【叫】 五十嵐螢

［詩ちゃんが僕の愛撫でどんどんと乱れていく。
淫らに華咲く天使だろうか。元から天使だが。
本人に言うと否定されるが僕にとってはそれくらいの存在である。
強気なところや男勝りなところもまた良いのだが今の状況は普段の言動が一転しているのでまたぐっとくる。

　もどかしさはあるだろうが奥にと尋ねたのはまた重いと言われるかもしれないが僕自身の心のケジメの問題でもあった。
逸物を埋めればきっと今よりも気持ちがいいことが分かっているのに止まれているのは抱え込んだ想いの重さからだが、詩ちゃん自身から催促されると答えは「はい」が「yes」しかありえない。
潤んだ瞳が僕の意志を容易く砕いてくれる］

　じゃあ、挿れるよ……っとその前に――。

［手を伸ばして枕を取ると一つは詩ちゃんの頭の後ろに、もう一つは腰の後ろに入れてもらう。
ところで布団は大きめ広めの一組しかなかったのに枕は二つ。
一緒に寝ろというお達しなのだろうか、酔ってなければどうなっていたんだろう］