【鳴】 氷室詩音

　
[最後まで繋がって良かったことは、先ずは夢助が気持ち良さそうなこと。彼まで苦痛を受けていたなら私はきっと凹んでしまうから。
でも、入れただけでも良いと言ってくれたし、キスをして頭を撫でてくれて。
なんだかその行為自体に私の心が満たされていく。
深く口付けが交わされるなら、甘えるようにその舌先に吸いついたり、ツンツンと舌先で触れ合ったりして。
私にはそれもまた心地よくて、少しずつ痛みが和らいでいくのを感じていた。]
　
　
うん……大丈夫、だから。
あっ、……んっ、ふ……っ、あっ、んんぅ……っ。
　
　
[夢助は動きはするけど、まだその動きが緩やかなのはきっとこちらに気を遣ってくれてるから。
私はその動きについていくのに精一杯で、押し込まれるたびに息を吐き出し微かに喘いでいたけれど。
少しして、びく、と内側で何か跳ねた気がした。内側の微細な感覚はわからないけど……少し、内側のものが柔らかくなったような？
そして夢助の言葉で察する。ああ、中に注がれたんだって。

ちょっと驚いたけど、でも出来たんだって。
嬉しさがあったから、落胆も何もなくて微笑みを返していた。潤んだ瞳で見つめて、彼の頬を愛しくて撫でる。
くそ、なんて言ってたけど……私は十分に満足してて。だからこのまま終わるつもりだったんだけど。]