巡庸艦 PK

顧客
「（拍手をしながら）素晴らしい！
　彼のクニは利己的主張を一歩も譲らざるのみならず、我がクニの一方的譲歩を強要している。これに対し我がクニは、あくまで平和的妥結の努力を続けてきたが、彼の国はなんら反省の色を示さず、今日に至っている。もし彼のクニの強要に屈従すれば、我がクニの権威を失墜、陥らしむる結果となる。我々の目的は戦争ではない。殺戮ではない。あくまでもその後の平和のためだ。我々の勝利は、世界平和に必要なのだ。である以上、あくまでも倫理的・人道的な勝利を収めなければならん。
　ヒトモドキが代理戦争を行うようになって久しい。しかし結果、どうだ？　見かけ上は兵士の損失は失われたかもしれん。だが現実を見れば、ヒトモドキの倫理観や創造性の欠如は、時として予期せぬ大きな被害をもたらす。ヒトの道徳心、発想力のなんと素晴らしいことか！
　ヒトはヒトモドキよりもはるかに優れているのだ。であるならば、融通の利かないヒトモドキに大艦を任せず、ヒトがヒトの心に基づいて戦おうではないか！」