【鳴】 市川夢助

[湯上りの肌に上るのは湯滴だけでなく、汗も混じっているかもしれない。
繋がった場所は気持ちよすぎて、幸せで、言葉にならない。
詩音がびくびくっと震えて内側の俺を締め付けたら俺の方も堪えるように一際膨らむ。
ややあって、詩音がぐったりと脱力し、床に身を投げ出して、詩音も気持ちよくなってくれたのだと理解した。
何が起こったかわからない様子の詩音を抱きしめて、口づけ一つ、にまりとほほ笑む]

　そっか。詩音も俺のチンポで気持ちよくなって…「イって」くれたんだ。
　…なんか、嬉しいな。
　多分それが…「イく」ってやつだと思う。
　気持ちよかったら、そう教えてくれたら…俺ももっと嬉しいかも。
　……なんて。

[悪い事を一つ教えてしまっている気もするが…いや、これは別にいいよな。
それより、詩音はすっかり気持ちよくなっているみたいだ。
身体が冷めてしまわないうちに、俺の方もと、詩音を抱きすくめたままもう一つ耳打ちする。]