
5 【半突発誰歓RP村】映画 ─玉響に“なけ”─
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「自分の卒業式だもん。自分で植えた花じゃないと意味ない。
もしかしたら、綺麗に咲くかもしれないし。
パンジーくらい色んな色があって冬に咲く花、他に知らないもーん。
それにね、全部咲かなくてもいいよ。最低限咲いてくれれば。
満開にならなかったら、その後の世話は飯島くんに任せます。」
[だから頑張ってね、と言われて飯島は頷いた。
先輩の輝かしいほどの笑顔。それに気圧されるようにして。
咲かなかったら意味なくないですか?という言葉も。
どうせ見ているやつなんていないですよ、という言葉も。
頭に浮かんだそれらの言葉を、口に出すことはしないまま。]**
(293) 2023/03/02(Thu) 11:35:37

ー 春・五月、校舎前花壇に供えられた花 ー
[下校時間、ケンに潰されたという花の確認をしようと、校舎前花壇へと向かうとき、誰かを見た気がした。>>231
それは他の生徒と同じように視界の端を横切っていく。
やけに明るい髪色だけがわずかな印象を残した。
花壇の確認をすると、確かにケンが言った通り、いくつかの花が潰れているのが分かる。
ダメそうなものを簡易的に間引き、本格的な株の処分と植え替えは手伝いのある後日にしようと考えたところで、違和感に目が止まる。
不自然に横たえられた花。潰されたパンジーの近くにあるだけに、誰かの意思で供えられたもののように感じた。
ふと、いつかの言葉が脳裏に甦る。>>293
どうやら自分の方が間違っていたらしい。>>230]
ふーん。
[飯島の視線は、今や荒らされた花壇より、供えられた花にのみ注がれていた。
暫く供えられた花を注視して、それから花壇の手入れに戻り、下校した。]
(294) 2023/03/02(Thu) 12:11:21

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