
26 ― 境界の先への手紙 ―
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ベアーが立ち去った後、研究員は読み止しの本を手に取った。
ベアーの、原始的な知能を持つ動物的キメラの知性が特異点に到達したと論文に認めれば間違いなく、喝さいを浴びる偉業を成し遂げられるだろう。
だが研究員がそうしようとは思わなかった。
倫理から外れた実験の末に生まれた生命体だからということも当然あるが、それ以上にここにいる人工的に生み出されたいのち達を好奇の目に晒すようなことはしたくなかったのだ。
――こどもみたいなもんだからなぁ……。
自分よりも賢いあのいのちも、人間のこどもと大して変わらないあのいのちも、まったくの偶然で生まれたあのいのちも、人間のようなコミュニケーションは取れないあのいのちも、異形のあのいのちも……みな研究員にとって家族であり、こどものようなものなのだ。
(138) 2024/09/23(Mon) 18:22:12

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