31 【R18】瞑々学園の温泉合宿
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佐次詩羽
[「けーくん」は昔から大人しくて泣き虫で
元気に走っていくアタシの後ろをついて来る感じだったから
「親友」って言うよりも傍目には
「子分」って感じに見えてたかもしれない。
その癖妙に頑固なとこもあって、
アタシが「五十嵐くんって呼ぶ」って宣言した時は
涙目になりながらも譲らなかったから
「勝手にしろ」って折れたんだっけな。
小学生からそんなこんなで思春期を迎えて
微妙な関係になったアタシたちだったけど、
時々家の集まりで顔を合わせる仲は続き
アタシだってそれなりに心も体も成長していって。
瞑々学園でクラスメイトになった時には
「異性だと過剰に意識してぎくしゃく」みたいなのは薄れていた。]
五十嵐螢
［小さい頃は>>53僕は詩ちゃんの子分かよと揶揄われたことがあった。
ずっと後ろをついて回っていたからそう見えたのかもしれないが彼女は物心ついたときには隣にいて、一番最初の友達で、親友で、それ以上に大切な人だった。
呼び方を変えると言われた日は距離感が出来た感じがして悲しかったけれど最終的には彼女が折れてくれたから優しさを感じた。
笑顔で『うん、勝手にするね、詩ちゃん』と言ったが多分最後まで僕は折れなかったからだろう。
背は小さくて>>54なよなよしているが心は鋼。
だって背は父親も母親も祖父も祖母もみんな低いから仕方ないじゃない。
氷室さんを見上げることになったって遺伝だもの。
努力ではどうにもならないこともあるとそこは早々に諦めた。
男っぽくなくても僕は僕で、僕のヒロインはずっと彼女しかいない。
家の集まりで詩ちゃんと仲良くやっているかと問われるとしどろもどろに答えるしかなかったが、母親からはそういう時期もあると教えられていて女の子は男の子が守るものらしい。
――とその後に続く父親との惚気話を幼い頃から耳にタコができるくらい聞き続けてきたので距離感は恐らく僕の変わらぬ接し方と彼女の心の距離感が生み出しているものなのだろう］
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