自称穴掘り屋 ズィー

[そのレインコートが赤いのではなく、赤く濡れているのだと気づくには、まだ少し時間がかかった。それが血であったなら、匂いは感じ取っていただろうけど。けど、それよりも]

　国に興味あんだが！？

[さっそく国民キャッチ効果があったと、少しワクワクとしてみせて。今朝、大きな事件が、このトループで大きな動きがあったのをまだ知らずに]

　そうだべよ。地下に国さつくんだ
　こう、やって！

[よいしょっと、ツルハシを持ち上げて、カツーンと予定地に振り下ろした。

まだ"国"はほんの少し穴があいたくらい*]

葬儀屋 ヌル

―小さな女王さまと―

［「地下に国をつくる」と言った少女は、さっそく実践してみせてくれた。>>150
近づこうとして、血まみれのレインコートを着たままなことに気づいてその場で脱ぐ。
流石に、女王さまの前で血まみれはよくないだろう。］

そのツルハシで？
大変そう。

［素直な感想がでてくる。］

ねえ、どんな国を造るの？
ぼくはね、ひとりぼっちになるコがいない国がいいな。

荼毘葬送 オクリビ

現在：「王」への営業終了後の裏通り

[さて、「穴掘り帝国」の現在の国民人口はというと――。
　国民キャッチ活動の成果が今朝になって表れたらしい（真の成果かは兎も角）>>150程度には、昨日の段階ではまだ、即時加入者は集まらなかったか。
　オクリビの側でも直接の勧誘は行っていたが、これが功を奏すかは、あの昔の客>>73>>74の生命力と組織への忠誠心、そして運次第だろう。

　まさかあのアリシアが此方に与するとは、オクリビは考えていない。
　昨夜彼女が何を意志したか>>169>>170>>171を知っている訳でなくとも、元々の立場とあの時のズィーへの返答の仕方>>192から、機械の女は「まさか」の可能性を排除していた。
　アイドルデュオの件だって、向こうから笑われてしまう程度には、夢のまた夢といったところ。

　それゆえに、「素敵だと思うよ」という月並みな一言にアリシアの本心が表れていたとオクリビは考えていない。
　社交辞令、くらいの捉え方をしてしまっている。]