさんに笑いかけ。
すこし落ち着いたなら改めて感謝の言葉を伝えよう。
ぺこりと礼儀正しく頭を下げて]
今日は素敵な贈り物をありがとうございました。
手紙でも伝えたけど、直接会って伝えたくて……!
[顔を上げたなら感謝と共に笑顔を贈る]
あ、用事ってこれだけなンです。
貴重な時間を割いてもらってありがとうございます。
あ、それから、えーっと……
[感謝の言葉を伝えたなら用事はこれで終わり。
でも、すぐに別れがたくてしばし言葉を濁らせる。
今日でアタイの知るスイッセスさんは消えてしまう。
記憶を消されればもうアタイのコトも、今まで話したやり取りもすべて忘れてしまうのだろうと思う。
つまりこれが最後のやり取り。
でも、でもそれでも――……]
[意を決したようにスイッセスさんを真っすぐ見つめ]
よかったら、船を降りた後のスイッセスさんの息子さんの住所をおしえてくださいっ!
アタイ、スイッセスさんの記憶がなくなっても会いに行きます。
何度だって友達になりますっ!!
だから、だからっ――……
[どうかまたその温かい手で頭を撫でてほしい。
穏やかな時間を共に過ごしたい、って。
湧き上がる強い想いに伝えたい言葉が詰まり、涙があふれ出して止まらなくなった。
ダメだ、こんなトコで泣いちゃっ、て。
そう思うけど涙は止まってくれない。
頼む涙よ、止まってくれ。
アタイはまだまだスイッセスさんと話していたいんだ――……!*]
―― 最終日の夜・レットへの手紙 ――
[アタイは一日の終わりにレットへの手紙を自室で書く。
早ければレットが寝る前に、遅くても明日の船を降りる前にはレットのもとへと届けられるだろう。
白地にレースの縁取りがされた上品で女性らしい便箋。
愛弟子が背伸びしてプレゼントを選んでくれたように、
アタイも少し背伸びして大人の女性らしい便箋を選ぼうか。
ホントはこんな上品なの使うの初めてなンだけど。
背伸びしすぎかねぇ、なんて少し苦笑しつつ。
相変わらず一文字ずつ丁寧に文字をしたためよう。
(学がないからこそせめて字は読みやすくキレイに、
そーしないとアタイの気持ちが伝わらないからね)]
[そうして届ける愛弟子への感謝の手紙
『大切な愛弟子レットへ
すごくクールなネックレスをありがとう。
どんな高い宝石よりもアタイはこの石が好きだよ。
だってレットの愛情がいっぱい込められてるからね!
実はアクセサリーのプレゼントなんて初めてでサ。
驚いたけどすごく嬉しかったよ。
これからも大事に身に着けさせてもらうからね!
アーネスト師匠より』
書き終わればペン子に手紙を託してその背を見送ろう]
会えてたらお礼のハグして頭を撫でてやりたかったンだけどネェ。
ま、仕方ないか!
[会えなくても愛弟子の笑顔が目に浮かぶようだったから。
今はそれでもう充分すぎるほどだ。
窓の外に見えるホワイト・マーブルを眺めつつ、
胸元で煌めくタフィーピンクを指先で撫で
愛弟子の未来が明るいものであるよう願うのだ。**]
―― 最終日の午後・スイッセスさんの部屋 ――
[アタイの姿を見るなりスイッセスさんは息を飲み。>>62
そして褒めてくれる。>>63
それがまた気恥ずかしくて俯いて頬を染めた]
やっ、やだなァ。褒めすぎですよスイッセスさん。
[照れ隠しに頭を掻きながら慌てて否定する。
男性から「美しい」なんて言われるのは初めてで思わずドキりとしてしまうが、スイッセスさんは褒め上手だからきっとそんな言葉が出たんだな、と思い直して。
促されれば部屋へ足を踏み入れた。
走ってきたせいか、先程の誉め言葉のせいか胸の鼓動が早いのを誤魔化すようにきょろきょろそわそわと周囲を見回して]
[サインを見つければまた嬉しいコトを言ってくれる。>>64
立ち向かう勇気を貰えそう、だなんて。>>66]
へへっ、宝物にしてくれてありがとうございます。
スイッセスさんの力になれたなら嬉しいです!
[珈琲豆のお礼を言えば紡がれる言葉。
それが途中で途切れ――……]
……えっと、スイッセスさん……?
[こちらを見つめる視線に首を傾げる。>>67
――やっぱりこの服、変だったかな?
なんて少し居心地が悪そうに身じろぎ一つ]
[でも、それはアタイの勘違いだったようだ。>>68
再び面と向かって美しいなんて言われれば思い出したように頬が赤くなりスイッセスさんから目を逸らす]
だ、だから褒めすぎですって……!!
もう…、恥ずかしい、ですよっ…。
[恥ずかしいとなんとか口にして、
普段と違う女性らしい服装につられてか、いつものように強く言い返せない。
でも、こんなやり取りも今日で最後だ。
だからアタイは思い切ってスイッセスさんにお願いをする。>>44
ありのままの思いを真っすぐに伝えて、
こみ上げる想いを抑えきれずに涙を流して――……]
[泣きながらスイッセスさんの言葉>>69を聞く。
涙を止めようと必死なアタイにはその時、スイッセスさんがどんな顔をしていたのか分からない。
それでも聞こえる声音は穏やかで優しくて――……]
…………えっ?
[気付けばアタイはスイッセスさんの胸の中にいた。
一瞬何が起こったのか分からず目を見開いてスイッセスさんを見上げる。
でも両腕を背中に回されれば自然とアタイはスイッセスさんの胸に身を寄せる形になって――……]
す、スイッセスさんっ……?
[アタイはスイッセスさんに抱き締められているのだと理解する。
その抱擁は、胸板に寄せられた力強さは祖父が孫を抱き締めるような慈愛に満ちたモノというよりも、もっと、こう――……]
[そう、恋人を慰める男女の抱擁のようで]
っ〜〜〜!?
[アタイはスイッセスさんの腕の中で顔を真っ赤にして硬直する。
男の人に抱き締められたコトなんてないアタイはそれだけでどうしていいか分からずパニックに陥る。
流れていた涙もひっこんでしまった。
ただただ自分の胸の鼓動が激しく鳴り響いてその場から動けない。
ど、どどどどどうしよう!?どうしよう!?
混乱した頭はどうしていいか分からず真っ白も同然だ]
[でも、それでも。
混乱する頭のままスイッセスさんの抱擁から逃れようと彼の腕の中で必死にもがく]
だっ、だめです!スイッセスさんっ、
こ、こんなっ……、こんなっ……
[真っ赤な顔に涙の溢れた瞳のまま懇願するようにスイッセスさんを見上げる。
とてもとても困惑して戸惑うような眼差しを向けて]
奥さんが……、奥さんにっ……、悪いですっ!
[なんとかそう言って、叶うならその胸板を突き放して遠ざけようとする]
[だって、スイッセスさんには大切な奥さんがいるんだ。
だからアタイはそーゆー風に抱き締められちゃいけないんだ。
嵐のように混乱する頭の中でも揺るがない道標の星のように強く思う。そしてそれを目指す。
そうして願うのだ。
スイッセスさんの愛がアタイのせいで曇りませんように、と。
流れに身を任せてスイッセスさんの優しさに甘えて胸の中で子供のように縋り付いて泣くコトもできただろう。
優しいスイッセスさんは許してくれる。受け入れてくれる。
でも、それじゃいけないんだ。いけないんだと強く思う]
アタイはヒロインなんかじゃありません。
ヒーローなんですっ……!
[そう言えば今度こそ本気で力を込めてぐいっとスイッセスさんの胸板を押そう。
強い拒絶と、揺るがない信念を込めて。*]
―― スイッセスさんの自室 ――
[恋人のように抱き締められた時、正直動揺してしまった。
だって初めて男の人に抱き締められたのだから。
おじいちゃんだと思っていた彼が見せた男としての一面。
それは確かに怖くもあったけど、それは”人間”として接してきた証。
機械だから、という発想はアタイにはなかった。
仲良くなれていたと思っていた、だけど――……
拒絶して突き放せば糸が切れたようにスイッセスさんはアタイを離してくれる>>148]
スイッセスさん…………、
[失礼なことをしたと呟く彼にどんな顔をしていいのか分からない。
瞳に溢れていた涙が一筋、頬を伝って流れ落ちる。
沈痛そうな、そんな顔のまま呆然とツイッセスさんを見ていた]
[青ざめた顔で腕を見下ろす姿>>149はまるで
抱き締める誰かを失って呆然としているように見えた。
――ああ、この人は今、傷付いている。
それが分かっていても今のアタイに彼を慰める資格なんかない。
その資格はたった今、自分から手放したのだから。
スイッセスさんの言葉をその場で黙ってただ聞く。>>150
何か言いたいのに、言葉が見つからない。
『いいんだ、気にしないで』?
『びっくりしたけど慰めてくれる気持ちは嬉しい』?
『許すよ、アタイも突き放してごめん』?
色んな言葉が思い浮かぶけど、口に出せばとても薄っぺらい慰めに感じて口に出せない]
あ…………、
[独りにしてほしいと言われれば沈痛な眼差しで彼を見つめる。
何か言わなきゃ、慰めてあげなきゃ、
そう思うけれど相変わらず何も言えなくてその場に立ち竦むだけ。
そうして、必死に訴えられたなら>>151
悲し気に目を伏せながらも絞り出すように一言]
ごめん、なさい……、
っ………、
[深々と頭を下げてから、
くるっと彼に背を向けて部屋から走り去っていく。
胸の中は様々な感情でぐちゃぐちゃになって、
アタイは泣きながら廊下を走って自室に帰っていった。**]
―― ホワイトマーブル到着後・病院 ――
[様々な思いを胸にアタイは船を降りてホワイトマーブルの地に降り立った。
今日はいつものライダースーツを身に着けて、
サンシアも来るなら一緒に妹のいる病院へと向かおう。
――病室には妹がベッドに横たわっていた。
人形のように無機質で青白い顔で、
目は虚ろに天井を見つめて身じろぎ一つしない。
その姿のなんて痛ましいコトかッ!!]
ビューッ!!! アタイだ!お姉ちゃんだよ!
アンタを助けに来たんだよっ……!!
[アタイはたまらずベッドに駆け寄りビューに懸命に呼びかける。
感極まり涙を流しながら、何度も何度も]
[呼びかけ続けたなら妹の乾いた唇が緩く開き、
『おねえ…ちゃ……?』
微かにアタイを呼ぶ声。
ぴくりと投げ出された妹の指先が動く。
そうして徐々に虚ろだった瞳に光が戻り焦点がアタイの見つめる目線と合わさる。
つぅ、と静かに妹の瞳から涙が一筋零れた。
『おねえ、ちゃ……、おねえ、ちゃんっ……!
あいたかった! あいたかったよぉ……!』
そう言うと妹は堰を切ったようにベッドに横たわったまま大粒の涙を流して泣き叫び始めるものだから、アタイは妹の体を慎重に起こして優しく抱き締める。
妹の体は枯れ木のように瘦せ細っていて少しでも抱き締める力を強めれば折れてしまいそうなほどに細く、その衰弱した姿に胸が締め付けられた]
[妹を抱き締めながら昔のように優しく頭を撫でてやり、
ぽろぽろと、アタイも妹と一緒に泣いた。
そうして昔のように優しく語り掛けるんだ]
よしよし、よく頑張ったね。エライよ……。
ねーちゃんが来たからにはもう大丈夫だ。
アタイがアンタを助けるよ。
ねーちゃんに任せとけ。
[そう言えば妹はうんうんと何度も頷きながら腕の中で泣く。
『つらかった……つらかったよぉ……』
『私、いっぱいいっぱいがんばったの。でも、ダメだった。
ごめんね。ごめんね……、よわくてごめんね……
”役立たず”の”病気持ち”でごめんね……』]
[妹は男からいつも「役立たず」「病気持ち」と罵られていた。
手紙の内容を思い出してアタイは悔しさで唇を嚙みしめる]
何言ってンだいっ……、アンタは何にも悪くない。
悪いとしたら、そんなコトを大事な嫁さんに言う男が悪いんだッ……!
味方も頼れる人もいない星に放り込まれて、
頼りの男はアンタを奴隷のようにこき使うだけで何もしない。
そんな中でも幸せになろうと懸命にあがき続けたアンタはエライ。
生きているだけで、人間ってなァエライんだよォ……!!
[病室だから声を抑え目にしていたが、
最後のほうは感情が高ぶりやや語気が荒くなる。
そんなアタイの言葉を聞きながら妹はしくしくと泣き続けていたっけ]
[そうして泣き疲れて眠った妹をベッドに横たわらせながら
妹の主治医から妹の容態を聞こうか。
簡潔に言うと妹は睡眠薬の過剰摂取で病院に緊急搬送された。
ODの治療と並行して、慢性的な過労と心労による衰弱の治療。
体の服に隠れて見えない場所には数か所の痣。
痣は慢性的につけられた跡があり、骨折しないギリギリの力でつけられたものだ、と。
そこまで話し終わった後、主治医は溜息をつき。
妹が何度かこの病院に入院していたコト。
体が回復して退院の時にはふらっと旦那が表れて優し気な笑顔で妹を気遣うような素振りで病院を後にしているコト。
今回もきっと妹の体調が回復する頃に現れるのではないか、と。
そんなコトを教えてくれたのだ]
[話を聞きながら怒りを自制するためグッと拳をにぎりしめ。
その日は病院の許可を取り妹の眠るベッドの横にある椅子に腰かけ浅く眠った。*]
―― 男の調査報告書 ――
[調査を進めたなら男の行方も掴めるだろう。
簡潔に言えば男は酒場で大人しく親切そうな女性に手当たり次第に声をかけて身の上話を披露しているそうだ。
『自分は不幸な人間だ』
『両親に愛されず逃げるようにこの星に来た』
『妻とは「一緒に幸せになろう」と誓ったのに冷たくされ、
家計が苦しくても稼ぎもせずに寝てばかり。
俺は裏切られてひとりぼっちで孤独なんだ』
そういった話。
もし同情して寄り添おうとする女性がいれば手を出して、その相手は複数いること。
――報告をアタイが聞けば、男への怒りを新たにするだろう
そして妹とその情報を共有しよう。妹は青ざめた顔ながら『そんな気はしてた…』と力なく言った]
―― 数日後・病室 ――
[病院にきてからアタイはつきっきりで妹のそばにいて親身に世話をした。
そうしてようやくベッドから身を起こせるようになった頃。
主治医がやってきて退院してほしい旨を伝えられる。
妹の治療費が支払われていないコト。
病院へはあくまで緊急搬送で運ばれての処置だったと。
『体が動くようになったなら出て行ってほしい。
病院はボランティアでやってるんじゃないんだ。
病床の数にも限りがあるからね』
主治医はあくまで淡々と事実を語る]
なっ……! っ……!?
[アタイが主治医に文句を言おうとした時]
[――ようやく男は現れた。
親切そうな笑みを顔に張り付かせ、でも全く笑っていない目。
そんな表情で男がにこやかに現れる
そうして怯える妹に向かって諭すような柔らかい声色で語るのだ。
『ごめんね、俺にも悪い所があったと思う。
あれから何度も暴力を振るったことを反省したよ。
もう酷いことをしないと今度こそ誓うよ。
だから、さあ。 一 緒 に 帰 ろ う ?』
男は紳士的な素振りで妹に手を差し伸べる。
妹は現れた男を目にして体を震わせアタイの影に隠れる。
ようやく戻りかけた瞳から光が失われていく――……。
男がそれにチラと蛇のような冷たい目で見降ろしニヤ、と君の悪い笑みを浮かべた瞬間――]
[妹の中で何かが切れたのだろう。
病室に響き渡る叫び声をあげ、手当たり次第に手元にある花瓶や枕などのベッド脇にあるものを男に投げながら叫ぶ。
『ひいぃッ!ごめんなさいごめんなさい!殴らないで殴らないで!
ああああああああああああッ!!!
もうこんな暮らし嫌!帰って!帰ってよ!』
妹の悲鳴と怒号。
投げられたペンが男の額に軽く当たると男は本性を現し逆上する。
『なんだと!?俺に口答えしようってのか!!
誰のお陰で食っていけてると思ってるんだ!!
この裏切り者!役立たず!病気もっ……』
男の罵声が途中で止まる。
なぜなら――……]
[ヒュッ!!!!
アタイの繰り出したグーパンが男の顔面スレスレで止まる。
ブオッ!と拳の風圧と気迫で男の髪がなびき、突然の出来事に男は呆然としたようにその場にへたり込む。
その情けないゴミムシのような姿を冷ややかな目で見降ろしながら]
失せろ。次会った時は殺す。
お前は取り繕った上っ面の不幸を餌に他人の善意や幸せの上澄みを掠め取るだけのクズだ。
せいぜい物乞いみたいに惨めな人生を送って生きていけ。
そうやって独りこの世を呪いながら死んでいけ。
[そう言い放てば男はアタイを見上げながら真っ青な顔でガタガタ震えだし、転がるように病室を後にしていく]
[そうして男が逃げかえれば、
恐怖で震える妹の肩を抱いて優しくさすろう]
よしよし。もう大丈夫だ。
悪いヤツはアタイがグーパンで追い払ってやったからネ。
アンタはもう自由だ。
もうあの男の影に怯えて暮らさなくてもいいんだよ。
これからはねーちゃんがついてる。
アンタが幸せになる手助けをしてやれるよ。
……これからは自分の幸せのために生きな。
[ぎゅっと妹を抱き締めほっと一息。
その後、男が妹の前に姿を見せることはなかった]
―― 数週間後・海の見える病室にて ――
[あの後、アタイは妹を都心の病院から海の見える静かな田舎の病院に転院させた。
妹の病状はあれから徐々に回復していき、
今では調子のいい時は近くの海岸を並んで歩けるほどになっていた。
男との離婚もあっさり決まり。
(調査によればライダースーツの人間を見ると青ざめて怯えて震えながら逃げるようになったそうだ)
ようやく手に入れた妹との平穏で穏やかな暮らし――……
それでも妹の心身の傷が簡単に言えるワケではない。
時折、急に涙を流しながら吐いて寝込んだりして精神的に不安定になることもある妹に寄り添い支えよう。
大丈夫。時間はたっぷりあるし、おねーちゃんもいる。
妹が元気になり一人で生きられる力を手に入れられるまで傍で何度でも助けてあげよう]
[アタイは妹の体調が安定している頃合いを見計らい、
海の見える窓辺のテーブルに腰掛け、コーヒーミルで珈琲豆を砕いて丁寧に淹れた自家製珈琲を妹に振る舞おう。
美味しそうに珈琲を飲む妹が無邪気な声でアタイに声をかける。
『美味しい! おねーちゃん珈琲自分で淹れれるんだね。
味も優しくて気持ちが落ち着くみたい……』
珈琲の味を気に入った妹にアタイは笑いかけながら一緒に珈琲を飲む。
ああ……、やっぱり落ち着くな。この味――……]
この豆はネェ、ある人から貰った大事なものだよ。
この星に来るために乗った船で会った人に貰ったんだ……。
[懐かしさに目を細めていれば、妹がすかさず身を乗り出して。
『ねえ、その人っておねーちゃんの好きな人?』
なんていきなり言うからアタイは思わず珈琲を喉に詰まらせかけてげほげほと咳き込む]
な、なんでそんな話になるンだよッ……!!
[アタイが口元を拭いながらそう聞けば妹はクスクス笑って。
『だって目が恋してる目だったんだもん!
私ね、おねーちゃんより恋愛経験豊富なんだよ。
絶対そうだよー』
なんて生意気なコトを言うものだから]
ち、ちがっ……! アタイは、サ……。
[しばらく口ごもりながら、ぽつりと一言]
……その人に幸せになってほしいンだ。
あと、笑顔が見たいんだ。すごく優しい顔で笑うから……
好きだよ。うん……好きだ。
[なんて言えばすかさず。
『ほら、やっぱり恋じゃん!
おねーちゃん気持ちが顔に出すぎー』
とか、キャッキャと恋バナを始めようとするものだから。
うるさいっ!なんて頭をうりうりしてやろう。
アタイがどんな顔してたかだって?
さァ?鏡がないから分からないネェ。**]
/*
ふぅー。妹関連のお話、これにて終了です!
サンシアは好きな時に好きなタイミングのロル拾ったり拾わなかったりご自由にどうぞっ!
>>-132 ツァーリさん
ひとまずDV男にはグーパン(寸止め)しました。>>180
そして「恐怖症:ライダースーツの人間」のトラウマを植え付けました。>>182
―― 移住から1カ月後・海辺の病院にて ――
[妹と一緒にスイッセスさんの話をした後。
アタイは時折ぼーっと窓を眺めて考え事をするようになった。
スイッセスさんに恋?アタシが?
でも――……
あれから何度も頭を過るのだ。
最後の別れの時に見せたスイッセスさんの悲しそうな顔が]
……ん、悩んでても仕方ない。
行こう。スイッセスさんの所に。
[幸いにもマイケルさんの住所は知っている。>>163
ひとまずマイケルさんの所へと足を運ぼうか。
妹に見送られ(行先を言えばまた恋バナをねだられるから秘密にした)いざ出発だ]
―― マイケルさんの家 ――
[マイケルさんの家に向かう時。
いつものライダースーツじゃ不審者扱いされるかもしれないと身なりを整えて向かう。
白いサマードレスにタフィーピンクのネックレス。
奇しくも最後の人同じ服装でマイケルさんの家を訪れる。
彼は「スイッセスさんの知り合いで彼に会いたい」と言えば少し驚いた表情を浮かべながらもスイッセスさんの働き先と住所を教えてくれる。
そして記憶の消去もしなかったことも教えてくれた。
スイッセスさんの記憶が残っている!
それを知った時のアタイは最高にいい笑顔でマイケルさんにお礼を言ったことだろう。
「大切な思い出を残してくれてありがとうございます」って。
『父さん』>>58なんてマイケルさんがスイッセスさんを呼ぶから。
マイケルさんも悪い人じゃないんだって思う。
うん、よく考えれば当然だよね。
だってスイッセスさんの息子さんなんだから!]
―― 考え中 ――
[マイケルさんの家を後にして歩く道中。
働き先と住んでいる場所、どちらに行けばいいだろう?
アタイは少し悩む。
職場まで押しかけると迷惑にならないかな、とか。
住んでる場所にいきなり押しかけるのも迷惑かも、って。
あれ?どっちにしても迷惑なんじゃ?
結局はどっちも迷惑かもしれないという事実に思い至りその場で頭を抱える。
相変わらず行き当たりばったり計画性皆無なアタイだ。
だが、ここで諦めるワケにはいかない。
アタイは勇気を奮い立たせてツイッセスさんの家に行くことを選んだ。
職場まで行くと確実に色んな人に迷惑をかける。
それなら、自宅に行くほうが気が楽だ。
もし留守だったら、諦めて帰るだけなんだから――]
―― スイッセスさんの家 ――
[私はスイッセスさんの家へとやって来た。>>57
勢いでここまで来たがやはりドアをノックするのは緊張する。
でも、思い切ってドアをノックする。
急にドキドキしてきた胸を押さえて深呼吸一つ。
――そうだ、留守だったら諦めよう。
諦めて、それで……、
んーーーーーーーーっ!
でもやっぱり諦めきれないから職場に行って――……
あれ?結局どっちも行くんじゃない?
なんて自分の計画性のなさにまた頭を抱えつつ。
しばしその場でノックの返事がないか待っていよう。*]
―― 正義のヒーローの子育て講座 ――
[それはアタイが妹を助け出して海辺の病院で穏やかな時間を過ごしていたある日曜日の朝の出来事。
悩めるパパからのエマジェンシーコール!>>39
任せろ!今助けるぞッ!!とーうっ!(その場でジャンプ)
『あーそりゃァね、不安なんだよ。
子供ってのは「日曜日はいつも仕事で家にいないお父さんが家にずっといてくれてずっと遊んでくれる最高の日」って思ってるからネェ。
少しでも子供たちの視界から消えようとすると泣くよ。
最高の一日を仕事なんかにとられるもんかって必死なのサ。
んで、解決法なんだけど。
1.書斎に行くのを諦めて一緒に遊ぶ。
2.お父さんが視界から消えても気にならないくらいクールな玩具かテレビを見せて気を逸らしてから書斎に行く。
3.子供たちも一緒に「探検ごっこ」って言って書斎に連れてって手早く要件を済ませる。
4.お母さんに説得を手伝ってもらう。
とりあえず今ちゃちゃっと思い浮かんだのはこの4案かネェ』]
[妹がアタイが電話してるのに興味を持って。
『おねーちゃん、誰と電話してるの?彼氏?』
とか冗談で言ってくるからしーっと人差し指で黙っててとお願いしつつ]
悪の組織の幹部の人だよ。
でもいずれ悪のヒーローとして戦う実はイイ人。
[受話器を押さえながらニヤリと言えば、
『なにそれー、最近やってるライダーのキャラじゃん!』
(>>2:284>>2:287)
なんて妹はおかしそうにあははと笑う。
――そんな平和で穏やかな日曜日の朝]
[こほんと咳払いしつつ受話器に向き直り。
『でもサ、安心したよ。
ツァーリさんちゃんといいパパやれてるじゃん!
子供が「いかないで!」って泣くなんて、
お父さん大好きって言ってるみたいなもンだよ。
順調みたいでなによりサ!
じゃ!また何かあったら連絡しておくれ。
正義のヒーローが助けてやっからサ!』
なんて、悩めるパパの奮闘の助っ人をするヒーローなのであった。*]
―― スイッセスさんのアパート ――
[ドアをノックするとすぐに返事があった。>>195
いる!この向こうに。スイッセスさんが。
そう思うと胸の鼓動が早くなった気がした。
ドアが開くとアタイを見て驚いたように目を見張るスイッセスさん。
――よかった、まだ覚えてくれていた。
記憶が消去されていないと教えられていたけれど、
こうして直にスイッセスさんの変わらない姿を見ると安心するんだ。
挨拶をされれば>>196]
……はい、お久しぶりです。
えっと、元気です。そっ、それに妹も、
[伝えたいコトがいっぱいあるのに上手く言葉にならない。
部屋の中へ促されれば丁寧にお辞儀して中に入れてもらおう。>>197]
[スイッセスさんの部屋――……。>>198
好奇心からついきょろきょろと部屋の中を見回して、]
……あ、アタイのサイン。
よかった……、まだ大事にしててくれてたンですね。
すごく、そごく嬉しいです……へへっ。
[壁に昔のように飾られたサインに安堵と共に嬉しそうにはにかみながら笑う。
(横にあるクロッキー帳のヤツってカラントの?
アイツ、アタイやサンシアの似顔絵とか描かなかったクセに。
ひ、贔屓だーーー!!!!)
横のクロッキー帳に秘かに拗ねつつ、でもお行儀よく何も語らず。
全体的に簡素に見える部屋。
それでもスイッセスさんの趣味のモノもちょこちょこある。
画一的なアパートの部屋でもこういった小さな違いから分かるスイッセスさんの普段の暮らしぶりを想像するとなんだか楽しく思えた]
[ソファを勧められればありがとうございます、と座って。
少し緊張してそわそわしていたが、
珈琲を飲むか聞かれれば驚いたように彼を見上げて]
えっ!?いいんですかっ……!?
……あ、ごめんなさいっ。
もうスイッセスさんの珈琲を飲めないと思ってたから。
そう言ってくれるとすごく嬉しいです。
はい。もちろん飲みたいです。
[素直に頷いてから――、は。と思い出したようにポケットをごそごそ]
[取り出したのは以前スイッセスさんから貰った贈り物の麻袋。
豆一粒分しか入っていないためとてもスリムだ]
実は、スイッセスさんが贈ってくれた珈琲飲ませてもらいました。
妹と一緒に――……。
アタイ、無事に悪い男を追い払って妹を守れましたよ。
[誇らしげに笑ってから麻袋を愛し気に見つめて]
この麻袋と中の珈琲豆はアタイの宝物です。
今でもずっと、宝物です。
[まだ会話はぎこちないけど麻袋を通して伝えたいんだ、
スイッセスさんのコト、今でも好きだよって。心から]
[――それからもう一つ。
小さな白い巾着袋も取り出してみせて]
実は飲んだ珈琲の搾りかす。
それも捨てるのが惜しくて簡易ポプリも自作してみました。
意外といい匂いが残ってるんですよ?
妹には『そこまでするの?』なんて言われましたけどね。
ははっ……、
[少し気恥ずかしそうにそう笑って、
スイッセスさんが珈琲を淹れてくれるなら大人しく待っていようか。*]
村の設定が変更されました。変更された箇所は以下の通りです。
村の更新日が延長されました。
―― スイッセスさんのアパート ――
[部屋の中をきょろきょろと見回しながら。>>231
サインを宝物と言ってくれるスイッセスさん。
どうしよう、すごく嬉しい。
そうやって安堵と嬉しさから笑顔を見せて。
珈琲を淹れにいく前のスイッセスさんを呼び止めて麻袋を見せた。>>234
同時に妹と男の撃退を語れば褒めてくれる。>>233
アタイは少し気恥ずかしそうに笑って]
へへっ……、ありがとーございますっ!
[スイッセスさんがアタイを褒めてくれるのが好きだ。
それはあの船の中でも思っていたこと。
今日また褒めてもらえて昔に戻ったみたいに懐かしくて、なぜか頬が赤くなった]
[自家製ポプリを見せれば感極まった様子のスイッセスさん。>>234
そこまで喜んでもらえるようなコトしたかなって、
(妹曰く『愛がなきゃここまでやらない!』らしいが)]
え、えぇっと。
アタイにとってはそれだけ大事なものなんです。
だから当然のことをしただけです。
[声が震え涙がこみ上げた様子のスイッセスさんをなんとか宥めようとそう声をかけつつ。
情熱的ともとれるほど珈琲を淹れる意気込み。>>235
それにくすぐったさを感じつつキッチンに消えていく彼を見送り、
しばし珈琲ができるのをソファでお行儀よく待っていた。
やがて漂ってくる香ばしい珈琲の匂いがした]
[トレイに二人分の珈琲セットがあるのを見て、一緒に飲めるのが嬉しくて珈琲を飲む用意を整えてくれるスイッセスさんを幸せそうに眺めつつ。
パナマ・ゲイシャ?
初めて聞く豆の名前に首を傾げつつ。
(後で調べたらけっこーなお値段の貴重な豆だと知り驚く後日談)
召し上がれと言われれば珈琲の熱さに気を付けながらもまず一口――……]
っ……!? す、スイッセスさん!!
この珈琲すっっっごく美味しいですッ!
今まで飲んだコトないくらいジューシーで甘くてっ、
しかも花の香までするっ!!
え、どうして? こんな美味しい珈琲初めて……!
すごいなァ、スイッセスさんっ……!
ホントに今まで飲んだ珈琲の中で一番美味しいですっ!
[一口だけで分かる違いに目を輝かせて美味しさを伝える。
そうして丁寧に一口ずつ大事にゆっくりと飲んでいく]
[いつもはミルクや砂糖を注ぐ時もあるけど、今日はストレートで飲む。
だってそれくらい美味しい珈琲だったから。
しばらく流れる穏やかな時間。>>236
飲み終わってカップを置く頃、スイッセスさんが語りだす。
アタイはその様子を困ったように見つめつつ]
スイッセスさん……、あんまり自分を責めないであげてくださいネ。
アタイ、スイッセスさんが苦しむトコあまり見たくないから……
[深々と頭を下げるスイッセスさんに、
謝罪を受け入れると共に心配そうにそう声をかける。
――そうだ、アタイそれが一番気がかりだったんだ。
ずっと最後の日の悲しそうな顔を思い出してた。>>187
その理由はコレだったんだとようやく思い至る。
優しいスイッセスさんが傷付いてないかな、って]
[胸の上に手を添えるスイッセスさんを見守る。
ホントにそこに心臓があるように思えたんだ。>>237
だからスイッセスさんの言葉を静かに聞いて、
もう一度友達に、と。
――特別だと。>>238
その言葉にまた胸がドキりとする。
特別、アタイ。スイッセスさんの特別になれるのかなって]
スイッセスさん…………。
あの、そっちのソファに行ってもいいですか?
[そう声をかけて立ち上がり、二人を隔てていたテーブルを迂回してスイッセスさんの座るソファの前に。
拒まれない限り、彼の隣に寄り添うように腰かけよう]
[そうして、まだ纏まらない想いのまま話し出す]
……アタイ、初めてだったんです。
男の人からあんなふうに抱き締められるなんて……、
最初はびっくりしました。
それに混乱もして、
スイッセスさんの知らない一面を知って怖くもなって、
でも、でもっ……、
[――この先を言ってもいいものか、後戻りできなくなったとしても。
でも、それでも。
溢れる想いのままにスイッセスさんを真っすぐ見つめて]
不思議とイヤじゃありませんでした。
ご、ごめんなさい。
奥さんがいる人に、こんなコト言って……、
[少し罪悪感を感じながら目を伏せて、
でも、ホントの気持ちを伝えなきゃってまたおずおずとスイッセスさんを見つめて]
アタイ、男女の愛とか恋とか経験なくて、分からなくて――……
でも、でもそれでも。
スイッセスさんが教えてくれるなら、って。
アタイの隣にいてくれたら、って。
奥さんと同じみたいに、って。
そうしたらどんなに幸せかな、って。
[戸惑うように、確かめるように、
アタイの中にあった想いを少しずつ言葉にしていく]
スイッセスさん……。
[名前を呼んで、両腕を広げて見せて]
……また抱き締めてくれませんか? あの時みたいに。
おじーちゃんとか、友達とか、
そーゆーのじゃなくて、
こ、恋人みたいにっ……!
アタイ、スイッセスさんの特別になりたい。
[我ながらすごく恥ずかしいコトを言うなって思う。
顔を耳まで真っ赤にしながらも広げた両腕は下ろさない。
スイッセスさんを見つめる眼差しを逸らさない。
そうして、抱き締めてくれたならきっとおずおずと両腕をスイッセスさんの腕に任せて身を委ねただろう。
断られたら、その時はその時だ。**]
―― 映画・スリーヒーローズ ――
[君たちは知っているだろうか?
日々ホワイトマーブルを表、裏から護るヒーローたちの存在をッ!
ニンジャ・カラテの使い手ッ!
孤高の女ライダーヒーロー!!!!>>1:240
(フルフェイスの女ライダーが華麗に戦う映像。
ドカッ!バキッ!ドカーン!!
最後にフルフェイスを脱ぎ捨て不敵な笑みを見せる)
普段は穏やかなカフェマスターの老紳士。>>1:263
しかしてその正体は凄腕の元ヒーロー。太陽の使者サン!
(カフェで穏やかに珈琲を淹れる老紳士のカット。
次のシーンで熟練のカラテを駆使し悪党を一掃する戦士の顔になる)
表の顔は大企業の社長!しかしその正体は悪の組織の幹部!>>1:298
しかして家族の為に戦う悪のヒーロー!!
漆黒のスーツに漆黒のマントで闇を往くッ!>>2:284>>2:287
(悪の組織で陰謀を巡らせる「悪」のショット。
切り替えで高層ビルの頂上で漆黒のマントをなびかせ街を見下ろす)]
[彼らは「スリーヒーローズ」ッ!!
ホワイトマーブルの子供たちの笑顔を護るヒーローだッ!!
ある日、女ライダーはカフェマスター・サンと共に連続子供誘拐事件に巻き込まれる。
(可憐な少女が悪党たちに囲まれ怯えているカット。
ヒーローに救助された少女が無垢に微笑むシーン。
意味深に腕に抱かれたテディベア)
(悪党視点に切り替え。
「早くあのガキを捕まえろ!あのテディベアが作戦の『鍵』だ!」)
やがて舞台は船上での決戦に――……!!
(戦うヒーローたちのカット。>>1:362)
そうして物語は感動のクライマックスへ……!
(救命ボートの上で子供たちに囲まれるヒーローたち。>>2:67>>2:68
戸惑う悪のヒーローのショット。>>2:107)]
[果たしてヒーローたちは子供たちの笑顔を護ることができるのかっ!?
(バッ!バッ!と3人のヒーローたちのショットが入る)
「スリーヒーローズ」絶賛上映中。
(ジャジャン・ジャン!!小気味のいいBGM
大画面に映し出される「スリーヒーローズ」の作品タイトル)
――そんな映画もホワイトマーブルでは上映されているだろう。
ちなみにアーネストもスタントマンとして女ライダーのアクションを担当していたりする。
フルフェイスで戦うシーンはほぼアーネストだ。
映画館への来場特別特典としてヒーローゴーグルも配布中。
(本物よりもややチープな大量生産の素材)
ヒーローカードもランダム配布だッ!!
(スリーヒーローズの様々なショットが撮影されたカード。
運が良ければ俳優のサイン付きのものもあり、プレミア価値が付く)
今日も子供たちの笑顔がホワイトマーブルに溢れている。
ああ、今日も平和な一日だなァ。**]
―― スイッセスさんのアパート ――
[珈琲の美味しさに夢中になって見つめられる視線に気付かない。
特別な日に飲むもの。>>287
そんな珈琲を用意してくれたコトがとても嬉しい]
そんな大切なのをアタイのために……。
ありがとうございます。スイッセスさん。
[そうして二人で珈琲を飲む穏やかな時間。
それからスイッセスさんの話を聞いて、
アタイは立ち上がってスイッセスさんの隣に座る。
よかった、拒まれなかった。
安堵と共にアタイは自分の想いを少しずつ言葉にして伝えていこう]
[湧き上がる想いは、初めての想いは、
どこまでも透き通って絶え間なく心を満たしていく。
あたたかくて、優しくて、愛おしい――……]
[両手を広げてスイッセスさんを招く。>>291
そうすれば彼はアタイを抱き締めて包み込んでくれた。
スイッセスさんの胸の中で彼の言葉を聞く。>>292
すごく真っすぐな想いが胸に染み入る。
一人の男として好きだと言われ、
目線が絡めばうっとりと見惚れてしまい、
微笑まれればまた顔が赤くなる。
何か、何か言わなきゃってアタイは思い]
あ……、アタイも、好き、ですっ…
大好きですっ…、お、女としてっ……!
[言葉にするとまた顔が赤くなり、胸の鼓動が早くなる。
こんな大胆な台詞。真っすぐに伝えてくれるスイッセスさんはすごい、ってそう思う]
[奥さんの話になれば真面目に聞き入って。>>293
スイッセスさんの言葉にアタイの中にわだかまっていた引け目や罪悪感が軽くなっていくのを感じた]
アタイでも、いいんですね。
スイッセスさんと一緒にいても、いいんですね……。
……よかった……、よかったァ……。
[気付けば瞳から涙が一筋流れ、抱き合う二人の服を濡らす。
そのまま強く抱き締められたなら、
アタイも同じように力を込めて抱き締め返す。
少しでもこの愛しさを伝えたくて、強く強く]
[呼び捨てにしていいか聞かれたら、>>294
幸せそうに微笑んで頷こう。
隣にいてくださいと願われたなら]
はい……、ずっと、ずっと一緒にいます。
あ、ぁ………、あなた……、
っ〜……!! い、いえ、スイッセスさん……。
[アーネストと呼ばれたから、アタイも呼び名を変えてみよう。
そう思い口にした呼び方に顔を真っ赤にしていつもの呼び方に戻る。
「あなた」なんて、まるで結婚したみたいだ。
そう思うだけで二人で仲良く新婚生活を送る想像をしてしまうから、困る]
も、もちろんっ、
ずっとと言ってもアタイは人間だから……、
永遠には無理です、けど。
この命が尽きるまで、ずっと隣にいます。
ずっと、ずぅっと……!
[誓うように、祈るように、愛を紡ぐ。
そうしてスイッセスさんが目を閉じたなら、
勇気を出してその唇に口付けをおくろう。
愛しいあなたへ、誓いの口付けを。
健やかなる時も病める時も、ずっと隣にいよう。*]
[サンシアは船を降りてからとても世話になった。
病院への付き添いや警備の指示に万が一の法的措置。
数えたらキリがないほどだ。>>311>>312
男を撃退して転院をする時はすぐにサンシアに連絡をした。
場所はサンシアやカラントの住む付近から、
電車に乗って3駅ほどの距離の場所にあったらしい。
驚きつつも、友達が会おうと思えばすぐの所にいるのは嬉しいものだ。
妹と話したいとサンシアが言うから。>>313
アタイは喜んで承諾した]
もちろんだよ! ちょうど妹にも話してたンだ。
「おねーちゃんの友達でアンタを救ってくれたもう一人のヒーロー」ってね。
妹もぜひ会いたいって言ってたよ。
[目を輝かせながらサンシアのヒーローっぷりを称賛する。
もはやサンシアはアタイの戦友。
―― とある日・海辺の病院 ――
[妹の体調が安定している日にサンシアを病室に招待する。
妹はベッドから身を起こし身なりを整えた姿でサンシアに丁寧に頭を下げた。
『おね…、姉から話をきいています。
私を助けるために尽力してくださって感謝します。
本当にありがとうございました』
アタイといる時より緊張した面持ちの妹。
それでも、どこか晴れやかな顔でサンシアを見て。
『姉と友達になってくださってありがとうございます。
……あの、正直とても驚きました。
姉がこんな風に誰かに頼る事ってありませんでしたから。
サンシアさんが姉のヒーローになってくれたんですね。
すごいなぁ……、あ、じゃなっくて!か、感謝します!』
最後に幼く尊敬の念を滲ませた言葉を零しつつ、
妹はそうやって初対面の時は努めて礼儀正しい態度と言葉遣いでサンシアを歓迎しただろう]
[それから妹とサンシアは好きな時に話をしているようだった。
何を話しているのかはアタイがいない時は分からないが、妹に友達ができてよかった、と。
また一つ、サンシアへの感謝の念を増やすのだ。
『あのね、サンシアさん!聞いてよー。
おねーちゃん好きな人がいるみたいなんだよっ!
珈琲飲んでる時に教えてもらったの。>>183>>184>>185
船で出会った人でね。珈琲を淹れるのが上手い人!
それで、優しい笑顔が大好きだって!
その人に貰った珈琲豆。
飲んだ搾りかすまで大事に取ってあるんだよ。
絶対恋だよー。おねーちゃんの心の春っ!
ねえ、サンシアさんはどう思う?』
なんて、妹はサンシアと二人きりの時に話すが、
おいバカやめろ、やめろーッ!!
なんて、アタイがいたらきっとそう叫んだだろうが、あいにくとアタイはいなかったからね。*]
―― 某日 ――
[おっ、カラントからの着信だ。>>310
なんだなんだ、と端末を開くと――……]
わおっ!こいつァクールだネェ。
ってかカラント、こんなコトも出来るのか。
[スリーヒーローズの撮影で使われていたジオラマの映像。
街並みを見れば思い出す、あの戦い(仕事)の日々を。
さっそく返事を送ろう。
『アンタ個性光りすぎだろ。
絵も描いてジオラマも作って、一体ドコに行くつもりやら。
まっ!イイ仕事してるのは確かだけどネ。
あ、映画のタダ券いる?
二枚あっから誰かと行ってきなよ!
んで、アタイの活躍をしかと目に焼き付けな!』
なんて、相変わらずの態度のメールを送った。*]
── 海辺の病院・妹とサンシア ──
[初対面の時、妹は緊張しつつもサンシアの言葉を真面目な表情で聞いて、何度も感謝の言葉を口にした。
でも、自己紹介がまだだと気付いた時には>>335
素に戻って慌てた様子を見せ
『ああっ!自己紹介がまだでしたね!
ご、ごめんなさいっ、お礼を言うのに必死で……!
改めて、私の名前はビューです。
今後ともどうかよろしくお願いしますっ!』
なんて、勢いよくぺこりと頭を下げたのだ。
そんなこんなでサンシアと妹との交流は始まった]
[その後、何回か交流を重ねてすっかり打ち解ける妹。
今日もサンシアが持ってきてくれた手土産のシフォンケーキを嬉しそうに受けとって、冷蔵庫に入れてあったオレンジジュースをお供に世間話に花を咲かせる。
姉の恋愛話になれば自分のコトのように熱弁したりしてすっかり姉の恋路を応援モードだ。
サンシアの言葉を聞けば。>>337
『えっ!サンシアさんも知ってる人なんですかっ!?
わあぁ……! お話、聞いてもいいですかっ?
ふふっ、おねーちゃんに好きな人ができてよかった。
実は心配だったんです。
おねーちゃんが私たちのために頑張ってくれるのは嬉しいけど、それでおねーちゃんが普通の女の子みたいな恋愛や暮らしをする機会を犠牲にしてるんじゃないかって……、
だから、その人がおねーちゃんを幸せにしてくれたらいいなぁ。
ね、サンシアさん。
私たちも、幸せになりましょうね』
にっこり笑って甘いシフォンケーキを頬張る。
穏やかで幸せな、そんな日常の一幕]
[その数日後、
サンシアが妹を訪ねると妹が興奮気味に熱く語り出すのだ。
『サンシアさん!聞いて聞いてっ!
おねーちゃんぜーったい!恋人できたよっ!!
ある日行先も言わないでふらっと出かけた日があったんだけどね。
その日から明らかに様子が変なの!
毎日着てたライダースーツをやめてワンピースとかスカートとか女の子らしい服を着るようになったし、メイクやアクセサリーなんかもこだわるようになったし。
急に思い出したみたいに顔を赤くしたり、幸せそうな顔で笑ってたりとかさ!
顔つきも「恋する乙女」!みたいでねー。
ぜーったい恋っ!!!!!
あー今日はお赤飯たかなきゃっ』
なんて、自分の事のように姉の恋路(勝手に認定)を祝福するのだ。
そうしてサンシアとその喜びを共有しようとするのだ]
[ちなみに、その数年後。
体調が一般並みに回復してきた妹は、サンシアが手配してくれていた法的措置を使い元夫に今までの暴言・暴行への慰謝料請求の裁判を始める。
辛いこともあった、昔を思い出してまた体調を崩す事もあった。
それでも最後には裁判に勝利し多額の慰謝料を元夫から巻き上げる。
そうして妹は手にした多額の慰謝料を元手にこの地でたくましく生きていくのだ。
今度は自分の幸せのために、人生のために。
自分を救うヒーローになるために。
妹は姉の背を励みに前を向いてたくましく生きていく。
こうしてまたこの地に新しいヒーローが生まれた。
おめでとう!そしてありがとう。
妹の旅路に幸多からん事を。**]
── とある日の一幕 ──
[サンシアとカラントが付き合っていた!!
その事実を知ったアタイは即座に。
『こンの薄情モノーーーーー!!!
えっ!カラントよく連絡取り合ってたよね?
彼女いるって言ってたよね。(興味無くて流してたけど)
共通の友人のサンシアとは聞いてないっ!
ひどいっ!アタイだけ仲間外れにしたー!
ちゃんと言えよ!もぉー!!
アンタ言葉数少なすぎなんだよォッ!』
などと、電話や直接会って伝えただろう。
あったかもしれないそんな日常の一幕]
[ちなみに、サンシアの場合はカラントのように怒ったりしない。
驚きつつも妹の事情もあったのだ。
その気遣いを感謝こそすれ怒ることなどない。
少し驚きつつも優しく笑って。
『そっか、教えてくれてありがと。
アイツ、無骨で口数も少なくてさー
たまに何考えてるのか分かんない時もあっけど、
悪いヤツじゃないのは確かだからネェ。
おめでと!幸せになりなよ。
後、アイツの愚痴とかあったらいつでも聞くから!』
なんて二人のコトを祝福するだろう。
カラントの前では『なんでこんなヤツが良かったンだい?』なんて悪態をつく距離感で。*]
── 海辺の病院・サンシアと ──
[ビューのお見舞いに来てくれたサンシアと話をする。>>365
カラントと付き合っているという言葉に驚きつつも祝福をおくり。
アタイにも話してほしい、愚痴以外にも、なんて。
何やら聞きたげなサンシアの気配を察し]
あ、あー………、アタイかい?
ど、どうだろうネェ? あはは……
[なんて笑顔で誤魔化そうとするけれども。
やばい、なんか勘付かれてる。
そう言えば今日のアタイの服装は花柄のワンピースだし、首元には愛弟子から貰ったネックレスと、指先にはピンクのネイルでお洒落をしている。
妹の視線もどことなく微笑ましげだし、
ううぅーーーーーん………!]
[アタイは観念してサンシアと妹に打ち明ける事にした。
気恥ずかしそうに頭をかきながら]
実は、サ。恋人ができたんだ。
スイッセスさんって言って船の中で出会った人なんだけど。
すごく優しくて、アタイを大事にしてくれて。
それから、それからっ……、
……、ま、まァそんなトコだよっ!
[顔を真っ赤にして照れつつもそう告げる。
その顔はまさに「恋する乙女」そのものだったろう。
すると妹から待ってましたとばかりにクラッカーぱぁんされた。
どうやらこの時の為に用意していたらしい。
『きゃー!おめでとー!』
そう心から祝福してくれる妹の頭をうりうり]
[それはそれとしてカラントは後でシメる。
サンシアと付き合っていると教えてくれなかったヤツだ。
妹やサンシアと話し終わって一人になれば、
超速でカラントに電話してやる。>>342
悪びれずしれっと説明するカラントに。>>356]
今!まさに!サンシアから聞いたッ!
[そう言えば、かるーく謝られた。
こいつぅーと思いつつもカラントはこんなヤツかと思えばまあ許してやるかとも思う。ウマイ飯も奢ってくれるらしいし]
じゃーソレで許してやるよ。ありがたく思いな。
[雑な反省を雑に受け取り、その時は電話を切った]
[──その時のアタイは知らなかった。
まさかアタイの身にも同じコトが起こるなんて……。
スイッセスさんと恋人なのがバレて今度はアタイがシメられる番だ。
悪かった悪かったとカラントに謝りつつ]
だ、だってさァ、恥ずかしかったんだよォ……、
この年で恋なんて初めてとかサァ……、
なんて言っていーか分かンなかったんだよォ……
頼む、許しとくれ!ウマい飯奢ってやるから!!
アタイだって許しただろ? なっ!なァっ?
[パァンと両手を合掌して必死に謝る、そんなある日]
── 後日・映画館にてサンシアとカラントと ──
[船以外では久しぶりに三人で訪れた映画館。
デートの邪魔かとも思うが、まァいいか。
二人とも近所みたいしココ以外でもよく会うんだろう。
アタイは映画が終わってから二人の感想を聞いたり、
撮影の裏話なんかを話したりしながら。
流れでカラントのどこがいいかとサンシアに聞き。
返ってくる返事があんまりにも真っすぐだったから>>366]
カラント……、
サンシアのコト泣かしたらグーパンすっからね?
[こんなに真っすぐで純粋な子、アタイは知らない。
傷付けたら容赦しないよ、と。
カラントに拳を握りしめ軽く忠告。
……まっ、この二人なら大丈夫そうだけど。*]
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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