25 【R18】異世界の門と恋の彼方
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きぐるみ ピギー
[食事を終えれば改めて俵担ぎをして屋根から降りる。
その前に、店の店主に、おーい。っと声をかけて、場所代と飲み物くれ。と横柄な態度でいうと、お前また人の店を！それとここは夜に営業だ！みたいな感じにいうおっさんときぐるみの気兼ねないやり取りがあったとか。
無事に飲み物を買って二人で飲みながら歩いていく。
先程上からみた橋を渡って、都会的ではなく牧歌的な趣を味わえる、香りも人の猥雑としたものではなく土と肥料と草の香りが強まり、大きな水車、併設された小屋では小麦の粉を挽かれ、選択をするご婦人やら労働力として働く牛を引く子供など様々だ。
たまにきぐるみー。と子供に言われるが、子供に言われる分には特別なにかもなく、手伝いがんばれよ。親とはぐれるなよ。とかいいながら歩いていって目的地は緑が豊富な栽培所である薬草園であった。]
衣代和かほ
〜〜！！ ぅぅ……。
[帰りの俵荷物運びは声を我慢できた。>>128
ただし降りるのは胃の浮く感覚からも食後には向かないことも分かった――でも着地した時の表情は少し明るい。
肩から下ろされたら両足で着地する。
ピギーと店の人の会話から、ここが夜にだけ開く店で、ピギーは常連っぽく、屋根の上を使うのも慣れているらしいことが分かる。
勝手に大丈夫なのかと途中から思っていたが、しっかり場所代を払うことに安堵しつつ、勝手に使って失礼しました、と頭を下げる。
ピギーの隣に立って飲み物も受け取った。
夜はどんな店になるんだろう、酒場かな、とちらりと覗いて。
それから橋を渡って川の向こうへ。
相変わらず風は優しく、鼻腔に届く匂いは変わっていく。
自分にはあまり馴染みのない匂い。
鮮やかな緑、畑、点々と人々だけでなく牛までいる。
子供たちが着ぐるみと呼ぶと、ピギーはそれぞれに言葉を返す。
その声音にあたたかさを感じてつい歩調が緩まる。
ハッとして速さを戻し、追いながら、物珍しげな視線を向ける子供がいれば、小さく小さく手を振った。]
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