市川夢助

　一応、学校に任務完了の報告は入れといたぞ。
　明日の朝はどうするんだった？
　現地解散なら帰りの時間も自由でいいんだっけ？

[と、そこだけ確認してから、荷物を置いていた部屋に詩音と二人して戻った。戻ってすぐ、布団が引かれる前の畳敷きの部屋の机に座布団を出して手足を投げ出す。]

　くそ…いつもより妙に疲れたな。螢のバフの分、消耗したってとこか。

[まあ、他事も考えてたしな。詩音のサンタの格好の事とか。
ひとまず置いてある饅頭を並べ、茶を二人分入れて詩音の前に出した。]

市川夢助

　で、だ。夕飯までにはまだちょっと時間もあるな…

[気まずさはある…が、このままでもいけない。
詩音の様子が今どうであれ、息を一つついて口を開いた。

考えてみれば、俺の方にも婚約者という立場と相手の面倒くささに甘えていた部分はあるというか、責任はある。
その分は、しっかりしないといけないだろう。
なるようになれ、だ*]

デクスター・ホワイト

［狼はカッコイイ。異論は認めるが。そうか。ならば戦争だ。


でも『太郎』か……うん。太郎？>>215
なんか犬ぞり引いてそうな名前じゃない？？？
干支シリーズと叫んだ俺に、雪が笑っている。>>216


あ。白い目と合った気がした。
ごめんなさい。俺は太郎に謝りました。］

デクスター・ホワイト

［雪が兎と見詰め合うのを見守る。>>216
封印に赴く雪の表情は何時も優しい。
それでも顔が青ざめるのを見守るしかないが……
立ち上がって笑う雪に、俺もサムズアップした。>>217］


……これでこの階は終了かな？


［そう。魔物を倒し終わると、笑って告げて。
振り返って下を向けば、足元に蛇が巻き付いて居た。
やばい。可愛い。ロマンだ。なんなら首に巻き付けたい。
腰を屈めて、すりすりと蛇の喉元を撫でた。］

デクスター・ホワイト

［珍しく下から見上げるような姿勢で雪を見る。］


この子の名前は？　でっかくて可愛いね。


［目を細めて懐いてくれる蛇と戯れて。
雪に尋ねてみた。*］

デクスター・ホワイト

思い出

［雪との思い出は数え上げればきりがない。
なんせ生まれた時からずっと一緒で。
学校が離れたのだって高校生の頃くらい。


雨の日は傘をさして、長靴を履いて水溜りを踏んで歩いた。>>12
ガラスの温室で、身を寄せ合って絵本を読んだ。
我が家にはたくさんの絵本があったけれど。
ママンの趣味で『フラワーフェアリーズ』の絵本から。
温室に持ち出せる『そっとのぞいて』って仕掛け絵本。


たくさんの妖精達が、たくさんの花や果実や葉っぱの中に隠れてる。
最後のページは薔薇の揺り籠で眠る小さな妖精たち。
『おやすみなさい、ちっちゃな妖精さん……』
そんな。優しい絵本を。２人身を寄せ合って、微笑み合って眺めた。］

デクスター・ホワイト

［あの頃はそれが自然だった。

年を重ねるにつれ、テンパって、失敗も増えて。
どうにかこうにか『雪』って呼べるようになって。

今じゃ肩が触れ合うだけで心臓が煩い。
ここから一歩踏み出すのって、ちょっと今の俺には難しいかも。心臓が持たない気がする。絶対またテンパってなんかやらかしそう。**］

氷室詩音

　
[皆の手前、平然な顔を装っておく。
いつも通り夢助が報告をして>>15、特に問題がなければ終わり。
各々の空気が変わったかもしれないなんて、今の私には気付けない。
普段だって気づけていたかどうか怪しいけれどね。だって、私、本当はいつもいっぱいいっぱいだもの。
　
そして解散して、部屋に戻る。
お茶やお饅頭の用意とかしようと思ったら先に夢介が動いていて、──二人分用意された事になんだかじんわりしてしまっていた。]
　

氷室詩音

　
あ、ありがと……。
　
　
[小さく礼を言いお茶に口をつける。
ふうふうと息を吹きかけて少し冷ましてから喉を潤おした。
でも、夢介が何か言おうとするから>>16少しだけ背筋を正す。
何を言われても、毅然とした態度で居よう。]*
　

名坂雪

[見上げる視線を受け止めながら。>>19]

　まだつけてないんだ。

[そこそこ最近の教師引率型の実習で封印したと返す。
珍しく幼馴染とは別チームだった時だ。]

　デッくん、良い名前つけてあげてよ。
　ほら、とっても懐いてるし。

[尻尾を足首に巻き付けているヘビに目を細めた。

さて、3階は無事に任務完了。
他の階からも大きな物音はせず、もうどこも終わったのか。

ワガママ言いたげなヘビを屈んで手に持ち上げると、次には少し背伸びして、ほら、と幼馴染の肩へ寄せてあげた。
首に巻き付けたそうだなーって。*]

市川夢助

　…いや、別にこのぐらいは。
　どういたしまして。

[詩音からの礼>>23は考えてみれば久しぶりだな。
最初の頃は、これでも俺の方がリードしようとか、そんな事も考えてたんだ。
お互いなんとなく噛み合わなくなってきてから、結局学園に入って以降は
こんな風にする気さえなくなってたが。

少々ぶすっとしながらの返答になったのは、今までの積み重ねと…
詩音の事をいまだに測りかねているからなわけで。

淹れた茶に口をつけた後で口を開く頃には詩音は居ずまいを正していた。
そうしているのは、やっぱりよく似合うと思った。]*

デクスター・ホワイト

［雪の提案に思わず目を瞬く。>>24］


俺が付けても良いの？？？


［きょとんとした後。首に蛇を巻いてもらって。
チロチロと覗く舌を見詰めて。
それから雪を見て。破顔した。］


じゃあ。Adalwin【アダルウィン】にする。
『気高い友人』って意味だよ？

かっこよくない？？？


［雪を見て目を細めて。そう。笑いかけた。
中二病って笑われるかな。でも。雪の魔物には。
使役というより、友人という言葉が、しっくりくる気がしたんだ。**］

名坂雪

[わ、廃ビルの中なのに、明るくなった。>>26]

　アダルウィン？

[首を傾げたら、意味も教えてくれる。
目を瞬かせてから浮かべた笑みはくすぐったげなもの。]

　うん、カッコいい。
　よかったね、イケてる名前貰えたね。

[ヘビ――アダルウィンに手を伸ばし、指先で頭を撫でる。
この気高き友人といつか浄化という別れは訪れるけれど、この瞬間、より繋がった糸が確かなものになった気がした。

中二病っぽい響きも実は好き。バレてるかな。
昔っからよく一緒に同じ本を読んできたのだ。
好みが似てしまうところがあるのは当然なのである。]

名坂雪

　さてと、そろそろ下に行こっか。
　
[太郎とアダルウィンに本の中に戻ってもらう。
普段からそばにいて欲しいくらいだが、常に退魔の力を使うことになるので、今の自分にはまだ荷が重かった。
将来的にはできるようになりたいと思ったりもする。

苦戦はしなかったから幼馴染にも怪我はないはずだけれど、いつもの習慣で一通り身体に視線を走らせて。]

　温泉、どんなだろうねー。
　露天もあるのかなぁ。

[こちらはのほほんとしたもので。
皆と合流したら、雰囲気の差に目を丸くするのだろう。
かといってすぐさま何があったか聞くことはやめ、幼馴染の隣を行くようにして、宿まで戻るつもりである。*]

宿の女将 静子

[夜は次第に更け、宿には明かりが灯り始める―――…]

デクスター・ホワイト

［蛇につけた名前は気に入ってもらえたみたいだ。>>27
良かった。と。蛇を撫でて、本の中に戻るのを見送る。
歌声（絶叫？）はとっくに聞こえなくなっていたので。
ゆっくり階段を下りて１階に行けば、皆の雰囲気がどことなく異なるような？？？>>28
まあ。そんなもん？？と。変に第三者が入っても拗れるだろうから。雪とのんびり会話しながら歩いた。］


下調べとかは、雪のが得意じゃなかった？
枕投げとかやんのかな〜？

露天風呂良いよね。
頭寒足熱？だっけ？？

ずっと風呂につかってるとのぼせるけど。
露天だとず〜〜っと気持ち良いから、好き。


［そんな穏やかな会話も。
雪の降り積もる風情ある温泉宿で。
雪と同室だと聞かされた瞬間。］

デクスター・ホワイト

ふぇっ？！！！


［思いっきり動揺してパニックに陥りかけたのは言うまでもない。
他ペアやましてや雪の反応を気に掛ける余裕も無かった。**］

名坂雪

[廃ビルから温泉宿までは徒歩20分ほど。
他2組より少し後ろをのんびり歩いて戻った。]

　んえ？

[蜂蜜のど飴を口の中で転がしつつ。
羊羹は半分幼馴染>>1:30にあげる。]

　温泉宿まで下調べしきれてないよ。
　任務には関係ないかなって。だから着いてのお楽しみ。

[温泉宿の名前すら昨日曖昧だったくらいなのだ。]

　昔、家族合わせて旅行したの懐かしいね。
　そうそう、露天風呂でお父さんがテンション上がってた……デッくんの言う通りなんだけど、油断するとすぐのぼせちゃう。
　気をつけなよー、私は助けに行けないぞー。

[日が暮れると途端に気温が下がるのだろう。
ポケットのカイロを握りながら、肩をすくめる。
だんだん見えてくる温泉宿の灯りと立ち昇る湯気がなんとも暖かそうで、疲れていても自然と足早になった。]

名坂雪

温泉宿

[これは、もしかして。
昨日の自分は第6感が冴え渡っていた可能性。

婚約者同士が3組。
引率者なし。
わざわざ冬休み中、温泉宿の宿泊つき。
今朝見送ってくれた母親の笑顔が思い浮かぶ。

――隣の幼馴染>>1:31と、一晩同じ部屋？]


　で、デッくん。

[素っ頓狂な声が出かけたのは自分もだったけれど。
幼馴染の方が先に分かりやすすぎるくらい動揺してパニクっているのが伝わり、逆に落ち着けた。

とりあえず、とりあえず、えーと。
幼馴染の袖口をちょいちょいと引っ張ってジェスチャーし、廊下から人目のない室内へ誘っただろう。]

名坂雪

[温泉宿の女将さんは心得たもの。
『後は若い2人にお任せして……』とひと通りの説明をさらさらとしてくれると、穏やかな笑みを残して出ていってしまう。
別室には様々な浴衣もあるらしい。>>1:11
頭に入れつつ、ペコリと頭を下げて見送ってから。]

　……。

[幼馴染を見上げて。
部屋に運び込まれている2人分の荷物を見遣って。]

　最初から2人ずつの部屋割だったみたいだね。

[ほんのり視線を合わせないように。
小さく呟くと、立ち尽くしたまま、一時どうしたらいいか分からないというようにしてから、ハッとする。]

　お茶でも淹れよっか。

[幼馴染と同じ部屋で過ごすのは慣れていて、嫌でもなんでもなくて、むしろたくさん話せていいとすら思うのに――少し意識の端にちらつく。
幼馴染と婚約者の境目は、あるのだろうか。*]