6 ― まだ、ちいさな手紙 ―
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……あっ。
[休憩時間の半ば、休息及び充電のためベッドに横たわろうとして気づきました。
もしや、私が先だって出した手紙には何か瑕疵がなかったかと。確かに本の内容は覚えていますが… 何か引っかかります。
これは恐るべきことです。
なぜならば、記憶をもとに記したものに瑕疵があったならば、それは私の記憶装置に瑕疵がある可能性を指し示すものですから。
私、EL7-10型は極めて長期にわたる反復的な中等度の知的作業に最適化されています。
そして、無論私は第3分館を任される程度には優秀な試験結果を示したのでこのセラエナスに派遣されているのです。
その記憶及び作業が信頼性に欠けるものであるならば、私は交代させられてしまいます。
そう、何もなければ耐用年数までこの作業を続けられるのです。交代とは不適格であるが故のお役御免ということ。
そのような実例を聞かないではありません。
この星を離れ、一体どこに居場所を移されるものか…
その事を考えると、私は書庫の暗黒の吹き抜けに身を投げるような、ひどく落ち着かないものを感じるのです。]
(27) 2023/04/21(Fri) 23:58:24
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