写真画家 ヤワタ

>>73フェイちゃん（>>77）
[ふわふわ笑みを絶やさない男は鈍い訳ではありませんでした。
ただ、見えそうな好意は見ないふりをして…ただただ嫌われ過ぎず、詰めすぎない距離を保っているだけ。
魂に刻まれた記憶がそうしろと彼の身体を過保護に縛り付けていたからでしょう。]

………。
俺ちゃん的にはとりあえずフェイちゃんに怪我がなくて良かったかなぁー？
あははーフェイちゃん冗談キツいよー………？まるでフェイちゃんなら海に棄てることも出来たみたいなさー。

[そんな記憶は、笑みを湛えるあなたと対峙する今、この時。最大級の警報を鳴らしていました。
魔を関知出来ない男が似たような経験をしたことがあるように。]

…へぇーそーなんだ？
……っ、…俺ちゃんがあげれるものならいいんだけどなぁー。

[僅かにベンチ上を滑るように、後退しながら、相槌を打ちます。しかし、ピンっと張った黒い紐が、あなたが握り締めるそれが、男の邪魔をして。あなたを見つめ返した男は問いました。]

何？フェイちゃんの探してたモノって。

[静かな大樹の影。2人の密会を隠すように月明かりが雲に隠れ始めていました。]*