26 ― 境界の先への手紙 ―
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海の藻屑となったもはや使われることのない
ガラクタの数々の中に、泥の男はゆらりと歩む。
ぐちゅりと足が荒々しい岩礁の肌に触れて
泥そのものが削り取られそうになる痛い。
……溶けた泥も感覚が繋がっているらしい
解けていく足の泥が
ひときわ大きい長方形の物体の方へと漂ったとき、
それがどうにも見た目より重く、
中身が空洞になっているところに
何かを詰め込んでいるらしいと感じ取る
四肢の一本を伸ばし、指を絡ませ
ズルっとそれを引き出すと、取っ手がついていた
……革独特の表面がボロボロになっている。
…鞄だ。これは
(55) 2024/09/19(Thu) 06:50:59
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