26 ― 境界の先への手紙 ― (2024/09/20(Fri) 10:00:00 に更新) RSS
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『…………』
泥の巣から這い出せば
ずいぶんと装備が軽くなってしまった
というか、全て泥に沈んで黒く染まってしまった
だれもいないとはいえ
流石に身に纏うものがないのは困る
解放感はあるが、解放されたいとは
■は、ついぞ思わなかった
だというのに開放された、されてしまった
多少なりとも拘束されていたほうが
人間は人間らしくあれるとも思う
泥の男は、漂着した汚れきった布の塊を拾い上げ、
服としての形を留めているものを選び取って
つっかえながらも腕を通す。…まだ人間としての所作はあるらしい
(22) 2024/09/18(Wed) 07:32:24
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