衣代和かほ

　夜明け草……。

[青の水面をじっと見つめる。
瞳にゆらゆらと映る色は少しずつ変化していっていた。
あれ、気のせいかな。
元々少食で胃が小さいのもあり途中休憩が必要で、カップを両手で持ったまま話を聞いては時々見下ろしていた。]

　……、そうなんだ。……うん、うん。

[冒険者という名の通り冒険をしているというよりは、堅実に仕事をこなして稼いでいる、みたいなイメージも加わった。
お金を稼ぐのはこの世界でも大事らしい。
なかなかに危険と隣り合わせのことも多そうだ。

魔物退治なんて最もそうだろう――目の前のピギーも？
ふわふわの外見だが、見た目で誰かを楽しませる、子供をあやす、などのためではなさそうなのは感じている。
油断を誘うため……もあり得るのか。うーん。
身のこなしは俊敏そうで、自分の首根っこを掴んで持ち上げる力もあり、頭の動物をコロコロ変える魔法？も使える。

いつしか疑問が次々に頭に湧いて来るようになっていたし、ぽつぽつと相槌の声が零れ落ちていっていた。]

護衛 オスヴァルト

宴の前の

[不自由というのは、主に不用品の処分について。
もちろん、外を自由に出歩けないことも含まれている。
でも、本人はそのことは気にしてないようだった。

自分だったら息苦しく思ってしまうかもしれない。
それは家を飛び出す前がそうだったからに他ならないが。

まぁ本人が不満に思ってないのなら、良いことだと思う。

宿舎内での行き来及び“旅人”間の交流に関しては、
特に制限はないだろう…と思う。
パジャパやコイバナとか謎の単語は繰り出されるのには、
案の定なんのこっちゃな顔でウタを見つめていたが。
なんか楽しそうだから、いっか。]

ああ、後で確認しておくよ。
[引きこもりたい“旅人”もいるかもしれない。
自分も同じ“世話役”と情報交換したいと思う。
それをウタの世界ではパジャパというのだろうか…？]

護衛 オスヴァルト

翌朝

…おぅ、起きたか。
[叫び声に起こされて、生あくびを一つ。
なんで…の問いに、しばし考え込み。]

家まで戻るの面倒だったし、
あんた、なんか色々忘れてそうだから。
でも、俺のことは覚えていてくれてたようで、安心した。
[昨夜の記憶はどこまであるか、とか、
どのくらい飲んだか覚えてるか、とか、
確認しようとしたが、それどころじゃないようで。]

酒は好きだが、あまり飲んじゃあかん奴だな。
はぁ、しじみ？ああ、酔いざましのスープな。
[ウタの様子にしみじみつぶやきつつも、
請われるままに、コップに水を汲んで手渡す。
手元が覚束なかったら、介護する気満々で。]

護衛 オスヴァルト

…まぁ、色々“災難”だったから、仕方ないさ。
[謝るウタに昨夜聞いた話を思い返しつつ。]

じゃあ、食堂で二日酔いでも食べれそうなもの
もらってくるから。水のお代わり、用意しとくな。
[なんなら自分が料理するのもいいかもしれない、と思いながら部屋を後にする。
食えりゃいい、という、いわゆる男飯がメインだったが、味は悪くはない、はず。
昨夜美味しそうに食べていたウタが、自分の作った料理にどんな感想を抱くだろうか？
気に入ってくれると嬉しいけれど、文句を言われるのもそれはそれで楽しそうだ。

そんなこんなで、俺の
“旅人”の世話をする日々は始まったのだった**]

衣代和かほ

[処世術、には言いたいことが伝わって。
しょげさせてしまった大柄の彼を思い出し、もう一度申し訳なかったと心の中で詫びる。]

　な、殴るんだ。

[その手でばしーんと？
絵面的には可愛くないこともなさそうだが、雰囲気的には逆に恐ろしそうな光景である。
着ぐるみで怒るなら実は着ぐるみではないのか。
名前を呼ばれないことが逆鱗に触れるのか。

担いで逃げるってことは戦闘メインではなさそうだけれど。
たしかに、筋骨隆々だと着ぐるみに入りきらないか。

貴族の解説には微妙に私情混じりの気配があって。
ふ、と顔を上げて、こくりと頷いた。
もしかしたら貴族に嫌な思い出でもあるのかもしれない。

――疑問は、ピギーのことばかりで占められていく。]

衣代和かほ

　じゃあ、これは露店で買ってきたものなのかな。
　……ありがとう。

[ピギーの家からの通り道だったのかもしれないが、朝っぱらから準備してくれたことに遅ればせながら礼を言う。
綺麗に布に包んでバスケットに入れて。
なんだかそれは、丁寧なものに感じられたから。
しかもデザートのりんご付き。]

　ピギーは世話係の間、他のお仕事は？
　前のお仕事終わったばっかりじゃないの？
　ここまで来るのは遠くない？

[幾つも浮かぶ質問から掬い上げる。
とりあえず優先順位上位から。
どうせすぐに――するつもりなのに、と。
自分で自分に疑問を抱きながら、疑問を投げかけていく。]

衣代和かほ

　……ぁ、あと、……

[なんでもない、と言いかけてから。]


　今日のお昼と夜も、一緒に食べるのでも、いい？

[向かい合って食べるのにこんなに緊張しないなんて。
世界の説明という役目を果たしている、それを聞いている、そんな状況だからだとしても、ご飯が美味しく、不思議な心地がある。
それは嫌なものじゃない、よく分からないけれど。**]

衣代和かほ

　あっ！　これ、色が変わってる……？
　紫になってきてる気がする……。

　夜明けって、そっか、…………これも、きれいな色だね。


[しばらくの後、カップを眺めて。
瞳を細め唇の端を綻ばせ、それからそっと俯いた。

頭に浮かぶのは夜の黒。
目の前には、その先の色があった。**]

きぐるみ ピギー

　ああ、殴る。

　俺が戦うことも生業にする以上、臆したり舐められたりするやつに誰も好んで仕事なんて頼まねえ。
　それを見過ごすのは俺の稼ぎに関わることだからな。

[それでも舐めてくるやつは不慮の事故に―――まあそれは余程のことだからわざわざいう必要もない。不気味な気配も思考も全てきぐるみの中だけで納まること。淡々と自分の処世術の一環として殴る>>384として語りつつ、情報を伝えるが、疑問になってるのが自分のことだらけになっているとは露知らぬこと。

なお、何度も言い続けるやつ>>77もいるが、強いからこそ殴り続けるだけでしかないというのは例外ともいえた。]

きぐるみ ピギー

[露店で買ってきたものにお礼>>385に対してはこくりと頷くが、お礼をいわれても困るというもので]

　旅人と他の人間の接触を極端に減らしたいってのはあるが窮屈だろう、外出は一緒に動け。はまだいいとして、食事は世話役が用意する。とかな。

[安全を保障するという意味ととるか、命を握っているととるかなんて、表裏一体なところがある。とまではいわないまま、自分が行ったこと意外への感想に留めるように応えて]

　基本的に世話役が優先だ。余裕があるか緊急のことでもおきん限りは他はなしだな。
　それに、連続して仕事ってのも珍しくない。住処からここまではちょっと遠いが困難なほどでもない。

[ただ仕事に関わることならばと、イヨリの疑問>>385にすらすらと答えていく]

きぐるみ ピギー

　いいぞ。外に出たいか、また何か買ってくるか。どういうものが食べたいか。

　そういうのがあったらいってくれ。

[元々護衛も兼ねているならそっちのほうが都合がいいのだ。
ただ少しだけその提案>>386を意外だと思ってしまうのは、昨日の反応などで考えると仕方ないだろうと思いつつ――]

きぐるみ ピギー

[そうこうして話している間にハーブティーの熱が逃げ、夜明け草といわれる所以の一つが見えるように水色のお茶は紫色へと変わっていく。
夜明け草の名前に疑問>>380をもっていたようだが、それが答え>>387]

　面白いだろう。味もさっぱりしていて好きだがこういうのもあるって、とある夫妻(>>253）に教わってな。

　それに……酸っぱいものを足せばさらに時間が進む。

[りんごを手に取って、おおかみの伸びた爪で皮をむき、自分のカップに浸すと、空にある紫から時間が進み、 夜明けの空の光のような柔らかい桃色に変わる。そんな流れを見やすいようにカップをイヨリに近づけた。
ちなみに味としても控え目であるために何かを足すのは悪くないのだ。]

きぐるみ ピギー

[そうしているうちに朝食を終えるのである。最後のスパイシーなひき肉と野菜を混ぜたものも香りと味覚を味わい、リンゴの酸味の加わったハーブティーで舌を潤わせる。

それからも自分の背景以外の必要なお勉強をしてもらったり。質問を受けたり。

なお本を持ってきたはいいものの、ただ文字を読めないというのは知らなかったのか聞き逃したのを後で判明したり、ただそういう人用でもわかるような街や地図、草花など図解のタイプの本もあるから退屈しのぎにはなるだろう。>>359ということになったり。

生活に不自由なものはないか？とかも確認したりしつつ、食事については叶えられる範囲のものを用意して一緒に食べただろう。**]

佐次詩羽

──後の祭りは無事なようで──

[異世界に飛ばされて初めて迎えた朝は、
最悪の気分だった。
深酒からの二日酔い。しかも側には出会ったばかりの男がいる。
ただし、今回（・・）はちゃんと服を着てる（！）ので、最後まで羽目を外したわけではないようで内心ホッとする。

ちなみに元彼はサークル内の飲み会でいい感じになって、
翌朝ホテルのベッドで『？！』ってなったのが付き合うきっかけ。
前から好きだな〜と思ってた相手だったから（当時は）良かったんだけど。
でもさすがに、いくら相手がイケメンだろうが、
出会って初日はないなと思うし
ホントなんともなくて良かった。
あとこの人も送り狼せず紳士で良かった。
なんだ、やっぱり最高の世話役じゃん

と、目の前にいる世話役の人をこっそり上方評価。
ただし、向こうからこちらは大幅に下方修正されたかもしれないけどね！]

佐次詩羽

[コップの水を受け取り飲みながら（手元はちゃんとしてるので、介護はなくて大丈夫）色々忘れてそう>>382だったのはその通りなので、返す言葉もない]

　……さすがに飲む前の事は覚えてるよ。
　家に戻るのって、…オズ君ちはここからだと遠いの？

[どうやらこれから食事の世話をしてもらう必要があるそうだから、あまり遠いと世話役は出来ないかもしれないが]

　酒は好きでも飲まれるな…か、
　うう、耳が痛い

[でも嫌味っぽくは聞こえなかったので、わたしは素直に猛省する。
それに、色々災難だったから仕方ないだって。>>383
優しいのね、この人。
なお、シジミ汁は無さそうだけど、酔い覚ましのスープはあるそうで]

佐次詩羽

　
　持ってきてくれるの？
　じゃあ、その間にシャワー浴びちゃうから、
　30分後くらいに戻ってきてくれる？

[こちらが伝えた時間の単位は、翻訳魔法がいい感じに変換してくれるだろう。
バスルームの使い方は昨日教えてもらったから大丈夫]

佐次詩羽

──シャワーの後で──

[オズ君はきっちり時間を守って戻ってきてくれるだろう。
知り合ってまだ間もないけど、彼はそういう人なんだと何となくわかる。
シャワーを使って全身を洗い流して、最悪の気分からは抜け出せた気がした。
戻ってきたオズ君を、部屋の扉を開けて迎える]

　おかえりなさい
　あー……いい匂いだね、食べられそうな気がしてきた…

[ちなみにこちらは湯上りウタだ。
手持ちにメイク道具はないからすっぴんだが、元々盛る方じゃなかったので、これまでとさほど違和感はないだろう。
死人のようだった顔色に、ほんのりと血色が戻ってる。
肌も輝きを取り戻して、つるつる＆プルプル。これぞ若さ]

佐次詩羽

[手近なテーブルに食事を並べて、
ついでにオズ君も一緒にどうぞと二人で遅めの朝食を始める。
あれ、もう昼かな？まあいっか]

　あーー……おいし…優しい味だね…

[起きた直後は胃に固形物なんて入りそうにないと思ってたけど、これなら回復も早まりそうだ。
ゆっくり食事をしながら、バスルームを使った感想など伝える]

　石鹸とか化粧水とかはあるけど、
　自分に合ったのが欲しいな〜…あと服も。

　後で買い物行きたい。付き合ってくれるんでしょ？

[この地でどんな風に過ごしたいか、少しずつイメージを膨らませていく]

佐次詩羽

[ちなみに部屋の一角にあるキッチンスペースは
絶対に使う事はないと思っていたけど]

　えーー…、オズ君料理できんの？>>383
　すご……、もう何でもできる男子じゃん。
　なんで彼女いないの？

[こちらの世界の基準に沿って、えぐるような問いを投げる。
なお、飲酒中の会話はほぼ覚えてないが、断片的には覚えているものである]

　それじゃあ、作ってもらおうかな
　あ、手伝える事があったらやるけど…
　お皿洗いとかは、まあまあ出来るよ

[つまり台所に立って出来る事はそのくらいなんだが。
彼が料理するのを間近で見て覚えて、元の世界に戻った後で似たようなものが作れたら試したいと思った]

佐次詩羽

　
　ご飯もさ、三食毎回来るの大変じゃない？
　何なら朝昼分とか、作り置きとかしてくれてもいいけど。
　そしたら、オズ君にも自由時間ができると思うし、……。

[最優先に面倒みてくれるのは嬉しいけど、わたしなんかとずっと一緒じゃ息が詰まってこないかな。
わたしはこの人を避けたいってほどじゃないけど、たまには一人になる時間もほしくない？とか]

　……。

[でもそれを言葉にして伝えるのは何故かはばかられて、これ以上の言葉が続かなかった。**]