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『蓬儡さんへ
日程ありがとうございます。
私たちにまでお土産があると聞いて、大変うれしく思います。
こちらの方ではささやかながら歓迎のパーティするつもりでいます。
私たち……ベアーが作った野菜を使った料理をぜひ、召し上がってください。
あなたがとても善き人で良かったと心から思っています、
あなたが訪れるその日を今から心待ちにしています。
マチェット』
『追伸
今は使っていない通信機器がいっぱいあるのでご安心を。
折角なので、映像を撮れる通信機器の使い方をお教えできれば、と思っています。
蓬儡さんの住んでいる場所がどんな所か、私たちは知りたいのです。
映像を送っていただけたら、きっとベアーだけではなく、私たちも、研究員も喜ぶでしょう。
ぜひ使い方を覚えていってください。』
[この手紙の宛先の住所は、リジェットX。ただし宛名書きは「ガァド」になっている。
それ以外の装丁等は、以前に
ガァド
こんにちは、ガァド。マーチェンドだ。
この手紙をお前さんが読んでいるなら、
無事にリジェットXに着いてるってことだろう。
お前さんからの感謝。
たくさんのひとと、繋がりを得たこと。得てくれたこと。
物語をこれからも伝えてくれること。
全部、受け取ったさ。
俺からも。
本当に、まだ、消えないでくれて、
こうして、手紙を届けてくれて、ありがとう。
……俺に手を伸ばしてくれて、ありがとうな。
実はあの後、色々悩んだんだが、思い切って、
あの妖精に手紙を出してみたんだ。
そうしたら丁度今日、返事が来てさ。
端的に言えば、「無事だ」ってことだった。
あのひとに手を伸ばして良かった、って
心から、そう思えたよ。
だからこれからも、伸ばした手を離さない。
――あのひとのことも、お前さんの思いも、
裏切ったりなんてしないさ。
それと、リジェットXには、俺もいつか帰ってくる。
お前さんに会いに行ければっていうのもあるが……。
あのリージョンは、俺の故郷なんだ。
そっちには俺の友人もいるし、
手紙を通じて交流のあるベアーもいる。
お前さんを連れ出してくれたやつが
誰なのかまでは分からないが――…
ぜひいろんな話をしてやってくれ。勿論、たくさんの物語もな。
俺はこれから少し連絡が途絶えると思うが、
お前さんにはいつか必ず会いに行く。
だからまた、話そう。ガァド。
親愛を込めて
境界を往く商人
マーチェンド
追伸
どこぞの大噓吐きへ
稀代の作家先生がまさか稀代の役者だったとはな。
よくもまあアンタ、こんな舞台を寄越しやがって……
だが終わってみれば、ああ、楽しい舞台だったさ!
粋なあとがきの書き下ろし、ありがとな。
[宛先の住所は「トーチバード」と、船体識別番号になっている。
印紙の絵柄は水辺に佇む丹頂鶴。
ゲッカでは姿が美しく、徳高く高貴な存在として人気のある鳥だ。
封筒と便箋は、前回と同じもの。
緑釉色のインクで書かれた文字からは、少し興奮した様子が感じ取れるかもしれない。]
マーチェンドへ
手紙の返事をありがとう。
随分と忙しい時に手紙を書いてくれたのだな。
貴方の願い、煙霞山 山主の名において聞き届けよう。
何故なら、それは私も望んでいる事だからだ。
彼女に出来る事があるのならば、私も手助けしたい。
けれど私の思考はゲッカに骨の髄まで染まっていて、領域外の事に踏み込む事に忌避感がある。
貴方は図らずと、それを叶えようとしてくれているのだ。
その為には、私の伝手は何でも使っても良いぞ。
もしも間に合わなかったとしても、その時にどうするかは貴方に委ねる。
故郷に葬ってやるのも、友人のいるゲッカに葬ってやるのもいい。
どうか、無事で帰れよ。
私も、貴方とは沢山話したい事があるのだ。
貴方の知り合いの話、その知り合いに見せる絵にはゲッカの何処の景色を書かせればよいかも決めて貰わねばならないし。
機械の話に、これからのゲッカの話もしたい。
他にもいくつか手紙を交わしたひとがいるのだ。
もしかすると、貴方も知っているリージョンの者かもしれない。
放浪時代の話は初めてだったか。
あの経験があったからこそ、今の私があると言っていい。
父上に放逐されなければ、人間の暮らしの事は電文と言った形でしか知らなかったろうし、山主にもなっていなかっただろう。
怪我の功名という奴だな。
ありがとう。
貴方に肯定して貰えると嬉しい。
貴方の言う通り、人間の事を単なる下僕としか考えていない妖魔も、このゲッカに多くいる。
けれど、私と考えを同じくする者もいるし、そうした者を増やしていきたいと考えている。
貴方の「やる偽善」は、善なるものだ。
少なくとも、私はそう思う。
「皆が笑える物語」に繋がる事を願っている。
パンパス・コートについて教えてくれてありがとう。
それでは、かの地へ赴いた時にはそちらにも行ってみようと思う。
勿論、先住であった「パッセリン」女将に挨拶をしてからだな。
何分、不案内なので、芸鵬にも色々と聞いてみるとしよう。
芸鵬へ紹介状を書くから、それを持っていくと良い。
城の前にある、大門のところで渡すのを忘れないように。
通過儀礼は仕方ないとはいえ、ファッションショーにも付き合ってやる腹積もりもあるのか。
やるとしても、手心を加えてやるようにと伝えておこう。
ゲッカで商売をする上で彼に気に入られて損はない。
よき縁となるよう、後押しをする心算だ。
承知した。
決済は、貴方の訪問の際に。
月のように丸く、麗しく愛らしいという姿を見るのを楽しみにしていよう。
ハルガハラ、今はその名だけとどめておこう。
勝手に触らないのが一番良いのだろうな。
こちらこそ、大変な時に連絡をくれてありがとう。
この手紙があなたの手元に届くのは、事が済んだ頃だろうか。
どうか、無事で。
蓬儡
[宛名には、リジェットVとマチェットの名が書かれている。
白い縦型封筒には送料として、ゲッカの山河の絵柄の印紙が一つ。
高く聳える山に、曲がりくねった大河が描かれているものだ。
それはゲッカの景色を想像する際の助けとなるだろう。
白地に蓬の版画が淡い緑色で薄く刷られた便箋は、先のやり取りと同じもの。]
マチェットへ
手紙の返事をありがとう。
予定は少し先だが、そちらに行ける事、歓迎パーティーも楽しみにしている。
折角なので、ゲッカの特産のものを持っていけたらと思う。
口に合うと良いのだが。
そしてもう一つ伝えておかねばならないのだが、立場上、数名の供を連れて行かねばならない。
勿論、必要な食料や水などは積んでおくので、そちらの負担にはならないようにする心算だ。
その中に、半魔の子を連れて行こうと考えている。
私の弟子で、妖魔と人間の混血児だ。
どうか、仲良くしてやってくれると嬉しい。
蓬儡
追伸
それを聞いて、少し安心した。
ゲッカの中でも比較的、機械の扱いの上手な半魔の子も連れて行くので、大丈夫だと思う。
勿論、私も手づから扱ってみたいと思っている。
カメラはゲッカにあるが、映像を撮れる通信機器はまだないように思う。
なので、使い方を教えて貰えるのはとても嬉しい。
ゲッカの景色は起伏に富んでいて、他のリージョンには珍しいらしいので、楽しんでもらえるのではないかと思う。
マーチェンド様へ
ご足労いただきありがとうございます。
そして顔を合わせてのお話が叶わぬこと、
本当に申し訳なく思っています。
あとの懸念というならば、
私が腐り果てているような姿でないことを
ただただ祈るばかりです。
半地下の妙な建物であるここの奥は、
納骨堂──カタコンベとなっていて、
エンデから出ることが叶わなかった住人は、
皆、そこに眠っています。
お手紙も貴方の話も、ありがとうございました。
独り逝く者からの思いとしては、きっと義母さんは
あなたが事故に巻き込まれるようなことがなくて
良かった、と…… 思っているやもとは思います。
人は思い出される限り、その存在が確かに居たと、
そう未来に刻み込むことがかないます。
姿は無くとも、居たという記憶だけは残される。
だから、思い出してあげてください。
苦しい後悔ばかりではなく、楽しかったことも。
実をいうと私も他の人とのお話でこの思考に
思い至ったところがあるのですが。
お裾分けです。
そしてこの地、エンデにまで来てくださった時点で
私の思う憂いはすべて晴れています。
あなたに手紙を送ることがかなってよかった。
あなたが思う以上に、私はあなたに助けられています。
家の中にあるものは何でも持っていってくださって
構いません。
お金になりそうなものは少ないですが、抽斗の中に。
ああ、でも、私が誰かとやり取りしていた手紙は、
遺体と一緒に埋めてくださると嬉しいです。
あなたに幸福を。
コルデリア
『イオニス
あれから大分間が空いた気がするが、
この前の手紙への返信、ありがとな。
早速なんだが、次のX月のX日くらいには
トラッシュに一度立ち寄れる見込みになった。
この前の手紙を読む限りじゃ
そちらの物資状況は大丈夫だとは思うが、
ちょっくら多めに色々積んでくるから、
土産物ともども、期待してくれていいさ。』
『それと、この前の手紙のこと。
お前さんが救われたことも、
涙を流すくらいの嬉しさも、
感謝も、全部、受け取ったさ。
救われちまったのは、俺の方もだよ。
……俺こそ、ありがとな。
さて、俺はこれからちょっくらエンデに行ってくる。
死地を潜り抜けてくることにもなると思うが……
俺はクロウと共に、生きて帰ってくる。
この手紙を、遺言なんかにはしないさ。
だから、信じて待っていてくれ。
マーチェンド』
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