【叫】 きぐるみ ピギー

[少しだけ考えて言葉を紡ぐ]

　なぁ、俺は今のイヨリと違って、イヨリのことを大事にできるかわからんぞ。

　イヨリが夜に脱走しようとしてたとしても、それに何も言わなかったのはそもそも信頼してなかったからだからな。

[信頼していないやつが、何をやったって怒ることすら値しない。ようはそういう風に区別していただけだ。信頼していないやつがどんな行動をとったって何も思わないのだ]

　でもな…イヨリは選択した。今まで通りじゃない違う選択だ。そんなんしちまえばそれまでの自分の醜さとか惨めさとかも理解できちまうのにな。

[それはイヨリの心を思ってというのもあれば、自分の経験談とでもいうのは、何度か話していたのでイヨリにも理解できるだろう。]

　気遣いもなく経験もして選択したイヨリはな、前までよりいいな。って思ったぞ。なんていうか色がついたというか……魅力的って意味でな。

[最後は言い淀みながらいう。それが拒否というものではなく、ただただ本当に慣れないことをいっているようなのは、付き合いの長さから伝わっただろうか]