被験者 天海 祈

[口からビームも出せるらしい。そう聞いた時には彼は少し呆然としていた。>>336
そんなものが想像力だけで簡単に出来たら誰も困りはしないのだ。
夢であることが、この世界の悪意の無さがそれを許すのだろうか。
機械が人々に紛れサポートしているのは同じなのに、この遊園地と少年の世界はまるで違う。

最初は目の前の大人がビームを発する姿を想像してしまったことは、少年も内緒にすることにした。
あんまり怖くない。多分彼にとってマストという男性が穏やかで優しいイメージになっている故の発想だ。

簡潔で分かりやすい説明と、その内容が普段させられていることに少し類似していたお陰で、迅速に習得が終わる。>>337
大人の心子供知らず、少年はサムズアップを受けて一人照れ照れとしていた。]

取材考証 マスト

──　正門から『マーメイドリバー』へ　──

［やり取りを経て、幾分か表情が柔らかくなったイノリくんを見て笑みを浮かべる。>>346

　続く進路には瞳を輝かせて食いついてくれた。ころころ変わる表情と併せて選択は外していなかった事に安堵しつつ。>>347
　
　夜明けまで遊びつくしても足りないくらいのコンテンツ数は、イノリくんをしっかり楽しませてくれそうだなと頷く。

　と、イノリくんから見てみたいエリアの指定を聞いてパンフレットを開いてみる。ファンタジーエリアか。］

　　良いね、冒険らしくなってきた。
　　ファンタジーエリアにも色々あるみたいだね。

　　フェアリーエリアって言う所でサーカスがあったり。>>119 >>43
　　アドベンチャーエリアの密林部分>>292と提携した体験型アトラクション『ジャングルの秘宝を探せ』にファンタジー王道のお城まで。

［パンフレットの内容を指で確認しつつ見ているけど、多いな。今言った以外にも沢山あるみたいだ。

　後、ここで述べたファンタジーのお城内部は資料館にもなっているという文言を見つけた。写真館>>278もこの辺りにあるらしい。
　まあ、これはどこかで訪れれば良いかと、イノリくんの見てみたいものを優先する事にして、いざ目的地へと出発。］