【鳴】 市川夢助

[詩音は自分ではよく認識できていないようだったが、うずうずして、もじもじするらしい。二人しかいない場所だけれど、傍で耳打ちする。]

　それがさ…多分気持ちいいとか、感じてる、って事じゃねえかな。
　多分だけどさ。少なくとも嫌じゃないんだろ？

[それなら、やめる必要はない。
胸でも、他の場所でも、同じ場所を何度も繰り返し刺激する。
最初はくすぐったかったりするのかもしれないが…
そこはじっくり続けていけばいい。
別に今この場で気持ちよく感じられる必要もないだろうし。]

　…そっか。俺も詩音のかわいいとこは、俺だけ知ってればいいって思うし。
　今のままでいいと思う。

[まあ、全く以前のままで喧嘩になってしまうのはお互い良くないけど、というのは言わずもがな。今こうしている詩音は、憎まれ口すら愛らしい。
俺のものを握って興味ありげに動かしてみたりしているところも、なんだか可愛げがある。
変に積極的なのは、あまり知識がない事の裏返しだったのだろうか。
興味津々といった感じで分析しだしているところなんか、思わずくすりと笑ってしまう。気を悪くしそうなら笑って謝るけれど。]