【念】 辺見　華蓮

　「これ…気持ちいいんだ？そっか。うん…覚えちゃった。
　そういう薫さんもかわいくて…大好き。」

薫さんも私のいいところ、いっぱい覚えているわけだし、私も同じ。
内股になって気持ちよさそうな姿が、本当に可愛い。
戸籍は男性だし、きっと入籍は普通にできる。
子どもがもしできるなら、それこそ法律的には何の問題もないだろう。
でも、そうでなくても、こんな風にいっぱいかわいらしく、男性を責めても
女性らしさをどこかに感じさせながら感じてくれる薫さんが、私は好きなわけで。
裏筋、先端、気持ちよくなってくれる場所は全部覚えていく。

　「やだ、泣いてるの？そんなに気持ちよかった？
　それとも……嬉しかったかな？」

くすくすと笑いながらも、私も嬉しい。
薫さんが喜んでくれるのが。
私が好きと言っている言葉を、薫さんが嬉しいと思ってくれるのが嬉しい。