星狩りの国-暁の街-


22 【完全RP村】機械人類は、蒼穹の空の夢を見るか


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夜の女王の アリシア

[店を閉め、自室でふと思索に耽る。
人間でありたかった、と思ったことはない。
しかし、人間でないことで今の生活が続けられないのであれば、何のために変わらない体となったのか、と思う事はあったかもしれない。

「幸せに生きてンなら、それでいいンだけどな」という呟き>>0:403が、少しだけ胸に残っていて。
幸せとは何か考えたことは無いが、失いたくないという曖昧な気持ちに向き合ってみようと思ったのは、夜という時間に潜む魔物のせいなのかもしれない。


──人は変わる。年を取り、いずれは死ぬ。
望みの如何に問わず「生かされた」私は、私の望みに反して「死」へと移り変わる父を、そしていずれ移り変わるであろう大切な人たちを、否定することはしない。
それが人であり続けることの「幸せ」の一つなのだろうから。

しかし望みを受けて生に取り残される「私」が、失うことを恐れることは許してほしい。
願いと共に死ぬことが、死を幸せと共に迎える人々の根源だとしても。


そんな悩みをもしオーネストが聞けば、贅沢と思うだろうか。結局は立場ゆえの死を迎え、しかし立場ゆえの財力と行動力で確かに生を迎えた。
私に選択肢はなかったが、私を「生かした」人々は確かに私の「生」を選んだ。かろうじて、選ぶことが出来た。

そんな選択肢が無かったことも、彼の疑心の根拠も、アリシアに知る由はなく。また話すことも無ければ、真相は窓の外、夜の闇に溶けて消える。]

(273) 2024/06/23(Sun) 16:45:35

“正直者” オーネスト

[殺戮兵器になってまで、生きようとするマフィアのボスを憐れむ気持ちは本当だ。だけど、もし、彼の背景を俺がきちんと知っていたら?>>234 奪われた過去に自分を重ね合わせ、彼への見方も変わったかもしれない。

「電脳化してなお生にしがみつく道」を選んだアイツと、「人生を狂わせた電脳化を恨む道」を選んだ俺は、元をただせば、きっと一緒だった。それもきっと俺とそいつの選択肢が異なったからだ。

酒場の看板娘が電脳化された人間である可能性を想像した。>>273
それを可哀想にと思ってしまったのは組織に染まった故。ただ、殺戮兵器になったマフィアに対する感情と違って「幸せで在れ」と願ったのは、彼女の本当の姿を、知らなかったから。中立を保つ酒場の看板娘。

本来の姿を知っていたなら、どうだっただろう。
俺は、同じ言葉を彼女にかけていただろうか。

さらに、彼女が生かされた側であることを知っていたら? 信頼できる相手に身を託し、命を救われた側だと知っていたら? 彼女の姿を妻に重ねることは無かっただろうか。

……なんてすべては 絵空事。

マフィアのボスの裏事情も知らないし、看板娘の正体さえまだ、知らないのだから。こんなことを想うことは無いけれど。

ただ、いつか気づくのだろうか。全てはひとりひとりの選択が、今こうして、すれ違いを生んでしまっているということに。**]

(281) 2024/06/23(Sun) 18:04:17



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