【叫】 衣代和かほ

[それからエプロンをまた身につける。
これは最近ピギーに頼んで用意してもらったもの。

引きこもり期間はろくに使わなかった簡易キッチンに立ち――最近は朝食の目玉焼きとスープくらいは作ることがある――料理開始。
といってもそう時間をかけるつもりはない。

串から外した激辛焼き鳥をオリーブオイルをひいたフライパンで温め直し、そこにアスパラとキノコを加えて火を通す。
仕上げに溶けるタイプのチーズを加えればもう完成。
もうひとつは暗黒の焼き鳥で、胡麻油を使ってシンプルに斜め切りしたネギのみと炒め、両方の料理を大皿に盛った。

スープは朝食のトマトメインのものにジャガイモを入れて。
お酒を飲むときは炭水化物を摂らない、なんて聞くが、これを飲めばパンの代わりになるだろうか。
それと一度朝に出してから姿を消した不恰好な甘めの卵焼き。
買ってきたものと作り置きに一手間加えたものばかりだが、料理本を読んで自分なりにアレンジをしたメニューたちだった。

あとはシンプルに買ってきたおつまみと。
チーズを切ったものやらを並べ、サラダを添えて。

それらを並べ終えるとエプロンを外し、一旦脱衣所に引っ込んで、白のワンピースに着替えて戻ってきた。]