【M】 偵察兵見習い タリア

路地裏

鳥？！
鳥じゃないよ

[鳥とかいうから笑って答える>>378。跳べるけど飛べない。FlyではなくJumpなのだと、その違いは説明するのが難しい。だからべつに言わなかった。

石ころは沢山出るのだとか、口の中ほわーっとなるだとか、食べれる石ころだとか、彼の言葉はなかなか解釈が難しいけれど、だけどある意味”慣れて”いた。

彼が何かの病気なのかとかはわからない（ましてや失敗されたとか思いもしない）のだけれど、それとは別の話で路地裏には、”そういう人”はたくさんいた。学のない、ただ知恵のない住人、表通りでは生きていけず治療にわたる金もない障がいを負った住人、そういう者が裏路地にはたくさん住んでいたから。]

そうだね、金持ちになったら、そういうすごそうなものは全部食べ放題

[だから理解した振りをした。世渡りは上手なほうだ。

彼の言うこと全部理解できているわけじゃない。ボクの想定した「大きなおうちに住み放題」と、彼が想定した「おうちを繋げる」の意味が何となく違うのは理解した。

でも”トループとみんなを繋げる”って言葉が、なんとなくボクの知らない”平和な明日”そのものに見えたんだ。だから「楽しみにしてる」って彼には言おうかな。]

【M】 偵察兵見習い タリア

うん、帰らない

[帰らないのか？って聞かれたらはっきりとそれを肯定する。”同じトルーパーズとして”とか、”裏路地出身として”とか、そういう理由で誇らしいのだ、とは言わなかった。あくまでも”彼が”掘りだすのが、誇らしいのだ。

だから嬉しそうな顔をしてくれるのなら、うんうんと頷く。切り替わるとかは気づくこともなかった。>>382

そんなとき鳥が空を飛んだのか、偶然足元に白銀の羽根が舞い落ちる。ボクの髪の毛のような色の羽根だ。ボクを鳥と呼ぶきみに、羽根を差し出したらきみはどんな顔をしただろう。]

【M】 偵察兵見習い タリア

”女神”の、羽根だよ
素敵なことがありますようにって、お守りだ。

じゃあね。

[100人いたら99人は、女神に羽根なんてないって言うだろう。99人は空を見て、あの白い鳥の羽根だろうって言うだろう。

だけどきみなら信じてくれるかな。誰の女神にもなれず教会とともに朽ち果てた喜劇の女神（Thalia）が、100人のうちたった1人だけでも笑顔にできるなら。喜んで嘘の羽根を差し出そう。

そうして”とんで”みせようか。空高く、きみに見えないあたりまで　*]

【M】 偵察兵見習い タリア

[きみが空を見上げれば、この羽根を落とした”本物”だけが空を飛んでいるかもしれないけれど　*]

【M】 偵察兵見習い タリア

ライブ会場で

[棄てられたか？と先輩は訊く>>386　何を？と聞き返すほど鳥頭でもないので、ボクははっきりと答えられるだろう]

うん、棄てられた
ありがとう

[それだけ。それ以上の言葉はお互いなかったかもしれない。だけどそれでよかった、それが心地よかった。今日も、明日も、未来も、ずっと。ボクと先輩はそれでいい。

だけどもしこれから先、先輩とお酒を飲む機会でもあったなら、その時には酔った先輩から本音が聞けたりしないかなあっていうのはボクの願望。そしたらもう少し大人になったボクが先輩のこと慰めてあげるのに。

今はこんな風に、未来も願望も全部、ボクの明日の続きに入ってる。

もちろんお土産も ―― だけどそれには答えがなかったから、ボクは結果的にきんつばを押し付けることになる。ボクは見たことも食べたこともないけど、きっと美味しいよ。　**]