25 【R18】異世界の門と恋の彼方
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きぐるみ ピギー
あったなこういうの…これは…美肌茶？
[と振り返っていうイヨリ>>145がいう赤い実の花を見てのこと、あちらの世界ではローズヒップのようなものだったか、お茶名のほうがストレートだったので覚えていたぐらいだし、その辺りは既に熱心に勉強をしていたイヨリのほうが詳しいかもしれない。
他にもラベンダーのようなあの時飲んだものではない紫色の花であり、そっちの世界にもあるものもあったが、逆にそっちにはない――あるいはイヨリが知らないものもあっただろう。]
これはクシャミとかいわれてるやつだな。ほら、水をやると思いっきり花の部分が前後に揺れるだろ。
[葉が黒く花が緑という変わったものだ。ちなみに水をやらなくても実を遠くに飛ばすためにそう動くのだがそこまではピギーは詳しくない。
そうこうしているうちに]
お、よく飲んでる夜明け草はこれだな。
[夜明けのお茶の花である。真っ直ぐに伸びた茎と小さな葉。そして外側が薄紫で内側が濃紫の五枚の花びら、中心には実があって、そちらの世界では葵とかが見た目が近いだろう。その花を示していうのであった*]
衣代和かほ
水かける前に教え…っ…てっ…ほしかった……！
[シャックリつらい。
独特な色合いの植物は強く記憶に刻まれた。
クシャミが出る風邪に効くんだっけ？と確認したり。
こうしてピギーと同じものを眺めて同じものについて話すのは、互いのことを話すより気楽である一方、不思議なざわめきがあった。
気づけば土を踏む足取りが軽くなっていた。
髪ゴムを借りて結べばよかったと思いながら、頬にかかる毛先を頭を振ることで避け、人工の雨を降らせていく。
そして、とうとうあの花の元に訪れた。>>156]
夜明け草だ……。
[水をあげると小さな葉がきらきらと光の粒をまとう。
お茶を淹れた時の色を思わせる花は美しく、紫の花びら一枚一枚に夜明けのひとときをいくつも宿していた。
よかった、こちらは動かないみたい。
水を止められるかなとピギーに頼み、少し時間をもらう。]
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