【鳴】 氷室詩音

　
えっ！？　あううっ！？
ん、夢助、夢助……ぐ、んくっ、ふ、あ……！！！！
　
　
[だってもう全部入ったと思ってた。
なのにまだまだ、私の中が押し広げられていく。みちみち、ギチギチと閉じていた内側が強引に開かれていく感覚に微かな苦痛の声が漏れた。
それでも、最後まで。最後までするって決めたし、何より私も繋がりたかったから。
細く長く息を吐き出して痛みを逃し、それでも堪えきれなくてポロポロと涙が溢れていく。
ぎゅ……、と夢介に抱きつくようにして縋りついて、なるべく力を抜いて……と爪先が宙を掻いた。びく、びく、と余りの衝撃に内側が震えて、それでも蜜が侵入を手助けしていく。
微かな血の匂いがしたのは、ああ、破瓜を迎えたのね……と朧げな知識から納得した。
どのタイミングかわからない。分からないほど、いっぱいいっぱいで。はーっ、はーっ、と呼吸が荒くなってしまう。時々、んくっ、と喉を鳴らすのは痛みを堪えるのと衝撃に翻弄されてのことだ。
多分、今は見えずとも動き始めれば愛蜜と共に破瓜の血も溢れてくるんだろう。]