20 ― 遺されたモノたちの手紙 ―
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『―――起きたか。
まったく。毎日町を走り回っていたと聞くが
よくあの状態で今まで動けたものだ。』
[僕の中身にライトを照らしながら、
僕の中を覗き込んでいたメカは呆れたように言った。
その人型メカに僕が出会ったのは今が初めて。
この町に一体しかいない、修理専門のメカである彼は、
普段は町全体のメンテナンス作業に忙しく、
マスターのお店に顔を出すのは毎日夜更けだという。
日が沈む前に店を出てしまう僕と会ったことがないのは
理由を知ってしまえば当たり前のこと。
昨日僕は急に電源が落ちてしまったらしい。
お店に居たメカ達が慌てて、彼を呼んだんだって。
その場では充電をしても何をしても電源が入らず、
ここに持ってきて分解後、交換できる部品を交換し、
それでやっと、僕は起動できたということだった。]
(15) 2024/05/12(Sun) 17:04:14
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