【念】 桐木虹介

スナイパーみたいに？


[上がる口の端。冗談のようにも聞こえるけれど。
どこまでが本当で、どこからが冗談なのか。


これまた有名な漫画を思い出したけど…まぁあれもフィクションで。今、目の前にいるかつての冒険者を、しみじみと眺めてしまう視線がぶしつけでないといいのだけれど。「見えないところから撃つ」のにあれだけの筋力が必要なら、前衛の人とかはいったいどんな筋肉をしているんだろう…。


それでも、前衛に比べればまだ勤まりそうな気がしてくる。スナイパー、それなら。撃ったらみつからないように走る。
銃の扱いも覚えて、魔道具の仕組みも覚えられたらリオさんの手伝いができるようになるかもしれない。

いや、お客さんが多くはないと言っていたから、迷惑をかけないためならやっぱり別の方法で糧を得られるようにしたほうが…

なんて妄想も広がれば、この世界で暮らしていく目途も立てられるのではないかと少し−−−こころの天秤、片方に重さが加算される。]